患者様に謝りたい。
私は某医療施設で働いています。
数年前に患者様に言ってしまったことを後悔しています。
ある患者様がおり、ある日その方に苦痛を伴う処置をする必要があり、それを私が行わせていただきました。苦痛を伴うため患者様は私の腕をバシン!と叩きました。痛くて咄嗟に「痛い!叩かないでください!」と言ってしまいました。患者様は叩きたくて叩いたわけじゃないし、苦痛を感じていたので仕方のない事だったのに。患者様は苦痛の中、私に「ごめん、ごめん」と謝りました。私は「大丈夫です。苦しかったですね、私もごめんなさい」と言いました。
その数日後、患者様は亡くなりました。それを聞いて、私は亡くなる数日前に私が患者様にしてしまったことを思い出しました。
最期の数日前に私に怒られて、嫌な気持ちのまま亡くなってしまったのではないかと思い、なぜあの時に強い口調であんなことを言ってしまったのだろうと悔やんでいます。患者様は苦痛な処置も頑張っていて、終わった後は「ありがとう」と笑顔で言ってくれていました。その笑顔と、私が怒ってしまい謝っていた時のお顔、亡くなった時のお顔が頭から離れません。
家族にも会えない中で辛くても頑張っていたのに。
もちろんこの経験を忘れずに、患者様に関わって行くと誓っています。でも、その方に言ってしまった事実は戻らないし、嫌な気持ちにさせてしまった事も戻りません。私はどうすればいいでしょうか。
その方は幸せに天国に行けているのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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丁寧に命に向き合う、あなたがいてくださることに安心
どんな時でも常に冷静に穏やかに、気持ちに寄り添う。そう出来ればどんなにいいかと思いますよね。
あなたの反応は、反射的な行動だったのではないでしょうか。また、患者さんもそうだったと思います。咄嗟の反応だったことでしょう。身体は痛みを回避するために、思いもよらぬ防衛本能が働きますものね。
故意ではなく、相手を思いやっていたから、互いにごめんねと交わすことが出来たのです。あなたが、叩かれたことに耐えていたとしたら、患者さんは申し訳なさでいっぱいだったのではないでしょうか。
あの時に処置をしたのが、あなたでよかったとも思うのですよ。どうか、自分を責めないで。最期まで患者さんを想い、今もこうして悔やみながら、丁寧に命に向き合っていこうと決意を新たにされる あなたのような人が、医療現場にいてくださることに安心しています。
私もこちらから、その方を想って手を合わせますね。今は仏様のお救いの中ですよ。