十三仏と密教の関わりについて
十三仏が密教系であるとお坊さんからちらっと聞いたことがあるのですが、調べても関係性がよくわかりませんでした…。
どの宗派も御本尊様がいらっしゃるのに、どうして十三仏は密教系なのでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ないのですが、初心者の私にもわかるように教えて頂けると幸いです。
預流果へ到達するまでの苦しみ全て
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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十三仏の十二番目の仏様に御着目を
鏡花さん、初めまして。
なかなか興味深い質問をされますね。拙いながらお答えさせていただきます。
諸説ありますが、十三仏は、江戸期に十王思想(閻魔王を初めとする冥途の裁判官である十王に死後、順番に生前の行いについて裁判を受け死後の行き先が決まるという中国の思想)をもとにして、十三の仏さまが初七日(不動明王・秦広王)から始まり三十三回忌(虚空蔵菩薩・法界王)までの期間、裁判官として裁きを下し、仏様として故人と相対し仏の教えを説き導く。
また、故人が各忌中や年忌を迎えるたびに、それぞれの仏様の世界に至り、遺された家族や子孫を見守る(菩薩行に邁進する)といわれます。
正確には十七回忌から二十七回忌の間にも各回忌毎に御本尊となる仏様があり、その先にも五十回忌(愛染明王)、百回忌(五秘密)とそれぞれの仏様が御本尊として故人と相対し仏の教えを説き導かれるとされています。
質問に戻り、なぜ密教系と十三仏が深い関係にあるのか?
それは、十三仏の十二番目の仏様に密教の中心仏(御本尊)である「大日如来」さまが入っていて、他にも不動明王や阿閦如来をはじめ密教由来の仏様が曼荼羅の世界をもとに沢山含まれていることにあるからだと思います。
そして、今日では真言宗において出家在家問わず、日々のお勤めで十三仏真言をお唱えする(十三仏の仏様の真言を順番に唱える)場面が多くあります。
これらが十三仏が密教系と言われる由縁だと思われます。
合掌(^人^)
以下、参考までに。
(真言)密教においては各寺院に於いて様々な御本尊がありますが、真言宗としては宇宙そのもの、大自然そのものを体現した「大日如来」が御本尊、本家本元の仏様で他の様々な仏様(如来、菩薩、明王)はその一徳(一つの働き)を表したものだという考え方をしており、この世に存在するものは(我々人間も)大日如来の一部だと考えております。
いわば、密教全体、真言宗全体の御本尊が大日如来なのです。
質問者からのお礼
初歩的な質問にも関わらず、丁寧な、そしてわかりやすいご回答、感謝申し上げます。
「御本尊様は大日如来さまなのに、どうして十三仏が出てくるんだろう?」と疑問に思いモヤモヤしていたのですが、スッキリしました!
また、大日如来さまのことについても大変納得しました!全ては大日如来さまの一部である、ということは聞いたことがあったのですが、十三仏も同じなのですね…!
これからも益々仏教について学んでいこうと思います、ありがとうございましたm(*_ _)m