お葬式で読むお経が何なのか知りたいです。
ご質問させて頂きますハルソラと申します。
先日、祖母のお葬式がありまして、お坊さんが何のお経を読むのか興味深く聴いておりました。
私はお寺に参拝すると過去に四国遍路をした慣習で読経します。
(開経偈、懺悔文、三帰、般若心経、観音経、ご真言など)
しかしお葬式のお坊さんの読経の半分くらいは聞いたことが無くあまり分かりませんでした。
お坊さんが唱えていたお経の名称が知りたいです。またお葬式用の経典を一般の人が手に入れる事は出来ますか?
ちなみに今回のお葬式は曹洞宗でしたが、親戚には臨済宗と真言宗の方もいるので、どれか一つに関する事で構いませんのでご回答頂けると有り難いです。
よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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真言宗の僧侶が唱えるお経は「理趣経」
真言宗で中心的に読誦されるのは、「理趣経」というお経です。
真言宗の説く「煩悩即菩提」を説いたお経ですが、解釈を間違えると危険な勘違いを生じるため、弘法大師がその読誦を厳しく制限していたといいます。
そのなかでも、エッセンスを説いた五言絶句の「百字偈」は、般若心経よりも短く、かつ真言密教の中核を説いたものとしてよく読誦されています。
菩薩勝慧者 乃至盡生死 恒作衆生利 而不趣涅槃
般若及方便 智度悉加持 諸法及諸有 一切皆清浄
欲等調世間 令得浄除故 有頂及悪趣 調伏盡諸有
如蓮體本染 不為垢所染 諸欲性亦然 不染利群生
大欲得清浄 大安楽富饒 三界得自在 能作堅固利
菩薩は勝れし知慧を持ち、なべて生死の尽きるまで
恒に 衆生の利をはかり、たえて涅槃に趣かず。
世にあるもの[=方便]も、その性[=般若]も、智慧の及ばぬものはなし
もののすがた[=有]も、そのもの[=法]も、一切のものは皆清浄し。
欲が世間をととのえて、よく浄らかになすゆえに、
有頂天 もまた悪も、みなことごとくうちなびく。
蓮は 泥に咲きいでて、花は垢に 染されず。
すべての欲もまたおなじ。そのままにして人を利す。
大なる欲は清浄なり、大なる楽に富み饒う。
三界の 自由身につきて、固くゆるがぬ利を得たり
(訳:金岡秀友先生「理趣経」より)
お祖母さまのご逝去にお悔やみを申し上げます。
曹洞宗の者です。
曹洞宗の葬儀は、お亡くなりになった方をお釈迦様のお弟子様にする儀式です。
懺悔文(さんげもん 身と心を清めるお唱え)
我昔所造諸悪業
皆由無始貪瞋癡
従身口意之所生
一切我今皆懺悔
(私が昔から作った罪のかずかずは、皆むさぼりの心と怒りの心とあさましいぐちの心によるものです。いまここに一切を懺悔します。)
三帰依文(み仏になられるお唱え)
南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧
帰依仏無上尊、帰依法離塵尊、帰依僧和合尊
帰依仏竟、帰依法竟、帰依僧竟
(尊いお釈迦様、情あふれるその教え、勝れる友としての僧、これを三宝 という。これらの仏法僧の三宝を深く敬います)
戒律を授けます
三聚浄戒
第一摂律儀戒
すべての悪いことはいたしません
第二摂善法戒
すべての善いことを行います
第三摂衆生戒
すべて世のため人のためになることをいたします
十重禁戒
第一不殺生戒
生きとし生けるものの生命を大切にしなければならない
第二不偸盗戒
盗みや不正を犯してはならない
第三不貪婬戒
夫婦の道を乱してはならない
第四不妄語戒
うそいつわりを言ってはならない
第五不酤酒戒
迷の酒や思想におぼれてはいけない
第六不説過戒
他人の過ちを言いふらしてはならない
第七不自讃毀侘戒
己の自慢他人の悪口を言ってはならない
第八不慳法財戒
物でも心でも与えることを惜しんではならない
第九不瞋恚戒
激しい怒りで自分を失ってはならない
第十不謗三宝戒
仏陀の教えを疑ってはならない
この後、引導法語が読まれます。
以上が仏弟子となる儀式です。
式中に
・大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼
・十仏名
を読みます。
焼香で
・妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈
・妙法蓮華経如来寿量品偈
・修証義
などが読まれます。
お葬式をされたご住職に話を聞くのも良いですね。
質問者からのお礼
光輝さま、恵成さまご回答読ませて頂きました。
いずれも読んですぐに理解できるものでは無いので、徐々にじっくり調べながら学んでいきます。
お二方のご回答、大変参考になりました。
ありがとうございます!