魚鱗癬による苦悩
私の体の主に腕や脚には生まれつき魚鱗癬という皮膚に魚のウロコのようなものがあります。時には、その醜い皮膚に対して、「ひび割れヒビワレー」等と小学校低学年の時にからかわれたり、小学4年の時には、友人から気持ち悪がられたのか、いきなり私の腕の魚鱗癬をひっかかれたりしたこともありました。私のこの醜い皮膚は、ナチュールというクリームを塗り続ければ、一時的に消える事がわかりましたが、塗るのをやめるとまたすぐに現れます。遺伝子の異常により魚鱗癬はできるのですが、私は恋愛しても、醜い体を理解してもらえるか不安で、恋愛を進めたい気持ちと歯止めをかける気持ちの板挟みに陥ります。そして、先祖を憎みさえします。憎むのは良くないと分かりつつ、、、
結婚もしたいですが、子供を得たい気持ちと子供を得たくない気持ちの板挟みに陥ります。この醜い皮膚の魚鱗癬を子孫に遺伝させたら、私と同じように私を憎むだろうとなんとなく推測します。まあ、幸いなことに、今はパートナー候補者がいませんが。そして、この板挟みの気持ちから風俗に私は時々行っていましたが、最近、なんだか風俗に行くのも虚しくなってきました。あるホテルからじいさんと若い女の子がでてきた時に、あぁ、こいつら風俗で知り合った、訳ありの即席カップルだろうが、こんなじいさんみたいになりたくねえなあ、、、と無意識に思ったのです。私よりもっと障害や難病のある方々もいますし、アトピー性皮膚炎などもっと深刻な方々もいます。そういった方々に比べたら、私はまだ恵まれてると思うよう努めたこともあるましたが、やはり、中途半端なものには、中途半端なりの苦しみがあると思います。たとえば、日本の文明社会と、未開の奥地の秘境に暮らす世界では、幸せ度を比較するのはなんかナンセンスですよね?私は何を聞きたいのか分からなくなってきましたが、つまりは、私のよう魚鱗癬での悩み事をどうやったら、解決することができるでしょうか?何かアドバイス頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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ありのままの自分を魅力にする。
迷い人さんへ こんにちは。
魚鱗病で辛い思いをされてきたんですね。
私は子どもの頃に読んだ手塚治虫の漫画『ブラックジャック』で知っておりましたが、初めて魚鱗病の方とご縁を頂きます。漫画では「これは蛇の祟り」だといって加持祈祷をする行者の姿が書かれています。病気の原因がわからなかったとはいえ、心が原因での障碍以外は信仰で身体的な障碍が直ることはありません。
身体的な障碍を持っている方は、その障碍のリスクだけではなく、必ず越えなければならないのが見た目の差別という心の苦しみです。他人からの無理解の目を乗り越えなければなりません。
最近障碍者の世界では、障碍はハンデではなく、個性として捉えようという動きが盛んになっています。私の文章の師匠は、肢体障害で、右手だけしかまともに動かず、足も曲がらなかったため、
歩くときは、身体を大きく揺らしながら歩いておりました。一緒に歩いているとみんなが好機の目で見てきます。でも師匠はお構いなし。「ワシは腕一本しか使えないこの障碍のお陰で、モノ書きになれた。だからこの障碍が有り難いんだよ。だから他人の目を気にせずどうどうと歩くんだ。」といっておりました。
もし迷い人さんが、魚鱗病の差別の障がいに負けず、どうどうと生きたら、どれだけ魚鱗病に苦しんでいる人の光明になるでしょうか。例えばSNSを作って魚鱗病で生きる自分(匿名でかまいません)の生き方を綴ることもできます。ありのままの自分を魅力にすることが、障碍に心で打ち勝つ方法なのです。
結婚は大丈夫です。身体の障害は女性に取っては忌避されるところですが、あなたが魚燐病でもオープンにしていて人生を生き生きしていれば、あなたを好きになり、障がいのまま受け入れてくれる心優しい女性はたくさんいます。子どもも大丈夫ですよ。必ず遺伝するとは限りません。万が一子どもも魚鱗病になったとしても、父であるあなたが生き生き生きていれば、子どもも障碍を乗り越えて一人前の大人になるでしょう。先ほどの我が師は人それぞれ「生き役」があるとおっしゃっておられました。健康な人も障碍の人も、頭が良い人も悪い人も生まれたからには意味がある。人生はその生きる意味の旅探しなのだと。
