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妬む気持ちを忘れたら楽になれました

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有り難し有り難し 37

数年前まで、個人の思想が強く入った宗教団体(…今考えたらその考え方や教義すらも随分と怪しいものですが。。)のようなものに傾倒していました。
それまでは絶対だと信じてた教祖の男性の優しい態度や言葉も、ある事実がきっかけで嘘だと感じ出しました。自分の本当の理解者は家族であると気づかされ、家族の協力もあって無事に抜け出すことが出来ました。
残ったのは同じグループにいた信者の男性が作った連帯保証の借金だけ、儀式だとか実際そんなものがあったのかもわからない借金のため払い続けてきたお金を思うと、大人のくせにもう少しまともな考えを持てなかったのか、悔やんでも悔やみきれません。

確かに、私が今まで散々好き勝手やって来たなかで傷つけた人は思い出すだけでもたくさんいます。今回の件でも家族にはとんでもない迷惑をかけています。それだけでもきっと私は地獄に落ちるんだろうと思います。
ですが、教祖の元にいた時はあれほど強く抱いていた他人に対して抱いていた歪んだ優越感、恨む気持ち、妬む気持ちも「私の考え方こそが間違っていた、今まで勘違いしててごめんなさい」と思うだけでかなり楽になれました。ですが、そう考えて生きるのは間違いなのでしょうか?
「今まで皆さんを不用意に傷つけてごめんなさい。これから一生かけて償っていきます」と思いながら生きていくべきなのでしょうか?

同化お教えを賜れればと思います。よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

気持ちよりも態度や行動で

人間は24時間息をしています。
ですが、あなたの過去がどうであれ24時間すみませんでしたすみませんでした、みたく呼吸をするように謝り続けることなどできません。
どんなに凶悪な犯罪を犯した人間であってもそのようなことはできません。
私はあなたがその教団に惹かれたのは、何かいいことをしている感があったからではないかと思います。
個人のコンプレックスやプライドを、あなたたちこそ選ばれた素晴らしい人間であるという気持ちを高ぶらせたりして、気持ちよくさせているのです。おそろしいことです。
悪い新興宗教は人のそういう純粋な気持ちを利用して、入信させて騙してお金を取ることが目的なだけですから、あなたはむしろ被害者さんでもあるのです。
あなたは無自覚だったでしょうが当初、その教団に入った頃、コ心の中で花を咲かせていた気持ちがあるはずです。何か世の為に、人の為に貢献したい、尽くしたい、という気持ち。
それが仏教では菩提心といいます。
たとえば世の中の女性の、純粋な恋をしたい気持ち、純粋な恋愛感情があっても、向けられた相手が結婚詐欺師や結婚したい女性の願望を利用した性行為目的の人間たちの毒牙かかかれば騙されたと知った時、心が折れるでしょう。
同じように、人間には誰にでも純粋な菩提心があるのです。
ところが向かった先が「邪師」であれば、惑わされます。
私ども禅僧はみな邪師に誑かされ誑かされて、この人ではない!と見限っていく中で本物の指導者である「正師」に出会うために、行脚(あんぎゃ)をするものです。
あなたもそう考えれば行脚の途中なのでしょう。
本当にマトモな指導者に出会うことです。
あなたの期待度が高過ぎれば、邪師でさえもいい人に見えてしまうという心理があるのです。
どうか、あなたの菩提心をなくさないでください。
菩提心さえあれば人は永遠に向上します。あなたの人生はまだまだこれからです。
あなたの菩提心をどんどん燃やして、素晴らしい指導者に出会い、自らも世の中の善玉菌活性化の為にも何か尽くしてみてください。
今朝はどこぞのだれかが捨てていって、風で巻き散らかされたゴミを拾いました。
そんな事でもいいのです。
あなたが今から出会う、誰かや何かが手助けを必要としている相手に手を差し伸べてあげることを勤めてみてください。一日1行、2行、3行、重ねていけば千手観音行です。

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できることをできる分だけすればよい

人間、どうせできることしかできないのですから、できることをできる分だけすればよいのではないでしょうか。
周囲の人に対してあなたができる償い、やるべき償いがあるなら、した方が良いでしょう。
しかし、明るい気持ちでやってください。
毎日、今がゼロ。
少しでも償えたらゼロからプラスになったと、明るい気持ちで償いましょう。
強すぎる後悔は苦しみの原因になります。
過ぎたことは仕方ないのです。
今できることを、できる範囲で少しでもできたら、プラスになったのだから喜びましょう。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

丹下 覚元様
ありがたいお言葉ありがとうございます。
その教祖の男性が『邪師』であったなら、私にとっての『正師』は三人。その教団を抜けるために尽力くださった主人の母と、こんな人を小バカにするばかりでどうしようもなかった私を見捨てず、ここまで引っ張り上げてくれた今の職場の上司だと思いました。
私は今、少しでも生活を向上させるために資格試験を受験いたしまして、その結果をずっと待っております。私の運命を変えてくれた三番目の『正師』である、生まれてきてくれた子供たちのために少しでも子供たちが向かう未来の助けとなれば‥と今は思っております。資格を取る最初のきっかけはとんでもない理由だったのですが。。(苦笑)
自分の菩提心を磨き、教団にいた頃の『なにか、人の為に尽くしたい』という心を少しでも昇華できるように日々を生きていきたいと思います。素敵なお言葉をありがとうございました。

願誉浄史 さま
ありがたいお言葉をありがとうございます。
どんなことをしても常に過去が付きまとっているような後ろ暗い心持ちでおりましたが、「少しでも償えたらゼロからプラスになったと、明るい気持ちで償いましょう」というお言葉に救われました。
プラス思考、というものがなかなか苦手な私ではありますが、日々を明るくできるように楽しく生きていきたいと思います。本当にありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