生きることは正しいですか?
先だって、「風俗経営者の息子として」というタイトルで質問させて頂きました。真摯な回答をありがとうございました。
あまり間をおかずに恥ずかしい限りですが、もう一つだけ質問がございます。
生きることは、そもそも正しいことでしょうか?
私は小学生の頃、宮沢賢治が好きでよく読んでおりました。その中でも好きな童話に「よだかの星」があります。よだかという醜い鳥が、迫害と、なによりも生きるために他の命を犠牲にすることを悲しみ、自らを燃やして美しい星になる話です。そんなこともあって、幼い頃からぼんやりと「他人のために迷わず自分を犠牲にできる人間になりたいな」と思っていました。
それから十数年が経ち、私はすっかり凡俗な人間になってしまいました。他人より優れたいと願い、魅力的な異性と交わりたいと欲し、美味しいものを腹いっぱい食べたいといつも思っています。
幸せになりたくて、たまらない。惨めなまま死にたくない。一般の人よりは何倍も死にやすい難病であることも手伝って、そう思うことをやめられません。
しかし、こうも思います。私が幸せになることは、他の人が掴めるかもしれなかった幸せを奪うことではないか?と。
私が何かを食べなければ、それを他の誰かが食べられたかもしれない。私があるところに就職しなければ、他の誰かががそこで働けたかもしれない。私がある女性と結ばれなければ、彼女に恋していた他の男が結ばれたかもしれない。私が公的な扶助を受けなければ、税金は他の人を助けたかもしれない。
私が生きていなければ、私がこの世界から奪い取る全ての幸せは、他の誰かのものだったかもしれない。
そう考えると、私が生きていることはあまりに非道徳的なことのように思えるのです。
私が死ぬことは、立派で、道徳的なことじゃないのか?むしろ周りの人たちに甘えて、生にしがみつくことこそが煩悩であり、振り払うべきものなのではないか?私は度々そう考えるようになりました。
自分でも、過激な考え方である自覚はあるつもりです。しかし、「自分はあまりにもみっともなく生に執着している」という感覚がどうしても拭えません。
自分が今すぐ死ねば大勢の人が助かるとしても、自分の幸せを求めて生きることは正しく、道徳的なことでしょうか?
取り止めもなく幼稚な悩みではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
有り難し 52
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