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部落差別について

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結婚を前提にお付き合いしている恋人がいます。彼の実家には月に何度か顔を出しています。

彼の父親は部落差別をする人です。

彼と将来のことについて話をしていた時に「俺の親父は部落とかうるさい人だよ。」と言われました。私は部落差別について知りませんでした。
そのように言われて調べて初めて私は部落差別について知りました。学生時代に道徳の時間に習ったようでしたが覚えていませんでした。

自分でも調べましたがそのような制度はとうに廃止されており、戸籍に載るわけでもなく確認するすべはないようだったので勇気を出して母親に聞きました。
結果、「あなたの父親は同和地区の出身だよ。そんな理不尽な差別バカらしいと思っていたし、そんな差別を今どきする人なんていないし知る必要もないことだと思っていたのであなたには特にその話はしていなかった。お母さんが同和地区の人と結婚したせいで…あなたにはまたつらい思いをさせてしまったね。ごめんなさい。」と言われました。

なぜ母が謝る必要があるのでしょうか?同和地区に嫁いだというだけで何か母は悪いことをしましたか?部落の人は全員生きているだけで悪く言われる必要があるのですか?
私の両親は15年ほど前に離婚しており母は女手ひとつで一生懸命私と妹を育ててくれました。そんな母にそんなことを言わせてしまい、私はとても悲しく、悔しい気持ちでいっぱいです。

恋人には「親父には同和地区のことは隠しておこう。波風たたせないほうがいい。」と言われました。
私は何も悪いことをしていないのに出生の秘密や育ってきた環境を胸を張って話すことができません。彼の家に嫁ぐならそういうことになると解釈しています。

結婚するなら実家に入ってくれ。彼の父親はそう言っています。

私はこんな気持ちで彼の父親とこれからの同居していく自信がありません。

家族になっても心の中では「お義父さんはいわれない差別をする人なんだ。」という気持ちはぬぐえないと思います。

恋人はとても良い人です。この人なら信頼できると思っています。恋人の母親もとても心優しい人で、部落差別なんてひどい話だといって理解してくれています。

恋人の父親には同和地区出身であることを隠して生きるべきでしょうか?
また、私は自分の気持ちをどう整理したらいいのでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございます。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

若い時に部落差別について学び、差別を無くすことの大切さを学んだ人は問題無いのですが、それの経験が無い年配の方を説得することはかなり困難と言われています。
例えあなたのことを隠して結婚しても、思わぬところで知られることになるでしょう。
一番いいのは彼が義父を説得することですが、おそらく難しいので、彼が家を出るしかないと思います。
過去には結婚する段階になって部落差別の問題が起こり、自死した人もいると聞きます。
どうか死ぬことだけはしないでください。
最悪の場合、彼と良き友達のままでもいいと思ってください。
他にも男性はたくさんいます。結婚だけが人生ではありません。くれぐれも早まらないでください。
あなたが堂々と生き生きと生きていくことを願っています。

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おきもち

私は浄土宗の坊さんです。 少しでも何か参考になればと思って回答しています...
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差別は愚かな行為です

拝読させて頂きました。部落差別は中世近代現代において為政者が作り出した社会制度であり身分制度です。
その様な身分制度を作ることによって固定化して社会を安定させようとしました。しかしその制度は全く人権を侵害し個人の自由を侵害した制度です。
天皇将軍を始め最下層として位置つけられた人々まで全く自由のない固定化された社会制度です。
人が人を差別することは本当に愚かな罪です。そこではだれしも今私達が憲法で保障されている基本的人権の尊重はありません。だれしもが人権のない世界です。
私達は今までの歴史においていかに人が人を差別することが愚かなことかを学んできています。差別は差別を増長していがみ合い罵り合い憎しみを生み出します。そして最終的には戦争や虐殺を引き起こします。
そのことがいかに愚かな行いであるかを多くの人々が殺されていった、罪もないあまたの赤ん坊や子供達や善良な人々や母親や年老いた人々の虐殺によって学んでいかねばなりません。
第二次世界大戦によって日本人も差別を行い、同時に差別されて原爆を落とされて敗戦をむかえたのです。
著しい差別を行いユダヤ人を大量に虐殺したナチスも滅んだのです。
差別がいかに愚かなな非人道な行為かをどうかあなたも彼もまた皆さんも学んで頂きたいと切に願います。
人と人とはいついかなる時も平等です。仏様の前では全ての人が平等です。
それが本当の真理であり正しい智慧です。
どうか私も含めて皆さんで学ばなければなりません。

