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戒名と本名の使い分け

回答数回答 2
有り難し有り難し 15

こんにちは。今回は、以前から気になっていたことを質問させて頂きます。
私は、お坊さんの戒名(法名)に興味をもっていて、例えば実際のお坊さんの戒名いろいろを見るのが好きですし、そのお名前の背景を想像したりしています。
そこでふと気になったことがあります。
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1、実際には、現代日本のお坊さん方は、どのように戒名と本名(元の名前)を使い分けているのでしょうか? 昔は、俗名を捨て戒名を本名として生きるのが一般的だったと読んだことがありますが、現代では変わってきていると感じます。 初対面の人に自己紹介する時、書類などに署名する時、など、様々なシチュエーションによって使う名前も違ってくるのでしょうか?
2、戒名を頂く際は、ご本人の人柄やゆかりのある物などにちなんで名前を構成することもあるのでしょうか?
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多数の一般人にとっては「新たな名前を頂く」などの経験はあまり無く、私のような者にとっては、戒名は未知の世界です。そこで戒名(法名)の実際の仕組みや扱われ方に興味を持っています。教えて頂けるとありがたいです。

2022年1月16日 0:12

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

私が色々観て、聞いて、経験した例をあげます

 えん麦さん、色々と仏教のこと勉強なさっておりますね。ご自愛ください。
 さて、戒名のことですが、最近は色々な仏教How to本が出版されております。そこでも地域や宗派によって色々考え方や多様だと思いますので、1つのことに鵜呑みにしないことをご配慮ください。
 私が観て、聞いて、経験したことを話します。
①戒名は院号・道号・戒名・位階と分かれております。院号は最近は付けない傾向にあります。道号・戒名の平仄という、韻を踏まなくてはならないというのが法則ですが、最近はこれにあてはまらないものが多いです。平仄は漢詩をしていると必要な知識ですが、説明すると膨大な量が必要ですのでこんなものと思ってください。只言えることは中国で生まれたものです。
②戒名はお釈迦様のころからあると聞いたことがあり、仏弟子になる時に授ける名前です。これはインドのバラモン教から離れる時にそのままの名前だと連れ戻しにに来たときばれるので、名前を変えて姿は似ているけど名前は違いますよと言えるようにしたものと信者を守るために授けたと思います。
③在家さんは戒名を授ける時は受戒会を受ける必要があります。それは本山では年に1回、各お寺では新しい住職が就任するとき行われる時もあります。約1週間お勤めをして、最終日に戒名を授ける儀式を行います。僧侶は出家・得度式に師匠から道号と戒名を授与されます。そうすると親子の縁を基本的には切る事になります。出家とは家出のことです。家を出て、仏門に入る事を意味します。
③「どのように戒名と本名(元の名前)を使い分けているのでしょうか?」の質問ですが、私の場合は私の戒名が大鐵(道号)晃嗣(戒名)和尚(位階)ですかね。特に普段は意識はせずにいます。基本的に戸籍の名前「平野晃嗣(ひらのこうじ)」を使っております。得度をした時も基本的に戒名は音読みですから、「晃嗣」は「こうし」となりました。お寺の子は得度を意識して生まれた時に名前を授けます。書き換えると混乱するし、家庭裁判所に行かなくてはならない場合もありますから結構大変ですから。
 一番意識するのは修行の時です。先輩に同じ音の名前がいたら変えるように言われますので大鐵(だいてつ)と名乗っておりました。
④戒名は本名のままですが、道号は師匠の道号の一字を取って授けられました。

2022年1月16日 9:34
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おきもち

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私の場合は、

法名(浄土真宗ではこう呼びます)「釋隆恩」は
得度の際に自分で考えました。

対外的に僧侶として活動する際(hasunoha等も)は
よりお坊さんらしく見られるよう
「和田隆恩」を使っています。

それ以外の
宗派内での活動やプライベートな場面や
法的な署名に関しては本名を使っています。

お寺生まれの方は
本名がそのまま法名・戒名になることが多いので
使い分ける必要が無いですね。

2022年1月17日 9:30
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有り難し
おきもち

和田隆恩
 浄土真宗(大谷派)/広島県広島市/17世住職。  1967年京都市生ま...
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質問者からのお礼

大鐵様、和田隆恩様、ありがとうございます。
知らない事が多かったのですが、まず、お寺生まれの子に得度を意識した名前を付けることがある、ということが印象に残りました。身近にお坊さんはいれど、知らないことが多いものです。
大鐵様のお話にあったように、(古代インド、出家)戒名を受けることは新しい人生を受けることのような印象を持ちました。
この度は貴重なお話をありがとうございました。

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