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父が孤独死して償いたい

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有り難し有り難し 18

父と母は長年不仲で、ここ数年は別居してました。父の浮気疑いから不仲が決定的となったため、私達子供は母の味方となってしまい、ここ数年、父からの連絡は家族全員で遮断してしまってました。

先日、警察から孤独死の連絡を受け、家族全員で父を拒否していたのだから、こうなる結果は見えていたのに、後悔しかありません。

父は子供たちにとっては優しかったのに、私はそんな父に孫が生まれたことすら知らせず、孫の顔も見せませんでした。最低な娘です。

父の日記には、父の願いが2つ書かれてました。

1つ目は、父の両親のお墓に入りたい。2つ目は、母と住んでいた家に帰りたい。とのことでした。

父の両親のお墓は、父の兄の家族に断られ、入ることはできません。
また、母は父のことを許しておらず、母の家にもお骨を持っていくことはできません。

私は父のささやかな願いを叶えることもできず、どう償えば良いのでしょうか。

また、父は両親のお墓に入れずとも、天国で両親に会えると信じて良いのでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「共に」ありたいという願い

私たちは縁によって生まれ、縁において死んでいきます。
無数の複合的条件が重なり合っていのちを頂戴し、生かされております。

そういう意味でどんないのちも平等なのです。どんないのちも縁によって生まれ、縁において去っていく。

なのでいのちが生まれてくるという事実には差がありません。それならばそうして去っていくことに差がありましょうか。

みな平等に同じところへ還っていくのでしょう。それを天国と表現したり、浄土と表現したり、様々な表現がありますが、私は下記の質問における回答僧侶様の表現がスッキリまとまっていて、かつ、尊さあふれるものに感じたので貼っておきます。

http://hasunoha.jp/questions/13752

お父様はご両親とも、またいつかそこに赴く皆様とも、同じ一つの処に還っていかれたことでしょう。
生き様や死に様や、死後のお骨の扱い方などでどうこうできるものではありません。

この一つの処に還ることを浄土真宗では「倶会一処」といいますが、それは私たちが今と同じように実体を伴って再会できることなのかどうかは私にはわかりません。
しかし、「同じところに還る」というだけであたたかな感じがしませんか?私はそれが有難いことだなあと感じます。なんの裁きにも怯える必要はありません。自然なことなのです。もとに還っていくのです。

さて、しかしながら私たちは生きている間の様々な境遇を悲しみ、後悔するものであります。この度のお父様の件も大変お辛い思いをされたことでしょう。

私たちは生きている間は中々本当の願いに気が付かないものなのかもしれません。自分が本当にはどうしたいのか?ということが自分ではわからないのでしょう。
お父様のことを許せないお母様も、本当は許したいのにその思いに気が付いていないのかもしれません。

いずれにしましても、これからできることは、お父様がご両親のお墓に入りたい、お母様のいる家に帰りたいと願われた内容の根底にあるもの。つまり、皆で「共にありたい」「本当の意味で出遇っていきたい」という願いに残された皆様が応えていくことではないでしょうか。
様々な縁から関係を断ち切ってしまう私たちでありますが、本当は「共に」ありたいのだと思います。それは物理的に一緒に暮らすことではなく、お互いの尊さに気づき、認め合っていきたいということではないでしょうか。

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はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
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質問者からのお礼

吉武文法様
ご回答ありがとうございます。
父の願いの根底にあったのが、「共にありたい」であり、「お互いの尊さに気づくことが大切」との言葉がありがたかったです。
生前の父の尊さに気づけず、関係を断ち切ってしまったことを反省し、これからは、家族や友人の尊さに気づける人間になりたいと思います。

また、父やその両親、いずれは私も同じところに還るのだと思うと、もうお墓の扱いについて揉めるのはやめたいと思いました。

ありがとうございました。

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