寛容な心の持ち方回答受付中
ご相談させていただきます。
最近新しく職場に入ってきた私より一回り以上年上の新人についてです。
その人は、社会経験が少ないのか、言動がとても幼稚で学生のような振る舞いをしています。
一般常識も欠けているようで、小学生でも知っているようなことを聞いてくることがよくあります。
悪い人ではないのは理解しているのですが、距離感が近く、馴れ馴れしく接してくるその人に苦手意識を持っています。
未経験の業種への転職らしいため、周りは寛容に接していますが、私はそのお気楽な態度が気になり、うまく接することができません。
自分の感覚が「厳しすぎる」のも自覚はありますが、寛容に接していくには、どう気持ちを切り替えれば良いのでしょうか。
ぜひご教示いただければと思い投稿させていただきました。
お坊さんからの回答 1件
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寛容、の先を考えては?
こんばんは。ご自身でも「自分は期待値が高すぎるのでは」とのことですが、感じてしまうこと自体を変えるのは、きっと大変なことでしょう(それを試みることは価値あることでしょうけれど)。
まず最初に大事なことを一つだけ。寛容であろうとするときも、「あなた自身の疲れない距離」を確保することが前提です。相手のために無理をして近づく必要はありません。あなたの安心が守られてこそ、人間関係は整えられます。
さて、お尋ねについては「こちらの期待値を下げる」というのがシンプルな対応ではあります。「新卒の子が来たと思って」という、こちら側の基準を少し下げてみるという方法です。ただ、これは諦めるという意味ではありません。
仏教では、人はそれぞれに因縁…背景や歩んできた流れを背負って今ここにいます。その方の「幼い振る舞い」も、あなたの責任ではなく、その人の因縁がそのまま表れているだけです。だから期待値の調整は「見捨てる」ではなく、「その人の現在地を正しく見る」ということなのです。
こうした見立てを踏まえると、次の一歩が踏み出しやすくなります。具体的には、二段階で接する方法です。
一つめは、人間関係の土台をつくる段階。まずは「必要な範囲だけ丁寧に接する」ことでよいのです。あなた自身の安全圏を守りながら、業務に必要な部分だけを整えていきます。無理に仲良くなろうとする必要はありません。
二つめは、その関係が少し安定したら、あなたが望む「対等な仕事仲間」へと少しずつ促していく段階です。言葉遣いや距離感については、一度相手の言い方に応じた上で、「こういう聞き方の方が私は話しやすいの」と伝える。相手がそれに応じた行動を見せたときには「ありがとう。最近は〜してくれるから仕事がしやすいわ」と評価してあげる。依頼→行動→評価、という流れを作ることが大切です。
馴れ馴れしさが苦痛なときは、無理に合わせる必要はありません。その部分は「距離を取りつつ、業務は丁寧に」という線引きが十分に丁寧です。
寛容とは、あなたが我慢することではなく、「人に応じた距離感を見つける」ことです。相手を育てるためにも、あなた自身を守るためにも、段階を意識しながら関わってみてはいかがでしょうか。


