お坊さんの家族は必ず同じ宗教を信仰してますか?
私の知人が浄土真宗のお寺に嫁ぎました。
実家はサラリーマン家庭で、真言宗の檀家さんだそうです。
彼女自身は特に宗教に興味も抵抗もなく、実家にいた時はお仏壇にも神棚にも手を合わせることが特に宗教行為という認識を持たずに「祖父母がそのようにしているから自分もしていた。」程度だと言っていました。
彼女は嫁ぎ先のお坊さんの勧めで僧侶の資格も一応取ったと言っていましたが、
未だに信仰心も湧かないし、苦労していると言っています。
特に苦労するのが年中行事だそうで、初詣やクリスマス、七五三、地域のお祭りで神輿を担ぐこと、など自分が子供の頃楽しみにしていたイベントは殆ど全てが仏教的に(もしくは浄土真宗的に)NGだったり、必要ないとご主人が言っておられるそうです。
彼女にはお子さんもいますが上記の理由で自分の子にそのようなイベントをしてあげられないということに対しても、とても落ち込んでいます。
そこでお坊さんにいくつか質問です。
1、お坊さんの奥さんは嫁ぎ先のお寺の宗教を信仰してますか?(するべきですか?)
2、お坊さんの家族は嫁ぎ先のお寺の宗教以外の宗教行事を控えてますか?(控えるべきですか?)
3、宗教に対して興味を持っていない奥さんや家族に対して、お坊さんはどのようにご自身の宗教を伝えてますか?(伝えない、伝えているけど受け入れてもらえない、伝えたくない等、色々あるかと思います。)
ぜひ教えてください!
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
曹洞宗の禅僧で、妻が浄土真宗の家の出身です。
1.信仰という言葉は好きではありませんが、感覚は共有できています。これを説明すると長くなるので、もし興味が湧くようでしたらリンクの私の回答をご覧ください。
https://hasunoha.jp/questions/4497
信仰という言葉を使うと現代の日本人にはこういうのが全部吹っ飛んでしまうんですよね。だから嫌いなんです。妻は文学部の出身で出会う前からこういう感覚があり、話が合いました。
ところで道元禅師は「若いうちは信心のあるなしに関わらず、しっかり勉強しなさい」とおっしゃっています。これはお坊さんでもお寺の奥さんでも一緒だと思っています。若いうちはたとえ嫌々でも努力できているうちは、それで健全なんです。
そこでどう悩み、どうお寺の奥さんとして成長したか…その経験が将来、檀信徒さんに寄り添うための財産になります。
ただ、お坊さんが結婚する以上、ただの恋愛で終わってはダメだと思っています。お爺さんお婆さんになっても全く仏教に共感してもらえないような関係にはなりたくないです。
2.普通にやりますよ。宗派としてN.G.なのは浄土真宗さんだけです。しかも浄土真宗さんの中にもO.K.派とN.G.派があります。「神祇不拝」でググってみましょう。
そもそも他宗派ではお寺の中に神道の社があります。鎮守社と神宮寺と歴史の授業で習ったはずです。(明治時代の神仏分離等の事情で残っていないお寺も多いです。)うちのお寺では毎年秋に神職さんをお招きしてお祭りをします。
私は禅僧ですが、東南アジアで上座部仏教の短期出家しましたし、兄弟はミッション系高校の出身です。クリスマスはしますが、初詣は忙しいのでお寺にカンヅメです。むしろウチのお寺で年始の読経です。お檀家さんにも色んな宗派のお寺をお参りをして見聞を広めた方が善いとお勧めしています。
3.妻とは世間話やテレビ見ながら話の流れで話します。うちの奥さんは幸いそれなりに関心があり、また昔からの友人にも「寺や仏教のことは大慈嫁に聞けばいいね!」というノリになっているので、女子会の後に「ここのとこどう話せばいい?」と聞かれたりもします。
納得できない部分は仕事に差し支えない限り無理強いしません。仏道は成果主義ではありませんので、全部吸収できた!という成績が目指す所ではありませんし。
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一応信仰していますが、心からというわけではないかもしれません。人それぞれ機根(生まれ持ったもの、今までの状況、タイミング)というものがあり、やはり何かきっかけが必要なのだと思います。
私自身もお寺に生まれたから信仰している、という訳ではなく、あるきっかけがあったから信仰しているのです。
お釈迦様は夫婦が同じ信仰すると来世も一緒にいられると言われたので、同じ信仰が理想ですが、今は個人の時代ですから、必ずしも同じでなければならないとは思いません。人それぞれだと思います。
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浄土宗の私の所では年中行事はどれも行って構いません。阿弥陀仏の信仰の妨げにはなりませんからね。法然上人も、神社で神様に願うことと、お寺で阿弥陀仏に願うことは、干渉しないので、両方願っていいと言われています。
昔、子供が小さい時は、クリスマスツリーも飾っていましたよ。
ただし、浄土真宗では少し違うかもしれないですね。
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やはり、法事の時に話をするようにしています。まだあまり話せていませんが。
また、以前ドライブ中に妻に仏教について話をしたこともあります。
妻は元々は他宗派なので、無理に阿弥陀仏の信仰をさせようとは思いません。全ては阿弥陀仏にお任せするのみです。
ただ、せっかくの縁なので、仏教について、阿弥陀仏の信仰について、知って欲しいことは法事や行事を通して伝えられたらと思います。
まだまだ伝えきれていませんが。
子供に対しても同じですね。
娘は将来嫁いだら別の宗派になるかもしれません。
それでも、子供の時に念仏を唱えていたら、将来宗派が変わっても、阿弥陀仏はちゃんと仏様になるまで見守ってくれるのです。
そのように無量寿経に書いていますからね。
ですから、法事のときに一緒に念仏を唱えるようにしています。
私としては、無理強いではなく、阿弥陀仏にお任せする気持ちでいいと思いますよ。
合掌
南無阿弥陀仏