私も、僧侶を通して「生き役」作りをしています。是非、迷い人さんも、あなたの生き役を見つけてください。必ずあります。合掌
解って欲しいのは・・・。
この病気のせいで今まで、辛い思いをしてきたと思います。不利益を多く被ってきたかもしれません。でも、貴方は誰に当たることも無く自分の中で溜めてきたことでしょう。この文章からは私は貴方が非常に優しい方とお見受けしました。貴方の中身を観ないで外側ばかり見る人はどんな人でも外側からしか見ないで人を区別している人だと思いますから、そっとしておきましょう。本当に解る人は多方面から人を見れる人です。貴方の文章。貴方が仕事に真剣に取り組んでる姿。人に接している姿など等。観ている人は必ずいるものです。その人の事をあなたが観てないだけかもしれません。
解って欲しいのは人の痛みは貴方が一番想像できると思います。それが分かれば次に何をすべきか良く考えて行動に移せると思います。決して立派な人間にならなくても貴方の優しさと少しの勇気をもってすれば出来ることはあるはずです。
これを言ってしまえば、王道ですが、一度ボランティアに参加したらどうですか?優しさを行動に移せる練習になるかもしれません。自分の出来ることでいいのです。無理をしないで行ってください。何か発見があるかもしれません。
全ての人はある意味で「遺伝的な問題」を持っています
迷い人様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
ご病気による切実なお悩み・・
遺伝的なご病気であり、なおかつ、どうしても美容面において気になられてしまわれるのも仕方がないことであるかと存じます・・
ほんの少しの気休めにしかならないかもしれませんが・・
まず、「遺伝的な問題」をあまりマイナスイメージにて強く思い込まないことも必要であるかと存じます。
実は、全ての人はある意味で「遺伝的な問題」を持っており、必ず何らかの遺伝子多型・SNPスニップ(変異)を抱えています。
これは、厳しい環境に適応していくために、生命が進化の過程において必要になった当たり前の生存能力の一つであるとも言えます。
その、互いに「変異という問題」を持った者同士が、それぞれで助け合って、支え合って、分かち合っていくことが、私たちの生存においては、何よりも大切となって参ります。
最初から諦めてしまわれてはいけません。この世界、きっと貴方様を必要とされている方もおられます。良い出逢い、良いご縁ももちろんあり得ることでございます。
どうか、投げやりとならずに、少しなりにも前向きになって頂けましたら幸いでございます。
以下も、ご参照までに。
「弱者を抹殺する。 不謹慎な質問ですが...」
http://goo.gl/XxhNBw
『・・「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよ。あるのは「ある特定の環境において、有効であるかもしれない遺伝子」です。遺伝子によって発現されるどういう"形質"が、どういう環境で生存に有利に働くかは計算不可能です。例えば、現代社会の人類にとって「障害」としかみなされない形質も、将来は「有効な形質」になってるかもしれません。だから、可能であるならばできる限り多くのパターンの「障害(=つまるところ形質的イレギュラーですが)」を抱えておく方が、生存戦略上の「保険」となるんです。・・アマゾンのジャングルに一人で放置されて生き延びられる現代人はいませんね。ということは、「社会」というものが無い生の自然状態に置かれるなら、人間は全員「弱者」だということです。その「弱者」たちが集まって、出来るだけ多くの「弱者」を生かすようにしたのが人間の生存戦略なんです。・・』
川口英俊 合掌
魚鱗癬の姉
質問者からのお礼
励ましのアドバイス、ありがとうございました。
子供は魚鱗せんでなくても、隔世遺伝で孫に発生する場合もあります。私は子だけでなく孫のことまで考えていたのです。しかし、アドバイス、ありがとうございました。ハスノハ事務局の方も編集ありがとうございました。編集する前の文章も読んでしまいましたが、ハスノハ事務局には分別のある方がいらっしゃって感心しました。