故人への一番の供養とは?
故人が一番喜んでくれること、故人への何よりの供養、私ができることはどんなことか教えて下さい。
自分なりにこうだと思っていることもありますが、本当の供養をお坊様からご教示していただきたいのです。
私が供養したいのは、20代前半でバイク事故で亡くなった彼です。
私は40代半ばで既婚、こどもが二人います。
どうぞ宜しくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
故人との善き思い出を大切にし、そのことを糧として生きていく
ブルーアイ様、こんにちは。曹洞宗の吉田俊英と申します。
「故人のために、あなたが出来る供養とは何か?」というご質問への私の回答は、タイトルにある「故人との善き思い出を大切にし、そのことを糧として生きていく」に尽きます。但し、これだけでは、あまりにも漠然としすぎるかもしれませんので、若干蛇足を加えさせていただきます。
仏教における供養についての基本的な意味としては、下記の説明を御参照下さい。
供養 (日本大百科全書(ニッポニカ)の解説より)石上善應先生執筆
https://kotobank.jp/word/%E4%BE%9B%E9%A4%8A-56127#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29
故人との出会いや思い出もあなたの人生の大切な歴史だと思います。その歴史を経て、現在のあなたがあり、現在のあなたの生活があると思います。一番大事なことは、あなたが善き人生をしっかりと生きることです。「善き人生を生きる」具体的な行として、普段檀家さんには「布施・愛語・利行・同事」の菩提薩埵四摂法という教えをお話ししております。詳しい内容については、ネットで検索してみてください。
と言っても、「故人のために何か形を伴う供養をしなければ。」と思うこともあるでしょう。そういう場合の方法としては
①、可能な範囲で、故人の墓参をする。
②、墓参が難しいならば、故人の命日に手を合わせ、冥福を祈る。可能なら、短い経や真言・題目を唱える。
いずれかの方法をお薦めします。故人の菩提寺などで読経回向してもらう方法もありますが、基本的には故人のご家族が菩提寺で年忌法要を行っていると思います。
ちなみに、曹洞宗の公式サイトでは、供養の意味について、「供養とは、忘れないこと」http://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/memorial と説明しております。参考にしてください。
あなたが仏法を聞き大切にしていくことです。
何かをしてあげたいというお気持ちはとても尊いことです。
それと同時にこのいのちのご縁を大切になさってください。
この時間を大切な縁としてあなたが仏法を聞いて下さい。
あなたが仏様の教えを聞くとき、仏となった大切なお方があなたの姿をよろこんで下さいます。
供養について
ブルーアイ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えとなります。
何が故人様への一番の供養になるのかと申しましても、もちろん、各個人での価値観の相違や、あるいは、各宗旨宗派における教え、方便においても異なるところがあるかとは存じます。
「供養」に関しましては、最近でも下記の問いにてお答えさせて頂いております。
問い「正しいご先祖供養とは?」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1020579238.html
『・・亡き故人様方、ご先祖様方も、その仏道を修していく上においてのより善きお導きを賜りますようにと、仏、菩薩、諸天などへの御供養ということがまず一つ言えるのではないかと存じております。その上で、ご先祖様を一人一人御供養するというのは、もちろん理解できることではありますが、あくまでもその御供養というものも、迷い苦しみにある全ての者たちに対しての御供養も含めた上にて、ご先祖様方の導き手となる仏、菩薩、諸天などへと向けての御供養とすることが大切になるのではないかと存じております。・・』
上記を踏まえてのあくまでも拙考え方となりますが、おおよそに共通して言えてくることとしましては、「迷い苦しみにある全ての者たちへ向けての御供養」というところが求められてくるのではないだろうかと存じます。
そして、その御供養としての追善供養・功徳回向というものにおいては、その善徳の行いを全ての迷い苦しみにある者たちのためにへと向けてなされるのが大切になるのではないかと存じております。
若くして事故にて亡くなられてしまわれました彼氏様と共に、全ての一切衆生たちが悟り・涅槃へと至れますようとして、是非、より善き行いに日々ご精進を賜われましたら有り難くに存じます。
それは、まさに吉田様のおっしゃっておられます四摂法「布施・愛語・利行・同事」のことでもございますし、少しのできることでの親切、例えば「無財の七施」でも構いません。
「無財の七施」に関しましては、下記の問いにても扱わせて頂いておりますのでご参照下さいませ。
問い「生きることが辛い」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1016003171.html
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
ご回答ありがとうございました。
一番の供養は忘れないこと、正しく生きていくことですね。
これからも彼のことは忘れずに、彼に対する気持ちを自分の生活を充実させるために向けて、ちゃんと生きていこうと思います。ありがとうございました。