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怒りの感情とは

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最近怒りの感情について考えることが多々あります。

仕事でもプライベートでも怒ってしまうこと、頭にきて態度、言葉に出してしまうことがあるのですが、なぜ人には怒りの感情があるのでしょうか。

お釈迦様はこの世の悲しみ、苦しみの根元は
「思い通りにならないこと」と悟っていますが、怒りの根元も
自分の意思とは違うことが起こるからこそ生まれる感情なのでしょうか。

それに対して全てを受け入れる大らかで広い心が持てるよう
心掛けてはいるのですが、ついつい怒りの感情が湧いてきて
自己嫌悪の陥ることがあります。

そもそも人間には怒りの感情はいるのでしょうか。
穏やかに過ごせと言われるこの現代社会で“怒り”はいるのでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

怒りは自分を守る大切な本能の感情です。

こころさん、こんにちは。

怒りは仏教では煩悩の一つに数えられますが、だからといって不必要なものではありません。
怒りはもともと、動物時代から、弱肉強食の社会の中で、襲う敵に対して自分を守るために、心身を臨戦態勢を整えるためにする大切な感情です。これがないと動物は生き抜くことができなくなります。

だから自分に不都合なもの、あわないことがあると、それは自分の平安を脅かすものですから、怒りが込み上げて、戦おう、排除しようと本能が思うわけです。車のアクセルをいきなり思いっきり踏み込むみたいなものです。

でも本能ですから、複雑な社会になって細かな対応までは想定していません。簡単なスイッチで入るようになっています。その怒りのコントロールをしないと、時速を落としてカーブしなければならない道なのに、車のアクセルをいきなり思いっきり踏み込み、事故になってしまうわけです。

状況に合わせて心をコントロールすることこそが、動物と違う人間社会に与えられた生きる術ということになります。その一つの心をコントロールする方法として生み出されたのが宗教ということになります。

怒りを抑えるにはどうすればよいか。お釈迦様を頂点に多くの先輩のお坊さんたちが修行を実体験して私たちに示してもらっています。怒りがあるからこそ厳しい修行も耐えられるわけです。是非、こころさんも仏教を勉強して、怒り感情の正しい使い方を学んで、自分の心をコントロールする力をつけてください。応援します。合掌

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怒っている仏さまもいる

こころさん、はじめまして。質問を拝読しました。

こころさんは、仕事でもプライベートでも怒りの感情がでて態度や声に出たてしまうことが気になるのですね。こころさんは、全てを受け入れ大らかな心でいたいと思っても、うまくいかないのですね。

怒りは必ずしも悪いものではありません。

不動明王という仏さまがいます。どのような姿をしているかは、Googleの画像検索で「不動明王」と入れてみてください。

不動明王は、どこからどう見ても怒っています。不動明王は背中に炎を背負い、手に剣と縄を持ち、今にもあなたに襲いかかって来そうです。

なぜ不動明王は怒っているのでしょうか。

不動明王は正しい道に行かない者を、剣で脅し縄で縛り上げても正しい道に導こうとしています。

つまり、慈悲の怒りなのです。

破壊的な怒りは何も生み出しません。しかし、慈悲の怒りは愛を生み出すのです。

こころさんも、慈悲の怒りを持てるよう心がけてほしいものです。

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徳島県の高野山真言宗寺院で住職をしています。 本山布教師心得として自坊の...
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質問者からのお礼

ありがとうございます。

これからは破壊的な怒りではなく、慈悲の怒りを持てるよう心に余裕をもって接していきたいと思います。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