夫と別居せざるおえない状況で両親の介護をしています
お世話になります。現在、実家にて父(末期癌)と母(軽度認知症・不安神経症・視覚障害・聴覚障害)の介護の為、夫に一人暮らしをしてもらいながら介護をしています。私は三人兄弟の長女で子供もおらず、三人の中では比較的動くことが出来たのでこの生活を夫の許可を得てさせてもらっています。自宅には兄弟がこれる時を使って一ヶ月に一度ほど帰ることができているだけの状況です。
両親共に病気になる前から私に対しての甘えが強くあり、借金の返済を手伝って来たり、何か問題があれば私が出ていって力を貸すような関係でした。病気になってからその甘えはさらに強くなっているように感じ、日々口では「お前たち夫婦には悪いと思っている」というものの、特に何の努力もなく要求ばかりが増えていっています。夫も最初は「お父さんを優先してあげて。一番大変なのはお前だから俺で出来ることがあれば協力するから…」と言ってくれていたのですが、最近は「なぜ俺だけが我慢して耐えなくちゃならないんだ!誰のせいでこうなったんだ!お前が俺じゃなく両親を選んだからじゃないか!俺のことを最優先に考えて両親は施設なり病院なりにいれろ!それが出来なきゃ離婚だ。お前は俺を捨てたんだ…」とせめたてられています。
私も両親には複雑な思いがあるので、いろいろ考えるのですが、病院嫌いの父の最期を自宅で迎えさせてあげたいと家族で相談して在宅介護にした次第です。なぜ自分でも嫌だと思う両親を見捨てられないのか。夫を最優先に出来ないのかわかりません。心のどこかで夫のことを親身に思っていないのだろうか…協力してくれるとの言葉に甘え過ぎていたのだろうか…と自問自答しています。この先どうすごせば良いのか何を最優先にするれば良いのか悩んでいます。ご返答いただけますとありがたいです。よろしくお願い致します。
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wakaさん、こんにちは。
現状と、wakaさんの気持ち、お察しします。
お話しいただいた文章を拝読いたしますと、さまざまな関係が浮かび上がってきます。
それは、親子の関係、夫婦の関係、きょうだいの関係、そして貴方自身、の4つです。
両親への複雑な思い、夫への様々な気持ち、家族で相談して在宅介護にした次第、wakaさん自身のこと。
これらの関係が絡み合っており、縛られて動けない状態・・・とお見受けいたします。
関係の解決策としては、
1.からまった関係を断つ(全部、一部。その後、また結ぶ)
2.親・夫・きょうだい、との関係を、ほどく(面倒ですし、時間がかかりますし、余計からまる可能性も)
3.そのまま関係が終わるのを待つ
4.自分の力だけではなく、だれかの助けを得る(行政など)
具体的に言えば、きょうだいと相談する、外部の助けを得る(行政など貴方の代わりに動いてくれるサービス、施設をさがす)。
わたしは思います。「一貫性」が無ければいけないのだろうかと。
結婚をし、いまの生活を送っているわけですが、それは自分で決めたものか、家族からのプレッシャーか、分かりません。当時を思い出して、なんとなく思い出せる理由があったとしても、それは当時のことです。
たしかに、当時と現在は繋がってはいます。親子、きょうだい、夫婦の関係も。
それぞれの関係を完全に断ち切ることはできませんが、その「一貫性」は保たなければならないものでしょうか?
