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難民問題の解決についてどう思いますか?

回答数回答 3
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先日ニュースでも話題にりましたが、シリア難民の3歳の男の子が溺死した件を見て涙しました。

自分にも小さい子供がいますが、多くの子供が何不自由なく育っている日本と、住むところもない多くの難民の子供。

難民の数は年々増加の一途だそうですが、全て大人のエゴの結果です。

どうすれば解決できるのだろう?と思いましたが、なかなか妙案もありません。ご意見いただければ幸いです。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

日本に今、生きている仏教の力が必要なのかもしれない

これは、とても重大な問題です。私たちが住む日本でもエゴの中で成立していることがたくさんあります。
まずは、日本をどうにかしなければ、外国にまで影響させることは難しいように思います。
悩める人が多くいる日本。
極端なことを言えば、国中みんなで坐禅をすれば、みんなが救われるのではないかと思います。坐禅を学び実践することで、幸せな生活ができるのだと思います。

国を挙げて仏教を実践できればいいのになあといつも思っています。

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おきもち

禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
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戦争は人類の普遍的な問題

お釈迦さまの例え話に「大地と小地の教え」というものがあります。目の前に広がるこの世界、地平線の向こうまで続く大きなこの世界が大地です。それに対して手のひらに乗せられるだけの量の砂が小地です。人間は、どうあがいてもこの小地でしか生きられないという話なのですが、この小地…実は大地と繋がっているのですよ。

それはそうでしょう?私たちはこの世界に影響され、影響を与えながら生きています。私たちは一人一人の人間ですが、この世界に繋がっていて、世界そのものでもあるのです。
戦争という巨大なベクトルはお釈迦さまでも止めることはできませんでした。母国へ進軍する隣国を説得し、3度まで止めたのですが、4度目は止められず、母国は滅びました…お釈迦さまでさえ出来なかったのですから、まして私にとってはもっと手の平の外の世界なのだろうと思っています。

でも、それでも何とかしたいですよね。だから私はこの手の平が外の世界と繋がっていると信じて、自分の手の届く範囲のことを精一杯しようと思っています。そして、余裕のある時は下のリンクの団体を通じて支援させていただいています。(シリアは活動範囲に入っていません)
http://sva.or.jp/activity/

こうして些細なことでも行動に移すと、自分自身の気持ちが晴れます。それは私の勝手な行いですが、現状として私が「させていただきたい」立場でしか無いことを忘れてはいけないとも考えています。戦争というのは単純化すると相手の要求の突っぱね合いであり、存在の突っぱね合いですね。その突っぱね合いの解決方法を考えるのに「大人のエゴ」でバッサリ突っぱねてしまうのは「ん?」と感じてしまいます。エゴの中にエゴを生んでないでしょうか?

私にはまだ言葉も話せない子供がいます。その子を見ながら、「連中はこんな子供の首を取って、サッカーボールの代わりにして遊びやがったのか」と思うとはらわたが煮えくり返る思いがします。でも、そのはらわた煮えくり返る思いのぶつけ合いが戦争であり、誰もが無意識に持っているエゴが戦争の根本です。

skayactive07さま、相手が間違っていると誰もが思っているのですよ。そしておそらく実際に、お互いにみーんな間違(エゴ)っているのです。私も含めて。そのエゴを止められるのは自分だけ。他人のエゴを止めようとするから連鎖するのです。

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おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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仏教がひろまること

シリアなど中東問題は、歴史的、政治的なところにも問題がありますね。イギリスがいい加減に国境線を引いた、イスラエルの問題などなど、不勉強でよくわかりませんが、そんなことで苦しんでいる方々が気の毒に思われてきます。

私は政治家でも政治学者でもなく坊さんなので、私の立場で紛争について考えたなら、仏教が世界に広まっていくことだと思います。ちょうど今、私たちの宗派、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の世界仏教婦人大会の模様を動画で見ていたところでした。同大会はカナダのカルガリーで五月に開催されました。その席上、非常に多角的に世界のなかの浄土真宗について論じられています。そのなかでいわゆるインディアン(カナダではファーストネーションという)のクローシュー博士の講演に興味をそそられています。

https://www.youtube.com/watch?v=R0DMXShPCkk

たいへん下手な通訳ですが、要はネイティブの人たちのものの見方と仏教に根底的な共通点がみられるという内容です。その共通点は、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教という世界で支配的な一神教と対極をなす、すべてのいのちは平等、自然の支配者は存在しない、すべての存在が尊い等です。

仏教は平和な教えだから好き、という白人は多いと思います。教えのなかに支配被支配という考え方がないからです。だから、坊さんという立場でも、そうでなく客観的にも仏教が広まることが難民問題を少しでも和らげる力になるといえます。

ところでマザー・テレサだったと思いますが、世界には多く貧困にあえいでいる人がいる。あなたのやっていることは焼け石に水を注いでいるにすぎないではないかと揶揄されたそうです。すると、マザーは、そうかもしれないが私は私の目の前にいるこの人に奉仕するとお答えになったそうです。

追伸 急を要する問題なのに時間のかかる本質論みたいなことを申しました。現状では仏教より、ローマ法王庁ほかキリスト教系の組織の方がより即効性のある取り組みをなさっていると思います。何かすぐしていきたいとお考えなら、ローマ法王庁の日本における出先機関にお問い合わせになっては如何でしょう。

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おきもち

私はお坊さんといっても、ひと様に何か答えらしいものを提示できるような立派な...
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質問者からのお礼

円通寺
邦元さん

了教寺
藤岡俊彦さん

コメントありがとうございます。

確かに日本にも様々な問題があるし、シリアの問題はおっしゃるようにアラビアのロレンスの時代に大国の権益で国分けされ、その後も冷戦の武器実験場になり、もうメチャクチャだったわけです。

座禅でもして冷静に物事を考えれば、今やっていることが間違えているということは誰にでも分かりそうな気がしますが、やはり基礎教育を受けていない人たちもたくさんいるし、そう簡単にはいかないのかなあ?と思ったりもします。

難しい問題ですね。とりあえずシリアに行くわけにもいかないので、募金をして少しで難民の方の生活を支援したいと思います。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