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亡くなった祖父と、遺されたわたし

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 こんばんは。

 母方の祖父が亡くなってしまいました。幼い頃からいろいろな場所を一緒に歩き、人生の節目節目で思い悩む私を励ましてくれた祖父は、言葉では言い尽くせないほどかけがえのない存在でした。最晩年の数年は記憶力が著しく衰えてしまいましたが、最期まで身の周りのことは自分でできていました。こうした祖父の生きざまは、私にはとても理想的で自然な老い方に見えました。一方で歳を重ねていく祖父を見ていて、祖父がいなくなることは私の最も恐れるところでしたが、現実は受け入れがたい悲しみがあります。

 これから順を追ってお通夜とお葬式に臨むことになっているのですが、さて自分は祖父ときちんとお別れができるのか?、これから生きていく気力を保てるのか?、ということをとても不安に感じております。私にできることと言えば、悲しむこと、祈ること、偲ぶことくらいですが、喪失感が大きいゆえに祖父が安らかな眠りに就くことへ本当につながるのかどうか、何をしても虚しい気持ちがしています。亡くなった人の「存在」はどうなるのでしょうか。私たちの身近なところで見守ってくれているのでしょうか、それとも新しい生を受けて、全く違った形で次の命をつないでいるのでしょうか。御礼や悲しみの気持ちを、どう伝えたらよいのでしょう。

 さらには、これほど大きな存在であった祖父を喪い、生きていく希望を持てない身の上となりました。私の周りには近しい親族もおりますが、祖父のいない人生を考えると、すぐにでも死後の世界へ行けるならどれだけよいだろうという気持ちを持ってしまいます。現実には不孝なことはしたくないという自覚があるものの、喪失感は如何ともし難いです。

 かけがえのない肉親を喪った方は、皆さんこのような思いをお持ちになることと思いますが、この世で一人しかいない祖父がいなくなってしまったことは只々悲しく苦しいです。これから直面することになる故人とのお別れや、故人を喪った人生の意味についてお教えを願いたく存じます。乱文で、身勝手な相談とも思うのですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年8月1日 23:54

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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ねぎらい、悼み、そして、励ます

  お祖父様の御逝去、心より哀悼申し上げます。

 お葬式の意義について、私は以下の3つのポイントに分けられると思います。

1、今まで頑張って人生を送ってきたことをねぎらう。(故人への敬意。)

2、しかし、現実は思い描いたようにはいきません。思い描くことすら、ままなりません。悔いのない人生を生きたいと思っても、思ったようにはいきません。悔いは残ります。無念さは残ります。それだけに、「悔い」や「無念さ」に寄り添い、その方の死を悼んであげましょう。(故人への共感)

3、来世の幸福を願う
 この世の人生に悔いが残るからこそ、来世で幸福になって欲しい。来世が幸福となるよう、力づけてあげたい。そういう思いを込めて、お焼香し手を合わせお見送りするのです。(故人に寄り添い、来世への旅立ちを励ます。)

質問文に「悲しむこと、祈ること、偲ぶこと」とありますが、それで十分だと思います。「悲しい」気持ちはわかります。お祖父さまの死を悲しんであげることは、大事です。生きる力を無くしてしまったら、お祖父さまを悲しませるだけでしょう。
 今までお祖父さまから頂いた恩と愛情に感謝していると思います。残念ながら直接の恩返しは出来ません。出来るのは、葬儀や中陰供養や年回供養と言う供養です。供養とは「供給資養」の略と言われ、仏様や御先祖に供物やお香や真心を捧げ、其の御徳や教えをいただき、自分自身を養い高めていく。そういう意義があります。しっかり生きていくことが供養の出発点です。
 直接の恩返しは出来なくても、「自分の、この命を大事にして、しっかりと生きていきます。」という気持ちで手を合わせ、お焼香に気持ちを込めましょう。そして、「お祖父さんが私に愛情を注いでくれたように、私も周囲の人間に愛情を注いであげられるよう頑張ります。」と語りかけてあげて下さい。

