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祖父の火葬に立ち会えませんでした

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昨日、祖父を亡くしました。

祖父は今年の2月に肺がんを宣告され、自宅療養をしておりました。
祖父、伯父夫婦(祖父の長男と奥様)、父(次男)、私の5人で同居をしていて、次男である私の父がずっと祖父の面倒をみていました。

一昨日の夜に容態が悪くなり救急車で病院へ運ばれ、そのまま入院するということになったのですがその翌朝には逝ってしまいました。

遺体は自宅には戻さないということになり、葬儀の日程が決まり、最後に顔を見てお別れが出来るものだと思っていたら、先ほどもう既に火葬が済んだということを父から聞かされました。

祖父は生前から家族葬を希望しており、私たち家族だけで見送ってほしい、盛大な葬儀などはやらないでほしい、と強く父に言っていたそうです。
葬儀の準備などは全て伯父夫婦が進めており、祖父の意向と家族葬であることを伝えると先に火葬することを勧められたそうです。

調べてみると骨葬といって、地域によっては先に火葬を済ませてお骨の状態で葬儀を執り行うことが普通のところもあるということを知ったのですが、家族である私たちが最後に顔を見れずに終わってしまうことなんてあるのだろうかと納得がいきません。
その火葬には伯父夫婦も立ち会ってはいないそうです。

父が言うには、霊柩車で自宅に遺体を安置するとご近所の皆さんに知られてしまい祖父の意向に反してしまうし、斎場にも場所が無かったのかもしれない、
専門の知識がない我々はお寺の方に従うのが一番安心で故人を気持ちよく送ってあげられる、と納得している様子なのですが、顔を見てお別れができるものだと思っていた私は心が空っぽになったような気持ちです。
焼かれて骨を拾うことで気持ちの整理がつけられるとも思っていました。

救急車で運ばれた際の検査で祖父がコロナにも感染していたことがわかり、コロナに感染したご遺体は家族と顔を合わせることができないというケースを聞いたことがあるので、そういった要因もあるのかなと思ってはいるのですが、
突然骨だけになって帰ってきた姿を見て、自分が気持ちに踏ん切りをつけられるのかが不安でしかたがありません。

葬儀やそういったことに詳しいお坊さんのご意見を聞かせていただきたく、このような質問をさせていただきました。

2023年10月16日 15:57

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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

気持ちに合わせながら、丁寧に進めていく時間を持つべきだった。

それはお辛いことですし、悲しくてたまりませんよね…。
いろんな事情があったにせよ、一番近い身内も知らないままに進められることはないと思いますよ。また、お寺側の指示でということもあり得ません。必ず、施主さま中心に、ご家族の気持ちを聞かせてもらいながら進めていく時間くらいはありますし、持つべきだったと思います。もし、お寺側の指示なら、あまりにも乱暴な進め方だと思います。

コロナに感染しておられたとしても、故人さまに会えないということは、私の地域ではありません。触れることは難しくても、病院側も今は最大限の配慮があります。

諸々の事情があったにせよ、先に遺骨にしてから葬儀という骨葬は、葬儀社や寺側の都合であり、通常ではあり得ませんし、そのような言葉も作られたものです。まして、コロナ感染であったのなら、より丁寧に説明と納得の時間があった上で、火葬後に、きちんと葬儀を執り行っています。それでも、病院や斎場でのお参りも、家族や私ども住職がそばにいてのことです。

亡き祖父さまの意向だったとはいえ、別れゆく家族の想いもあるわけですから、伯父夫婦は、きちんと共有をすべきことだったように思いますね。任せられていたのであれば、後で伝えればいいだろうとの認識だったのかもしれませんね。

伯父夫婦が疲弊されていて、そこまで気が回らなかったとしたならば、住職が他のご家族も一緒に参りましょうとなんとかお会いできるように促すということを、私はするでしょう。

本当に、愛おしいお方を、このようにお姿も見れず、お別れも感謝の言葉も掛けられないなんて、死をどう受け入れたらいいのか、時間が止まってしまったように、また寂しい想いをさせたのではないかと、申し訳なさや悔しさでいっぱいですよね。

どうぞ、家族を責めてしまうよりも、あなたが祖父さまを想う気持ちを大切に。
また、葬儀がこれからでしたら、住職にも
大事な別れを出来なかった理由や、どのように受け止めたらいいのかを、問うてもいいと思いますよ。