逆に差別をするものは本当の愚か者です。差別する者には本当に心の平安は訪れませんし、救われることはありません。まして成仏することはできません。
それは差別する者は仏様の平等の慈しみを理解できないからです。仏様は全てを救います。それは差別のない全てが平等であるからです。
差別する者は仏様の教えを受け入れること、真理を受け入れることができないからです。

あなたにはこれから心から健やかに成長なさって生きて頂きたいと切に願います。そして彼や周りの皆さんにも平等の意識をしっかりと持って共にお互いを尊重しあいながら助け合い生きて頂きたいと切に願います。

どうか愚かな非人道な差別に負けないでくださいね!あなたをこれから応援して参ります。何かございましたらぜひまたご質問頂きたいと存じます。

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Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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同和地区がどこなのか語ること自体が差別につながる

役所にはときどき、「〇〇市の中で同和地区はどこですか?」「〇〇地区は同和地区ですか?」という電話をしてくる人がいるそうです。
役所は絶対に答えません。
そのような質問をすること自体が差別につながると啓発するそうです。
仮にあなたのお父様が同和地区出身だったとしても、それを言ってしまうと、その地域が同和地区であるという差別につながる情報を広めることになります。
だから、黙っておきましょう。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございました。

実はつい最近、恋人のお祖父さんが亡くなりました。義父の実父です。死因は自殺でした。遺書などはなく理由はわからぬままですが家族関係がうまくいっていなかったようです。
義父は自責の念にかられ今までの自分の接し方や色々なことに後悔をしているようです。
その話を恋人から聞いたとき私もこんな風に思ってしまいました…「私が義父の部落差別が原因で死ねば義父は考えを改め、私と同じような思いをする人が減るのではないか…」と。
もちろん一瞬頭をよぎっただけでこんなバカげた差別のせいで死ぬなんてことはしません。

差別はいけないことだ。人の気持ちを考えられる人間になりなさい。私はそのように言われて育ちました。いわれない差別を受けている人はかわいそうだな、自分は気を付けようと思っていましたが、自分が当事者になるとは思ってもいませんでした。
当事者になってみて初めて気づくこと、思うことはたくさんあるのですね。改めて差別をなくすことの大事さを感じました。

胸を張って堂々と生きられるよう、彼と納得いくまで話し合おうと思います。その結果がどうであれこの経験を無駄にせず、これからの人生に生かしていきたいと思います。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。アドバイスいただいてとても気持ちが楽になりました。ありがとうございます。

kousyou Kuuyo Azuma 様
ご回答ありがとうございます。差別はいつか滅びる。幼い頃に祖母がアンネ・フランクの話をよくしてくれて、「差別は絶対にいけないよ。」と言われたことを今回このようなことがあり、思い出しました。祖母は数年前に他界しましたがこんな差別に負けてしまっては祖母が熱心に教えてくれたことを無駄にしてしまう。この経験を生かし、微力ですが差別のない世の中を目指して次の世代に正しく伝えていきたいと思います。お互いを尊重し合い、助け合い、成長していきたいと思います。また何かあれば質問させて下さい。ありがとうございました。

願誉浄史様
私が自分の出生を明らかにすることで新たな差別を生むことがあるのですね。これ以上悲しむ人が増えないためにも黙っておこうと思います。いつか差別のない世の中になりますように…。
ご回答ありがとうございました。

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