苦労したからこそ人に優しくなれる人と厳しくなる人
こんにちは。
お坊さんのご意見を聞きたく質問いたします。
苦労された方の中で、人に優しくなれる人と厳しくなってしまう人がいますが、どのような心境の違いがあるのでしょうか?
苦労された内容、本人の受け入れ方、本人の元々の気質などによるのでしょうか?
私のまわりにいる方で、
人の痛みがわかり優しさがある、心に寄り添う温かさが伝わってくる人と、
人に厳しく正論ばかりで、思いやりに欠けているような冷たさや堅さを感じる人がいます。
人知れず泣いたり、歯を食いしばって努力してこられた方々だと思いますから、どちらも優しさ、厳しさは持ち合わせているのではと思いますが、
私としては、後者のような方といると窮屈でストレスを感じ、自分を出せず心が穏やかでない気分になってしまします。
苦労したからこそ人に優しくなれる人と厳しくなる人
何がこの違いを生むのかお坊さんの見解を是非知りたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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本質を見抜く
苦労した先に、力を抜いてもいいと気づき余裕を持てる人と、
苦労した先に、さらに力を入れ続け、余裕がないほどにみづからを追い詰めている人の違いです。
物事の本質を見抜いている人は無駄なことに力を注ぎません。世の中の常識や周りの目を気にして生きている人は、真実より世間体ですから、幸せな生きかたができていないのでしょう。真実、本質を見抜く力がある人は、余裕がありますから、優しいひとになれますよね。
性格の違い
欲・怒り・怠け・プライドなどの煩悩は誰にでもありますが、それぞれの煩悩の強さ・バランスには個人差があるでしょう。
つまり、性格は人それぞれ。
どこかで聞いた話ですが、
貧乏な幼少期から苦労してお金を手に入れた人には、貧乏な他人に対して「俺も苦労してここまできたんだ。お前らも同じように頑張れ」と考える人がいるようです。
「自分は頑張ってここまで出世した」というプライドが、関係するかもしれません。
「人に厳しい」というよりは、自分の成功を自慢げに見せびらかしたいから、まだ成功していない若者をけなすのでしょう。
もしかしたら、「苦労して成功した」ということ以外に自慢できるものがない人達なのかもしれません。
意外と、幼少時代からお金持ちだった人の方が、貧乏な他人を見たときに、素直に「助けてあげたい」と思うのかもしれませんね。
しかしそれも、結局は個人差があるでしょう。
ただ、努力の大切さを若者に教えるのも年長者の役割なので、厳しいことが悪いことだとも限りませんね。
質問者からのお礼
円通寺 邦元様
気づき、そして余裕をもつ、幸せな生き方をする方法の一つでとても大切なことだと思いました。
私もそのような気づきを得られる人になれるよう日々頑張りたいと思います。
大変貴重なご意見ありがとうございました。
願誉浄史 様
これも煩悩の一つなのですね。プライドが関係しているのは、厳しい知り合いの方を見ていて感じます。
しかし苦労された方の指摘というのは的を得ていることが多いので、学びとして受け入れていきたいです。
ためになるご意見ありがとうございました。