仏壇のない自宅でのご供養について(実親・義親)
昨年、実父が亡くなり、今年に入って夫の母が亡くなりました。
夫婦ともお互いの実家から離れた県に住んでおり、仏壇はそれぞれの実家にあります。
(実父…禅宗、義母…浄土真宗)
年に1回程度しかお互いの実家に行くことができず、お参りもままなりません。
手を合わせたい、という気持ちがありますので、自宅に写真を飾って手を合わせようかと思っておりますが、以下の方法だと仏様に失礼になりますでしょうか?(宗派の違いも含めて)
・実父と義母の写真(ポートレート)を並べて飾る
・おりん一つ
・香炉一つ
・花立一つ
・茶器二つ(実父、義母それぞれ)
注意点や「こうしたほうがいい」というようなこと、やめたほうがよければもちろんそれも含めて、お教えいただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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これで十分である、と思います
基本的には、亡き人を偲び、亡き人の冥福を祈る。このことに尽きると思います。しかし、こうした気持ちを揺るぎないものにするものとして、宗教儀礼というものが有ります。
御質問の内容で、決して失礼では無いと思います。Earthさんは施主としての立場ではありませんから、必ずしも厳密な作法に拘らなくても良いと思います。日々御供養するとしたら、御質問の内容で宜しいかと思います。
参考のために本格的なお供えについて説明させていただきます。
御供養のためのお供えの仕方として、一般には五供(ごくう)という供え方があります。香・華・灯・水・飲食(おんじき)のことを言います。
1、香とは香を焚くことです。抹香を焚いたり、お線香を立てることです。(浄土真宗では、線香を横に寝かせます。)
2、華とは、花を飾ることです。
3、灯とは、灯明すなわち蝋燭を灯すことです。
4、水をお供えします。
5、飲食(おんじき)とは、飲み物と食事のことです。お茶やお菓子を供えたり、御霊膳(ご飯、汁、煮物、和え物もしくはお浸し、漬物)で食事を供えたりすることです。
尚、曹洞宗の場合、あらかじめ灯明・花・菓子を供えておき、更に法要中の儀礼の中で、香・蜜湯(砂糖もしくは蜜をお湯で溶かしたもの)・食事(霊膳)・菓子・お茶を順に供えるのが正式の作法です。
日常はご質問の内容で十分かと思います。御命日には、香・花・菓子・灯・お茶・お水・お霊膳を供えるようにしたら、良いと思います。位牌まで用意しなくても構いませんが、それぞれの戒名もしくは法名を紙に書いて読み上げて手を合わせて礼拝してみましょう。
仏壇と先祖壇の微妙な違い
仏さまの写真か絵か像を、ご先祖のお写真の中心に安置したらもっと引き締まると思います。
仏壇屋さんの定型のものでなくて構いません。ご自分のお気に入りの表情やお姿の仏様の、一般的に売られている絵葉書のようなもので構いませんので、写真か絵か像を中心に置いたらよりよいのではないかと思います。
供養の本来の形は、一つは目の前で毎日托鉢するお坊様に一食をお供えして供養することだったと思います。
もう一つは、仏さまやお坊様を尊敬、礼拝、供養することだったでしょう。
ご先祖様も今は仏道を励んでいるということで、一食をお供えして供養する形になっているのではないかと思います。
そこで、礼拝供養の中心に仏さまがおられるのだと、こちらが心に入れておいたら、もっとよくなるのではないかと思います。
供養の本来の意味は尊敬してお世話することですので、目の前のお坊様なら直接供養できます。
遠くの仏様ならお姿に礼拝するだけでも供養できます。
ご先祖様を供養するのもその延長で考えてよいと思いますが、ただのご先祖様を仏さまのように遠くから礼拝するだけのいわば「エア」供養して、功徳が大きいかどうかが少し心配です。
仏さまを礼拝供養して、その功徳をご先祖様に廻向するほうがよりよいような気がします。
そこで、ご先祖さまだけの先祖壇でなく、仏さまを中心としてご先祖も一緒におられる仏壇の方が、効果がより大きいのではないかと思うのです。
供養や功徳廻向のしくみについては、誓教寺ホームページで冊子「供養ってなに?」を公開していますので、よろしければどうぞご覧ください。