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どうしていたら罪を犯さずにいられたのか

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有り難し有り難し 3

先日はご回答ありがとうございました。連日、同じような投稿となってしまい申し訳ありませんが、どうか聞いていただけたら幸いです。

過去の問答にもあるように、私は無数の罪を犯してきた罪人です。そしてそれらの罪は「子供だったから」「ストレスが溜まっていたから」などの理由があっても許されないほどに度を超えた罪の数々であると理解しています。そして今更ながら私が犯してきた罪の深さに気づき、罪悪感に苛まれています。 

罪と向き合う上で、私はどうしていたら罪を犯さずにいられたのだろうか、とどうしようもないことを考えてしまいます。どれ程悔やんでも後悔し懺悔しても過去に戻ることはできず、私が傷つけた心・命や私の行いをなかったことには決してできないというのに。
私が加害に走った原因や環境を枚挙しても、当然のことながら、そのような環境にいても理由があっても人や命を傷つけず、思いやりを持ち生きてきた方が多くいます。ならば、やはり生まれつき私の性格に難があり、私は生まれるべきでなかった人間のように思います。私が生まれなければ、どれほどの人が幸せだったんだろう。大切な両親、軽々しく傷つけた全ての方々と命。今この世に生を受けている以上、今更どうしようもないことを考えてしまいます。
そして、このように自分を見限り「私は性格に難がある化物だから、化物だったから」と、ある種自分への諦めのように罪悪感を抱え続けることすらも、自分の罪から逃げているずるい生き方のように思います。

もう、答えは出ている筈なのです。「過去には戻れないし、罪を無かったことには決してできない。一生の汚点として残り続ける。罪を犯した者にできることは、もう二度としないこと。生涯、罪を背負うこと」
それでももがいて過去に居続ける私は、何処かで『許し』を望んでいるのだろうと思います。自分を許せないから他人からの許しを望んでいる。本当にどうしようもない人間です。この自己保身の気持ち、幸せを望んでしまう気持ちを捨てきれたら、私の本当の『懴悔』が始まるのだろうと思います。
自己保身や幸せを望んでしまう自分を何とかして捨てたいのです。しかし、そのように努めてもどうしても捨てきれず、最早どのように動けばよいのか分からず、息が詰まっている状態です。
私がこれから本当の意味で罪を背負う上で、どうか御意見をいただけたら幸いです。乱文失礼致しました。

2023年7月28日 0:19

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分の能力や他者との出会いで変わる

罪を犯してしまうかどうかは、その人が生まれながらに持っている能力や後天的な能力、また、他人との出会いによって変わります。
たとえば、サイコパス的な(他人に残酷なことを平気でできる等)の人が、たまたま病気で脳の手術をしたらサイコパスではなくなったという話も聞いたことがあります。
つまり、罪を犯してしまう人の中には、生まれもった脳の特性による人も含まれます。
また、他者との出会いや教育によって行動は変わります。
私たちの先祖は戦国時代や世界大戦を生き抜いてきました。
当然、戦の最中には敵を殺害することが普通となります。
そのように教育されたら、誰でも残酷なことをできるようになる。
ですから、能力や出会い、様々なご縁によって、私たちは罪人にも善人にもなれるのです。
さて、仏教的は、輪廻転生を考えます。
この世で善人になれなくても、来世で良いご縁に恵まれれば、私たちは善人、さらには神様や仏様にさえなれる。
たとえば浄土宗では、南無阿弥陀仏と念仏を唱えて、来世で極楽浄土に生まれられるように願います。
極楽浄土に生まれられたら、私たちは素晴らしい能力や、仏様の教え導きをいただき、将来的には必ず仏に成れるのです。
ということで、今は悪人罪人の私たちも、阿弥陀仏は必ず極楽浄土に迎えてくださる、だからこの人生はハッピーエンド確定の合格人生だと思って、安心してください。
なむあみだぶなむあみだぶ
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2023年7月28日 8:22
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

願誉浄史様
御回答ありがとうございます。「生まれ持った性質や能力」と「他者とのご縁」によって人は形作られるのですね。この御回答をいただいて改めて、自分はどうだったのか、と考えましたがどうしても答えが出そうにありません。しかしながら、やはり罪を犯さざるを得ないような環境に身を置いていたとしても、思いやりの心を持ち傷つけることなく生きてこられた方々が多くいらっしゃいますし、決して言い訳や自分を諦め罪から逃げるための理由にしてはならないと改めて感じました。いずれ私が過去何故加害に走ったのか、理由を突き止めることができたときには、これからの未来でそれを伝え新たな被害者加害者を生み出さないよう、自分にできることを努めてまいります。輪廻転生の考えも少しずつ自分に取り入れて、しっかりと罪を背負っていきます。改めて、御回答ありがとうございました。

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