そして、ひとりで抱えられない、どのように向き合ったらいいのかと思われるときは、いつだって一緒に話をしましょう。あなたのグリーフ(悲嘆)ケアになりますからね。
私も、あなたの祖父さまを想い、大切に手を合わせます。

合掌

2023年10月16日 18:47
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おきもち

はじめまして(*^^*) 中田みえです。 教善寺 住職として、母親として...
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御遺族が濃厚接触者である可能性

お祖父さまのご逝去に心よりおくやみもうしあげます。

ご質問の前段を読んだ段階で「遺族が誰も立ち会えないで火葬するなんて、こんなことが有り得るのか?葬儀屋は何をやってんだ。」と思いました。

後段で、

救急車で運ばれた際の検査で祖父がコロナにも感染していたことがわかり

幾らか納得できました。これが一番の原因ではないかと思います。お祖父さまが感染したとなれば、同居している御家族の皆様は濃厚接触者と考えられます。お亡くなりになられた時点で、伯父夫婦もお父様もななさんも新型インフルエンザを発症していなくても、数日後に発症する可能性があります。PCR検査や抗体検査をしても100%絶対ではないので、潜伏期間中は他者との接触を避ける必要があると思います。そういう事情から、御遺族の立会無しの火葬を執り行わざるを得なかったのではないかと推測されます。

厚生労働省のガイドラインを読む限りでは、コロナに感染しして死亡した方の火葬行う場合、決して遺族の立会を拒絶してはいないようです。但し、御遺族が濃厚接触者である可能性が高い場合の対応には苦慮せざるを得ないようですね。そういう事情から、御遺族の立会無しで火葬を執り行ったのではないかと思います。緊急時の対応と受け留めざるを得ないと思います。
 骨葬という言葉を御存じのようですが、私の地域では火葬を先に行い、御遺骨を葬儀用の祭壇に安置して葬儀を行う場合の方が多いです。大事なことは、お祖父さまの人生をねぎらい、そしてこれからの来世での幸せを願って、心込めて祈ることだと思います。火葬に立ち合えなかったことは、お祖父さまも理解して下さると思いますよ。

「新型コロナウイルスで亡くなられた方および其の疑いのある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」令和5年1月6日
厚生労働省・経済産業省
https://www.mhlw.go.jp/content/000653472.pdf

火葬はまだだったのですか?安堵しました。
いずれにしても、お亡くなりになられた方が感染症に罹ったことがわかると、いろいろとたいへんなようですね。

2023年10月17日 1:13
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おきもち

 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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地域によっては

ご近所にも知られたくないという故人の遺志が強かったのなら、それはお祖父さまの要望が叶ったのですから、喜んであげても良いのかもしれませんが、顔を見られなかったのは残念ですね。
地域によっては火葬場の予約がなかなか取れないと聞きます。
遺体を冷蔵保存して何日も火葬待ちということもよくあるそうです。
だとしたら、たまたま昨日の火葬場に空き枠があったから急遽予約を入れた(タイミングを逃すと何日先になるかわからないから)、というスケジュール調整の都合の可能性もありますね。
いずれにせよ、執着は悩み苦しみの原因になります。
お祖父さまが家族葬を望んだのは、葬儀のことで身内に負担をかけたくなかったからかもしれません。
そうだとしたら、葬儀のことであなたが悲しんだり怒ったりすることを、お祖父さまも他のご家族も喜ばれはしないでしょう。
世界は諸行無常であり、人生は予期せぬことばかり起きる。
でも、それが普通なのだから、思い悩む必要はない。
死(葬儀)でさえ特別なことじゃないから、大騒ぎしなくてよい。
それが、お祖父さまの最後の教えだったのかもしれません。
追記
 そうですか!よかったですね!
 ご冥福をお祈り申し上げます。

2023年10月16日 21:10
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おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お答えいただき誠にありがとうございます。
大変申し訳ないのですが、こちらの相談を投稿した後、伯母(伯父の奥様)と直接お話しする時間があり、どうやら私の父の勘違いで火葬はまだされていないようでした。
今はまだ病院の霊安室にいて、お通夜と告別式でちゃんと会えますよと教えていただきました。
父も気が動転していたのか、間違って認識してそれを私に伝えてしまったようです。
お騒がせして申し訳ありませんでした。
ご回答、ありがとうございました。

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