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自分の能力が低くて絶望しています。

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私は36歳の会社員です。不動産業に勤めているすのですが、この年、この勤務年数(6年目)でまだ宅地建物取引士の資格を取得していません。後輩にも抜かれ役職は降格し給料も下がりました。
このままではいけないと日建学院に学費20万円を実費で支払い4か月休みを削って通っていました。最初は受験経験者もあって合格ラインまで行っていたのですが、直前になって段々難問になってきて合格ラインを割ってしまい結果不合格になってしまいました。
上司にひどく罵倒されみんなの前で大恥をかき自分に能力に自信が持てずこのまま死にたい気持ちです。
10年前に戻って学を磨き頭の良い人材になりたかったと自分自身を疑い攻めてしまいます。
今までの人生とても後悔してしまいます。
できることであれば生まれ変わりたいです。
今年37歳になる独身の男でありますが、こんな自分が情けなくて涙が出ます。
能力を開発し世の中に貢献できることはできませんでしょうか?
こんな情けない自分は生きて行っていいのでしょうか?
希望をもって生きていけるのでしょうか?
どうやって人生を切り開いていくのでしょうか?
勇気をもって前を向いていけるでしょうか?
教えてください。
よろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

何が「できる」かという価値観にのみこまれないで

もっと頑張れ
なぜできない?
あいつに負けるな
やればできる

そんな事はもう十二分に言われているでしょう。自分でもわかっているでしょう。それでも追い詰められ苦しんでいるのでしょう。

世間はそういう何が「できる」のか、という価値観でしかあなたを見ません。
でもここは仏の教えに照らされた場所です。なにもできなくていい。あなたがただ「ある」、ただ「いる」。それが尊いのです。それだけで人は本来喜べるのです。

私たちは生まれた時、そこにただ「いる」だけで周りを笑顔にしました。存在そのものが尊かったのです。
しかし、だんだんと何が「できる」か、できるものは良い、できないものは悪い、という競争原理の価値観に飲み込まれていきます。

もっと早く、もっと多く、もっと正確に

世間ではそれが優秀とされる価値観です。でも仏様はそんなこと求めません。仏様は人を裁きません。平等です。
世間の価値観にのまれ「このまま死にたい気持ち」とまでおっしゃり苦しむあなたを仏様は救います。
何も頑張らなくていい、あなたはそのままで尊いのだ。「ありのまま」でよいのだ。とそのいのちの存在を尊び喜んでいます。喜べない私たちを憐れみ慈悲の心で包んでいます。

人と比べる必要はありません。あなたはあなたのいのちを喜び、「ありのまま」で生きてください。

しかし、現実に世間で生きる私たちは様々な価値を求められます。それでも、仏教的な自分のいのちの存在の意味を知っているかどうかで心持ちは変わってきます。

頑張りたければ頑張ればよいのです。私が私の力だけで頑張れるわけではありません。頑張らせていただけることもご縁、頑張らないこともご縁、頑張った結果がどうなるかもご縁です。

「ただある」ことを喜びながら、ご縁のままに力を抜いて生きましょう。
どんな状況でも、あなたを成り立たせている「おかげさま」のご縁に感謝し、存在そのものを喜ぶのです。で、あればあとはなるようになる。

自分を責めることなく、頑張りたいという気持ちがおこったならばそれにまかせて頑張ればよいのです。世間は結果を問うても仏様は結果を問いません。

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有り難し
おきもち

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...
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限界を決めてしまってはそこでおしまい

「今、汝は画れり」(論語)
いま、なんじはかぎれり

弟子の一人が孔子先生に言いました
「先生のおっしゃることはすばらしいのですが、私の力が足りなくてできません」
その時に、孔子先生が厳しく言い放った言葉です。

たしかに、何年もがんばってきたのに、結果が出せなかったのは辛い。
弱気になってしまうのはいたしかたがないのかもしれない。
でも、それであなたの人生は終わったのかというと、そうではない。

人は「もう無理」と言ったところから、あと5倍は頑張れるんだそうです^^
自分の可能性を、低く見積もっちゃダメですよ。

論語にはこんな言葉もあります
「学べば即ち固ならず」

つまり、学問を学ぶということは、色々なものの見方ができるということ。
学んでいない者は、ひとつのものの見方しかできないけれど、よく学んだ者は、物事は見方によって様々に変化する、ものの考え方も色々ある、ということを知っている。
と、孔子先生は言っています。

まさとさんのこれまでの努力と経験も、見方を変えれば活かす道はあるはず。
けれど、そのスキルを生かすも殺すもあなた次第。
いつまでも落ち込んではいられません、腐ったら負け。

いちど心をリセットして、静かな気持ちで自分自身を見つめ直しましょう。
坐禅がオススメですが、無理に足を組んだりすることはありません、椅子に座った状態でもいい、姿勢を正し、呼吸を調えることに集中するのです。
最近は「マインドフルネス」といって、欧米の企業でも取り入れるところが増えているそうですよ。

今すぐでなくてもいいです、気持ちを調える努力を。
あなたが諦めない限り、何度でも立ち上がれる。

追記
東京で坐禅ができるところというお問い合わせがありましたので追記します
妙心寺派東京禅センタ-というところがあります、一度サイトを覗いてみて^^
http://www.myoshin-zen-c.jp/

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有り難し
おきもち

様々なつらい別れや痛みを、私も経験しながら今日を生きています。 あなたの...
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質問者からのお礼

暖かいお言葉本当にありがとうございます。罵倒や侮辱の言葉しかなかったですが、救いのあるお言葉いただき大変感謝しております。お坊様が仰って頂いた座禅一度やってみたく思います。一度は試みたのですが仕事を言い訳にやっておりません。東京都足立区に住んでいるのですがどちらまで伺えば座禅を体験させていただけるのでしょうか?
もしご回答可能であれば教えてくださいませ。今度は言い訳なしでやってみます。
最後に本当にありがとうございました。
心得ときます。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