社会人の『目標』とは何でしょうか
都内で勤務している、社会人5年目の会社員です。
社会人にもなって、このような質問で恥ずかしい限りですが、皆さんは『やりたいこと』を『どのようにして考え』、また、『どのようにして決めた』のでしょうか。
というのも、社会人として日々の生活をする中で、業務でもプライベートでも、目標というのが必要だと強く考えるようになりました(厳密には焦りが近いと思いますが)
とはいえ、周囲が話すような目標(例えば、出世したいとか)は、一切興味がなく、そもそもどのようにして考えるものなのかと悩んでおります。。。
何か経験談等、アドバイスをいただければ幸いです。。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
目標はなくてもいい
最近、夢を持ちなさい。とか目標を持ちなさいとか、当たり前に言われていますが、それがそのようにならなかった時に苦しむのであれば、そんなものはない方がいいとおもいます。
苦しむ原因を作り上げ煩悩をよしとする考えには流されない方がいいと思います。ただ淡々と生きることの中に、安心があるのではないでしょうか。
目の前のことをやってみる
ざわごえもんさん、はじめまして。
徳島県の法話と天井絵の寺、觀音寺 中村太釈です。
佐波左右衛門さんは、やりたいことを、どのように考えて、どのように決めたのかを知りたいのですね。
引き寄せの法則が流行り、目標はとんでもなく大きいもので遠くのものにしてみることが多いようです。その道のりが分からなくなり、どうしたらよいのか迷ってしまいます。
それならば、目の前のことを一生懸命やってみてはどうでしょうか。
たとえば、ざわざえもんさんがなさっている仕事を20分必要であれば、15分で片づけてみる。命じられた仕事に必要だと思われる資料を付けて提案してみる。などなど。
目の前の仕事を、相手が思いもよらないほど、すごい!と思うようなレベルで仕事をしてみることです。これによって、おもしろい!と感じるポイントが見えてきます。それを突き進め、突き抜けていきましょう。そうすると、自然に目標が見えてきます。
「頼まれごとは、試されごと」中村文昭
取り敢えず、で繋ぐ
のも、良いと思います。確かに高くて遠い目標を掲げる方もありますが、「それはボンヤリしていて具体性は低いもの」ということを理解しないといけません。つまり、「色々やってみて、気がついたら一歩近づいてるみたいだ」と、ボンヤリ感じるようなものです。
「焦りに似た感じがする」、この気づきはとても良いと思いますが、これは「物事の優先順位を決めたり、選択の判断となる基準が欲しい」という状態なのかな?と感じます。
なので、「今取り敢えず、自分が大事にしたい価値観って何かな?」と自問自答し、その答えを蓄積していっては如何でしょうか?
古今和歌集の昔から、人間は心の中にあるものに反応して言葉が紡がれると考えてきました。視野に映る沢山のものから、つい注目してしまうのは、心に反応する要素があるからだと。
とすれば、好きな言葉や本、映画のストーリーを、メモにでも書き出し蓄積していくのは良いやり方だと思います。私自身はスマホのメモアプリにダラダラ書いています。これのイイトコロは、「一つに絞らなくて良い」という事です。
しかし(しかも?)、量が溜まると見えてくることがあるのです。書き留めないとドンドン忘れるだけなのに、コレクションすると新たな次元の気づきがあるのです。。自分の「好きな話・好きな考え方」が溜まってくると、いつか目の前に「それに近い状況」が現れます。したら「自分の好きな自分」になるチャンスです。目標を持つどころか、達成ですな。
以上は具体的な方法の一つですが、もっと大枠でお伝えしたい事があります。
アンパンマンのマーチという曲で、「何のために生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ」というのですが、子ども向け番組でありながら、人生の先輩(作者はおじい様)からの教えです。目標云々とは、60,70,80歳になっても、追求すべき問題なのです。そして、年を追って変わっていって良いのだと思います。
「一生の目標」というのを持っている人も、いるかも知れません。しかし私がオススメするのは「取り敢えずの目標」です。かりそめと思いながらやってみる。達成した時には、必ず何かの糧になりますよ。
そうそう、付け足しですが、物語や小説の中には、あなたの求める「目標」の頼りになる人が、きっといると思いますよ。テレビでなく、本です。
周囲から期待されることを目標にしては?
私も、どちらかと言えば自分で強くやりたいことはないほうです。
しいていえば、のび太くんみたいにのんびり休みたいくらいです。
その場合は、周囲から期待されることをやる、家族や職場や地域の人から頼まれたり望まれたことをやる、国の法律で定められたことをやる、というのが目標でよいのでは?
また逆に、やりたい目標ができた場合も、欲・怒り・怠け・プライドなどの煩悩は悩み苦しみの原因なので、自分の煩悩をある程度冷静に自覚しながら生活しないと、目標と煩悩が合体したときに強烈な悩み苦しみになります。
法律で禁止されてるのに、自分は泥棒になるのが目標だ、とかだと、自分の夢よりも周囲の期待(法律破るな)を優先すべきでしょう。