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尼僧になるかどうか悩んでいます

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現在大学生で、卒業後に実家を継ぐべきか、自分の夢を追いかけるべきかで悩んでいます。

実家が日蓮宗のお寺で、父が住職をしています。父は数年前に病気をし、現在は退院していますが、いつ働けなくなるかわからないそうです。

私には兄がいるのですが、先日一般企業への就職が決まり、とりあえずは継がずに夢に向かって働くようです。

私はまだ、将来について決まっていませんが、海外で仕事がしたいという夢があります。
しかし、あとを継がなくてはならないのではないかという義務感も感じてしまっているのです。

父は「もし誰も継がなくても、代わりに入ってくれる人を探すから、お前は自分の進みたい道に進みなさい。」と言ってくれています。
しかし、ご先祖さまが代々続けてきたものを、私が途絶えさせてしまっていいのかと不安に思うのです。

私は尼僧になることが嫌なわけではありません。ただ、自信がないのです。
住職として多くの人の支えとなる父の姿を尊敬していますし、憧れています。しかし、自分がそうなれる自信が全くないのです。

また、私は今までそこまで信仰心が強い方ではなく、寺の娘として何かやってきたかといえば、そうではありません。

もし私が「尼僧になり、実家を継ぎたい」と言えば、父は私の師僧となってくれるでしょう。
しかし、こんな自信も信仰心も中途半端な人間が、尼僧になることなどできるのか、なったとしても父のように尼僧としての責務を果たせるのかと考えてしまい、覚悟を決めることもできません。

話が長くなってしまいましたが、このようなことを悩み続け気づけば2年の時が経ってしまいました。選択の時が近づいています。

解決に向けて少しでも進展させるために、アドバイスをしていただけたら幸いです。

最後に決断するのは自分自身であるとわかっているので、あくまで皆様の考えを聞かせていただきたいです。

よろしくお願い致します。

2022年5月13日 23:48

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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「自信」よりも、意思がある事自体に注目して

こんにちは。

「尼僧」になり、「実家を継ぐべき」かどうかを迷っているのですね。

あなた自身は意識できていないかもしれませんが、僧侶になろうかという意思が多少でも有ること自体、大変貴重なことです。その意思が芽生えたのは、「尊敬し」「憧れ」るほどのお父さんからの影響もありましょうし、檀家さんたちとの温かな関係もあったからでしょう。

一方、あなたは「自信がない」と悩んでいるようです。それは、当然のことです。「今までそこまで信仰心が強い方ではなく、寺の娘として何かやってき」ていないというあなたの言が事実であれば、あなたはそもそも「住職」以前に、「尼僧」以前に仏教徒としての基盤が弱いから、必然的に「自信がない」としか表現できないのだと思います。

初めからお父さんのような姿に到達できるのではありません。檀家さんも最初からあなたが先代と同様に出来るとは考えないでしょう。ただ、意思がなければ「住職」への道程自体が生じません。然るべき意思と努力があれば、いつの日にかあなたは自他認める「尼僧」になり、「住職」になれます。しかも、それはお父さんとは違う、あなたなりの良さを持った「住職」になれるのだと思います。

あなたが継ぐ、継がないはこれからの選択次第だと思います。

ただ、想像してみてください。誰が継ぐことになろうとも、貴寺において住職継職法要が営まれるでしょう。近隣のお寺さんが一同に会し盛大な法要が営まれるはずです。その時、本堂の中心の席に座っているのが誰であるかを思い浮かべてみてください。あなたは、その座に座っていたいですか。それとも、違う誰かが座っているのを眺めていたいですか。来るべきその日のことを考えれば、比較的答えは出やすいのではと思いました。

2022年5月14日 7:51
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おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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自信は後から身についてくる

はる 様 相談ありがとうございます。

私、個人的な気持ちとしては、出家してほしいと思いますが、これは私の立場上のことです。
それで、出家して、僧侶になったとしても、夢を追いかけることができるのでは?
と思います。逆もありですね。夢を追いかけるために、海外で仕事をし、一段落ついたら、出家を試みる。という方法もあります。
ただ、ご師父様の健康状態にもよりますが。

それから、自信がないとのことですが、
誰も最初から、自信はありません。むしろ不安の方が多いと思います。それでも日蓮宗の教師になるにあたって、色々行学を重ねるうちに、ご師父様はじめ、先輩僧侶にご指導いただくことによって、だんだんと身について行くものですので、大丈夫かと思います。

そして、現代は、寺離れの時代で、檀家の数が減り、お墓の数が減り、法事の数が減りと、お寺にとって変革期と言えます。こんな時にこそ、あなたのような、海外で仕事がしたいという夢を持つ人が、僧侶になって、新し眼でお寺を見て、現代に合わせてお寺を変革していくというのがいいのではと思っています。

色々判断に迷うかもしれませんが、上記の私の意見を参考にしてくださいませ。
なお、もし日蓮宗の教師として出家する方向へ考えがかたむきそうでしたら、またどうぞ何でもご相談ください。
私も日蓮宗の僧侶ですから。

2022年5月14日 7:52
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おきもち

お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリン...
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先ずは、海外で仕事がしたいという夢に向かってください。

お寺は家業ではありません。
今では血縁者が住職を継ぐのは当たり前ですが
本来はそうではありませんでした(浄土真宗以外)。

また
海外でする仕事も
僧侶になった場合の
良い修行になるのではありませんか。
仏道に励むのも大切ですが
他の道で見聞を広めるのもアリだと思います。

私は在家出身で
脱サラして僧侶になりました。
僧侶歴は浅いですが
在家歴は良い修行であったと確信しています。
悩むのも修行になりましたよ。

2022年5月14日 22:52
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有り難し
おきもち

和田隆恩
 浄土真宗(大谷派)/広島県広島市/17世住職。  1967年京都市生ま...
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質問者からのお礼

釋 悠水様、釋 孝修様、和田 隆恩様、
回答ありがとうございました。
お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。

 皆さんの回答を頂いたあと、もう一度父と話をしました。そして、まずは海外で仕事をするという自分の夢を追いかけることにしました。そして、もし海外での仕事を経験したうえで、自分の中に尼僧になるという選択肢が残っていたのなら、あとを継ぎ住職なるために励むということになりました。
 父がいつまで住職を続けられるかはわかりませんが、他の方に住職になって頂くこともできるので、もう少しの間、自分の夢を追いかけることに専念したいと思います。

 今は「尼僧になる」という選択肢を持つことができたことに喜びを感じています。
 まだ将来のことはわかりませんが、僧侶である父やお世話になっている檀家様との温かい関係や感謝の気持ちを忘れることはないでしょう。

 最後になってしまいますが、皆様のお言葉があったからこそ、もう一度自分と向き合い、父と話が出来たのだと思います。
 本当にありがとうございました。

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