そしてまた、「自分の行動や心理においてさえ、分からないものは分からない」ということです。
いまと昔は別です。
施設etc.に預けること、自分が世話をしないことは、見捨てることではありません。あきらめることではありません。
夫を親身に思っていないかもしれないこと、夫より親を選んだ(甘えていた)こと、は状況がそのように見えているだけです。
さらに、さまざまな疑問が出てくるのは当然ですし、またその答えは分からないことです。
でも、分かることはあります。関係全体で考えるのではなく、ひとつひとつ、どうしたいか・・どうありたいか考えることによってです。たとえ矛盾していたとしても、です。
お住まいの地域の行政などに助けをもとめてください。以下、例。
・専門職(福祉相談員、医療ソーシャルワーカー、在宅介護支援センター)による相談
・福祉保健 ・身体障害者手帳 ・高齢者向け入所施設
「父母恩重経」(仏説父母恩重難報経)
waka様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えとなります。
waka様のおつらいご心情、誠にお察し申し上げます。
「父母恩重経」というお経がございます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/仏説父母恩重難報経
偽経説が有力なものの、親からの恩を十項目挙げることで、その恩に報いるべくに仏法の実践を促す良い内容となっております。
この中で、「求道者の報恩」の項目に、「父と母に病があれば、その床の辺りを離れず、親しく自ら看護すべきである。親の病の癒えることを願い、常に恩に報ゆる心をもって、少しの間も忘れてはならない。」と説明がございます。waka様はこの実践をなされておられますこと、実に尊いことであり、ご敬服申し上げる次第でございます。
但し、その引用文の続きには、「もし親が頑迷であり、道理にくらく、三宝を奉じようとせず、思いやりの心がなくて人を傷つけ、不義を行って物を盗み、礼儀なくして色欲にすさみ、信用なく人をあざむき、智にくらくして酒にふけっているならば、子はまさに厳しく諌めて、そのような行いから覚め悟らせるべきである。」とありますように、父母に対して、悪い行いをさせずに、悪業を積ませないためにも、仏法に基づいて諫めるべきは諫めることも必要となります。
もちろん、その引用の続きにありますように、諫めるために「断食」と言った極端な方法を取ることは在家者においては必要ありませんし、お父様は末期の癌でいらっしゃることもあり、ほんの少しだけでも分かって頂けるようにご兄弟と共に、やんわりとでも会話の中で、諫めるべきがあれば諫めてあげることも必要かとは存じております。
さて、ご主人との関係についてでございますが、こちらも相互協力により夫婦関係の維持に努めることが大切となります。
夫婦の法律教室
http://www3.ocn.ne.jp/~mhc/couplaw.htm
夫婦関係の維持についても、やはりないがしろにすることではいけないと存じております。
一つ、waka様の今のご負担について、ご兄弟での話し合いにより、ご兄弟の協力を得ることによって、何とか減らすべくに努力致して、夫婦関係の円満にも努められるようになさられるのが最も良いのではないだろうかとは存じております。字数制限上、ここまでにて。
川口英俊 合掌
waka様。
一度関係者皆様でお話し合いを持たれては如何かと存じますよ。
その折、専門機関(介護関係・弁護士等法律関係・所管の役所の福祉関係)の方々にも同席を頂いてアドバイスを頂きながら、お話為されてはと存じますよ。
如何でしょうか。
質問者からのお礼
親身になって下さってのご回答、本当にありがとうございました。
あれからまず兄弟三人での話し合いを行い、私達夫婦が辛い状況にあることなど正直に話してみました。弟も妹も負担をかけすぎてしまい申し訳なかった…私達夫婦の将来を守る為にも今以上に協力する。と言ってくれました。その話を両親にもし、しぶしぶながら了承を得ることが出来たので、これからもう少し夫との生活を増やしていけそうです。
夫にその経緯と結果を話すと人が変わったように穏やかになり、兄弟達が自分たちのことに真剣に考えてくれたこと、前向きな結果を出してくれたこと、心から感謝する。また誰か一人にだけ負荷がかからないように皆で協力して乗りきっていこう…と言ってくれました。
私は介護に一所懸命になるあまり、自分が犠牲を払っている…自分だけが辛い…兄弟達は信用出来ない…私しか出来ないんだ……と思い込んでいました。夫に責められた時は何故こんな目にあうのだろうと思っていましたが、怒鳴らねばならないほど辛かったのは夫の方でそれに気づいていませんでした。兄弟達にも話しても無駄だろう、どうせ私しか出来ないのだ…と相談しようともしませんでした。
今回、ご回答も受け、正直に話してみようと相談したことで、今まで自分が卑屈になっていたこと傲慢だったことにも気づかされました。自己犠牲は自己満足にもなりうる、結果周りに余計に迷惑をかけてしまうことを知ることが出来ました。
今後は行政のサービスなども利用しつつ、皆で協力しながら、父の最期を迎える準備をしていこうと思います。
優しいお言葉・アドバイス、本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。