2022年8月2日 13:19
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有り難し
おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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質問者からのお礼

吉田 俊英 様

 お教えをいただき、ありがとうございました。この間、お通夜とお葬式が滞りなく済み、祖父はお骨になりました。

 これまでの私はただ祖父に甘えているだけでしたが、祖父自身にも生きていく上での悩みや苦しみが数多くあっただろうと思うと、生前にもっと話を聞いてあげればよかったなと思っています。幸い、棺の近くで一晩を過ごすことができ、いくらか語りかけることはできました。そして、祖父へ伝えたいことを手紙にして、棺の中に入れて見送りました。

 突然のお別れとなってしまい、心の整理がつくまでには時間がかかると思うのですが、お葬式の意義をお教えいただかなければ、さらに茫然自失のまま一度きりの見送りを終えていたと思います。今後は心を込めて祖父の供養に努め、祖父の歩んだ道を振り返りながら、自分がどう生きていくべきかも考えていきたいと思います。ありがとうございました。

「親・家族・恋人・大切な人の死が悲しい・乗り越え・立ち直る」問答一覧

苦しいです

50台、看護師してます。      先日夫が急逝しました。54歳、来月お誕生日がくる予定でした。    病気で寝たきりになり、在宅介護は困難なため、最後の2年程は施設入所してもらってました。    誤嚥性肺炎を繰り返すようになり、それでもいままでは抗生剤治療などで回復してました。    でも、今回は発症翌日に亡くなってしまいました。    夫に対してもっとできることはなかったのか、ずっと考えてます。    一番後悔してるのは、53歳の誕生日の時の事です。    当時、夫は転倒による腰椎圧迫骨折を受傷し、私の勤務先に入院していました。    「誕生日ケーキ食べたいけど駄目だよね?」と聞かれ、糖尿病治療中でもあったことから私は「ケーキは退院してからにしようね」と言いました。    治療とリハビリをすれば自宅に帰れると信じてました。    しかし、夫の身体状況は悪化の一途を辿り、両上下肢機能全廃・嚥下障害・認知機能低下が出現し、在宅介護は困難となりました。    こんな事になるとは夢にも思ってなかった。    医師に許可をもらって誕生日ケーキ食べてもらえば良かった。本当に悔やんでいます。    甘い物好きで、誕生日やクリスマスのケーキを楽しみにしてた人だったのに…。    私は夫と出会えて本当に幸せでした。  こどもはできなかったけど、夫婦2人で力を合わせ、いろんな事を乗り越えてきてました。      夫は幸せだったのかな…?  次々と自責の念が現れ、苦しいです。   

有り難し有り難し 7
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好きなバンドのボーカルが死んでしまった

好きなバンドのボーカルの訃報が今日発表された事に付いて相談させて下さい。 私は今日授業前にSNSのニュースで訃報が発表され 「え、そんな事ある?まだ25歳だよ?」と誤報を疑いながら授業に望みました。 でも段々授業を受けながら本当の訃報ではという気持ちになっていき辛くなって授業に集中出来なくなってしまいました。 次の休憩時間の時にバンドの公式アカウントで本当に亡くなってしまった事を知り他のメンバーの追悼コメントを見て実感して本当に辛くなり 先生にその事を伝えるとあまり質問を当てないようにしてくれました。 バンド自体は続き他のメンバーが作詞作曲すると言っておりその発言が訃報のショックの精神の支えになっています これからもっと売れて大活躍するんだろうなって思っていたのでこれから活躍する彼を見る事が出来ないショック 彼の曲の新作がもう出ない事は勿論、彼と言う人間も好きだったので もう 彼が生きていないこと もう彼の歌声やパフォーマンスが見れない事 もう彼の書いた曲を聞けないこと もう彼の居る状態のバンドが見れない事 もう彼の話や投稿を見る事が出来ない事 来月初めてそのバンドのライブに行く予定だったので もう本当に生で見れない事を考えると 本当に涙が出てきて 落ち込んできて明日以降もその事を考えてこれからもまた落ち込むのではないか?。 他のアーティストの追悼を見て落ち着こうと思うのですがこの状態はSNSを見ないほうが良いんでしょうか? この事を考えないようにしても何らかで死の話題を連想して考えてしまう などの不安のせいで明日以降ちゃんと学校や課題に集中出来たり、 この事を思い出しても大丈夫なぐらい平気になるぐらい立ち直る為に如何すればいいか? 後お坊さん目線の回答を求めるんですが 彼はあの世でメンバーの事見てくれているでしょうか?もう一度彼に会える可能性はあるのでしょうか? 今日起きた事なのでショックで長文になりましたがご回答宜しくお願いします。 本当に助かります

