過度な病気への不安回答受付中
私は20代会社員です。二極的な面をもつ自分の性格に困っています。
感受性が高く神経質、不安症というのがベースですが、相反して、大胆で挑戦的な時もあります。その二極性を理解しているつもりが、ある事情により目下、不安に押しつぶされそうです。
先日、東南アジアの発展途上国に旅行に行きました。念願かなっての旅行でしたが、行く前から狂犬病や感染症への不安、飛行機の恐怖などが募り、いろいろ調べてワクチンを打つなどしました。しかし、現地で軽く犬と接触するハプニングがあってから、無事に帰国後も狂犬病になったのではないか、症状が出て自分は死んでしまうのではないかという恐怖に苛まれて生活に支障が出ています。クリニックで相談して心配いらないと言われても心配してしまったり、体の調子に過敏になっています。
すべて自分の好きでやったことと分かっていても、陽と陰の気持ちのバランスが取れず、家族に心配をかけています。
普通なら気にせず過ごしても良い状況にあると理解しながらも、ハプニングが引き金となって様々なことが不安で、生きる死ぬといったことを常に考え、心が傷を負ったように疲れています。旅行前から暮らしの環境が変わって、不安定ではありました。夏という季節も苦手です。日常的に生死ということをよく考えるのも元々の性格なのですが、しんどいなと思います。
精神科へかかることかもしれませんが、恐れというものへのとらえ方についてお坊さんのご助言を伺ってみたく、投稿いたします。
お坊さんからの回答 3件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
「怖かったね、怖くていいよ」と自分を認める
たい様
はじめまして。ご質問をありがとうございます。
たいさんは自己分析して
ご自身を二極性があると思われているのですね。
今はお疲れがあるみたいですし、まずは長所を伸ばすことを考えてみませんか?他のことは回復してから長期目標を立ててみると良いかも知れません。
その方が自己肯定感も上がると思います。
不安が強いのは「今、ここ」を意識できていないのかな?と思います。
未来のことばかり考えて不安になるより、過去にとらわれて後悔するより「今、ここ」に集中すると悩み事も減って行きます。
もしかしたら、マインドフルネスがあっているかも知れませんので、トライしてみるとストレスが軽減するかもです。
また、「怖い」という感情に関しては蓋をしないで
「怖くていいよ」「怖かったね」と自分に優しく声を掛けてあげるようにすると良いのではないかと思います。
実際、東南アジアで狂犬病かも?と思うことは相当な恐怖だと思います。
チャレンジ精神が素晴らしいなと私は感じましたし、成長があったように思うのですが、
たいさんはどう思われますか?
疲れも取れて、それでもまだ恐怖が続くときは念の為にお医者さんに診察してもらってくださいね。
おだいじになさってください
追伸/ご丁寧にお礼コメントをありがとうございました。念の為、申し添えますが「怖い」という感情がしつこく続く場合は心療内科か精神科を訪ねてみてくださいね。また何かありましたらお気軽にhasunohaへいらしてください。おだいじに
恐れは自分が膨らませてしまう。実際には何も起きていない。
せっかくの旅行、楽しい思い出もあるでしょうね。念願だったのよね。景色や食べ物など、日本では経験できないことだったのです。楽しかったことでしょう。
体調面の不安が今あるのでしょうけれど、予防接種をしたのですから、大丈夫なのですよ。狂犬病について調べたりしてしまうのではないですか。不安になる情報を目にすると、そりゃ誰だって怖くなるわね。
でも、クリニックで相談をして、心配いらないと言われたのです。こんな安心なことはないのですよ。ホッとするわね。
不安になるたびに、クリニックで言われた言葉を思い出して。一番心強い言葉なのだからね。
恐れは、自分が最悪の状態をイメージして膨らませてしまうことが原因になる場合があります。まさに今の状態。何も起きていないのに、自分で作り出している。
ですが、それは自分の思い込みであり、何も現実に起きていないし、起きることは無いと周りも安心させてくれる。そう言い聞かせていきましょうね。
時間とともに、きっと薄れていきますからね。安心してね。
日常の安らぎに目を向けて、大切に過ごしていきましょうね。
「恐れとどう向き合うか─揺れる心を抱えるあなたへ」
あなたのお気持ち、痛いほど伝わってきます。旅行という楽しみのはずが、不安の引き金になってしまったのですね。狂犬病の心配、飛行機の恐怖、感染症への過敏な反応……それらは「命を守りたい」という自然な本能の表れでもあります。
【恐れは「敵」ではなく「師」】
仏教では、恐れや不安は「避けるべき敵」ではなく、「気づきを与えてくれる師」と見ます。あなたの心は「生きること、死ぬこと」に強く敏感です。これは弱さではなく、命の尊さを直感している証です。人は皆、無常の中を生きていますが、多くの人はそれを忘れて日々を過ごします。あなたは恐れを通じて、それを見つめているのです。
【不安に飲まれないために】
恐れが膨らむのは「頭の中で繰り返し再生」するからです。医師に「大丈夫」と言われても安心できないのは、その不安が理屈よりも強い感覚だからです。
そこでおすすめしたいのは、
・呼吸に戻る:不安が膨らんだら、ゆっくり息を吐くことに意識を向ける。吸うより吐くを長く。
・事実と想像を分ける:「今この瞬間、症状は出ていない」という事実に光を当てる。未来の想像と切り分ける。
・不安を紙に書き出す:心の中で回り続ける思いを外に出すことで、心の渦から少し距離を取る。
【陰と陽のあなたへ】
大胆に挑戦する時と、不安に押しつぶされそうになる時。その二面性を持っているのは「欠点」ではありません。どちらも本当のあなたであり、両方あるからこそ人生に深みが生まれます。仏教で言えば「陰陽和合」、光と影があるから全体が調和するのです。
【最後に】
「しんどいな」と正直に言葉にできるあなたは、すでに心を整える第一歩を踏み出しています。恐れが消えることを目指すのではなく、「恐れと共に歩む」。それが仏教的な視点です。
どうか、恐れを抱く自分を責めず、「命を大切にしたい」という心の声として受け止めてみてください。
合掌
質問者からのお礼
中田さん
温かい言葉遣いに、読んでいて心が落ち着き楽になるようでした。ありがとうございます。
鈴木さん
恐れの先にはネガティブなものしかないと思っていましたが、恐れと同時に自分が大切にするものがあると思うと前向きに向き合えそうです。視点をありがとうございます。
きみーさん
早速コメントをくださってありがとうございました。しばらく、自分を労る時間をもとうと思えました。