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故人の信仰していた宗派ではない葬式

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お世話になります。

先日、叔母が他界し、先祖代々曹洞宗の檀家でした。

しかし、叔母の喪主の長男が、本人の金銭的な理由により、依頼した葬儀社から真言宗の僧侶が派遣され、葬儀を執り行いました。戒名も真言宗の形式になってしまいました。

菩提寺とお墓が遠方のため、49日法要も真言宗の形式で執り行う予定です。

納骨の際、菩提寺にはどのような手続きを進めていけばよろしいのでしょうか。

よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

遠方にある墓地が寺院墓地なら、納骨拒否の可能性も。

 日本に仏教が伝来し、多くの豪族が帰依するようになりました。其の豪族とその一族の安寧と繁栄を祈願し、先祖を鎮魂慰撫するために、氏族のための寺―氏寺―が建立されました。すでに創建されている寺院に一族揃って帰依し,其の寺を一族の氏寺とする場合もあります。平安時代までは氏寺と呼ばれていましたが、中世から近世にかけて、菩提寺と呼ばれることが多くなりました。

  菩提とは本来仏教の悟りの境地のことを言います。悟りを意味する菩提が、或る時期から違った意味で用いられるようになりました。菩提と涅槃は共に悟りの境地を示す言葉ですが、お釈迦様の御命日を涅槃会と言うように「死」あるいは「死者」を意味する言葉として涅槃が用いられるようになり、その延長線上で菩提も「死んでいる状態」もしくは「死者」を示す言葉になったようです。そして、「菩提を弔う」と言って「故人の冥福を祈る」という意味で用いられています。

平安時代までは仏式での葬儀は、天皇家や特定の豪族の場合しか行われておりませんでした。鎌倉時代以降、武士層や民衆の場合でも仏式の葬儀が行われるようになり、武士や民衆もそれぞれ自分の帰依する宗派宗旨の寺を自分の菩提寺とし、葬儀や年忌を菩提寺で勤めるようになりました。御先祖が其の宗派に帰依して菩提寺を決め、子孫の方々が代々受け継いてきました。それを菩提寺に相談することなく、葬儀社と相談して違う宗派の寺に葬儀を依頼するとは誠に情けない話です。遺族も葬儀社も頼まれた寺も、ルールを逸脱しています。いろいろ事情があるようですが、「緊急のことで連絡ミスがあった。」等言い訳して、穏便に話し合いましょう。

 遠方にある墓地が寺院墓地である場合、納骨を拒否される可能性があります。以下は、私の寺の墓地の墓地管理規則ですが、菩提寺の墓地管理規則もほぼ同じだと思います。

 (違反行為による使用の取り消し)
第六条 墓地使用者が、左の各号の一に該当するときは、管理者はなんらの催告を要せず墓地使用者に対し、その使用許可を取り消すことができる。
㈠ 曹洞宗の法要儀式および慣行を無視し、または妨げたとき。
㈡ 境内または墓地内で他宗教、他宗派の典礼、法要、儀式その他の宗教行為を行ったとき。

他宗の寺院に葬儀を依頼したことは、墓地管理規則に違反する行為であり、菩提寺さんから墓地の使用許可を取消される行為なのです。

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菩提寺のご住職のお考え次第です

菩提寺のご住職がどんな方かによります。厳格な人、またはカネにうるさい人でしたら、ある意味、勝手なことをなさった叔母さんの家の方にお怒りになり、お付き合いをなさらなくなるかもしれません。ある種、当然のことともいえますね。

あまりこだわらない、まぁ、いいじゃないか、という鷹揚な方でしたら、あまり気にせずお付き合いいただけるものと思います。こういう方だといいのですが。

もし、不安でしたら、本家の方だとか、総代さんなどの方にとりなしていただくのもよいかもしれません。

いずれにせよ、お寺の方からすると心地よい話ではありませんから、その点、十分に配慮してください。

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質問者からのお礼

ご教示いただきまして、感謝申し上げます。

当方、菩提寺の住職が、残念ながら金に異常にうるさいという、札付きの評判ですので、慎重に進めて参りたいと思います。

ありがとうございました。

お忙しい中ご回答御礼申し上げます。

当方、曹洞宗の檀家でございますので、具体的な教義、詳細な説明、大変ありがたく存じます。

なぜ、喪主が他宗派で執り行ってしまったのか、叔母が死去した際、連絡を受け、こちらからも、猛抗議し、金銭的な面であれば協力するとも言いましたが、全く聴く耳を持ってもらえず、結果的に告別式等参加せず、最期火葬のみ参加となりました。

故人も強い信仰心があり、私は理解しておりましたので、この様な展開に、未だに困惑しております。

また墓地管理規則があること自体、喪主本人は知らないと思います。

早急に話し合い、解決を待つばかりです。

ありがとうございました。

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