有り難し有り難し 20
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生活環境の変化と母の死が重なり苦しいです

転職・引っ越しによる環境変化と母の死が重なり心身ともに辛いです。 先日、母が癌で亡くなりました。1年前から入退院を繰り返しており、余命が短いことは覚悟していましたが、やはり悲しいです。母が病気の苦しみから解放されたのは救いですが、この先母がいないと思うと人生がつまらなく感じます。まだまだ母とやりたいことがたくさんありました。 母の死は時間が癒してくれるのを待つしかないのですが、ちょうど転職と引っ越しをした直後に母が亡くなったため、新しい仕事を頑張れる気がしません。一人暮らしでホームシックにもなっています。まだ結婚もしておらず、一人っ子でもあるので孤独感が大きいです。 新しい仕事は私が目指していたことで、母も生前応援してくれましたが、母が亡くなった今となっては前向きになれません。これから新しい仕事のためにたくさん勉強しなければならないのに、無気力で頑張れる気がしないです。 母の癌が発覚した1年前から精神的にしんどく、診療内科に通うほど体調も崩しました。そのような状況下で頑張って転職し、これからというときに訪れた母との別れは新生活の不安と二重の苦しみで耐えられる気がしません。これからどうやって日常生活を送り、前向きに人生と向き合えばよいでしょうか。

有り難し有り難し 14
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故人の魂はどこに?

先日大好きな妻が亡くなりました。妻は本当に僕の全てで大事な大事な宝物でした。 子供もおらず、独りぼっちになってしまい、今は絶望しています。生きる目的、意味が全く無くなりました。 僕の唯一つの願いは最愛の妻の魂にずっとずっとすぐそばにいてもらい(お骨も手元に)、自分が亡くなるときに一緒のお墓に一緒に納骨してもらい、そしてあの世でまた会えることだけです。 質問なのですが、49日に審判され遠くへ行ってしまい最終的に極楽浄土を目指すという理解をしているのですが、疑問があります。 白木の御位牌から本位牌となり、魂を入れて頂くと思うのですが、位牌に魂が宿るとするならば、極楽浄土などに魂は向かうのに、魂はいったいどこにいるのでしょうか? 魂は分割され2か所にいるのでしょうか? また、お盆には年に一回戻って来るという話しも子供の頃から聞いており、迎え火で迎え送り火で送り帰って行くということでした。帰ってしまったらいないということなのでしょうか? 極楽浄土等、御位牌、お盆、魂の居場所をわかりやすくご説明頂けますと幸いです。 僕は妻にずっとそばにいて欲しい、遠くへ行って欲しくないと考えております、魂の居場所によっては仏教と考えが合わないのでしょうか? 実はそのように悩んでいる間に49日が過ぎてしまいました、49日の法要は過ぎては良くないと聞きますが今から行って頂くことは難しいのでしょうか? どうぞ宜しくお願い致します。

有り難し有り難し 17
回答数回答 2

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