現代の日本だけでお坊さんは25万人だか35万人います。仏教徒という範囲なら9000万人くらいいます。それだけいれば女性差別者もいればフェミニスト、中庸な人…本当にいろんな人がいます。
それが2500年間、インドから中近東に振れて、シルクロードを通って中国、日本まで。あるいは東南アジアの方まで仏教徒がひしめいているわけですから、ぶっちゃけ色んな色んな色んな、ホンッッッッットに色んな人がいて、色んな時代や地域がありました。

その中で、「仏教は絶対に差別なんかしない！！！」なんて言う人がいれば、「あなた夢見過ぎです。」と言わざるを得ません。逆に、「仏教徒っちゅうのは、どいつもこいつも差別論者だ！！！」なんて言う人がいれば、「あなた偏向報道し過ぎで嘘つきになっています。」と言わざるを得ません。両極端はどちらも盲目的です。差別の歴史もあれば、反差別の歴史もあります。当たり前です。人間が宗教をやっているのですから。

じゃあ、お釈迦さまはどうか？『発句経』にこのような教えがあります。
「もしも施主に汚れがあるとすれば、それは物惜しみの心を起こした時です。もしも女性に汚れがあるとすれば、それは不倫の心を起こした時です。」

男女問わず、お布施をする人自身に清らかとか汚れというものがあるわけではありません。お布施に臨んで、思いやりの心を起こせば清らかな行動になるし、嫌味の１つも言って物惜みの心を起こせば汚れた行動になります。
女性も同じです。お釈迦さまは女性という生まれによって、汚れているとはおっしゃっていません。逆に女性の方が男性よりも清らかだともおっしゃっていません。誠実なことをすれば清らかな行動だし、不倫なことをすれば汚れた行動だとおっしゃっています。そして『自分自身の行動によって、自分自身が決まってくる』と一貫してお説きになっています。

あるいは道元禅師は「仏心を起こせば七歳の子供であっても、女性であっても、人々を仏道に導く師です」とおっしゃっています。よくある年齢マウンティングや性差別にNO!です。

世の中には善も悪もあります。そんな中で、栄養豊富なものをチョイスし、腐ったものはハジくのは自己責任と言わざるを得ません。
「仏教ではー」とレッテルで理解するのではなく、目の前の人が発する情報が、そして自分の摂取の仕方が、栄養になるか毒になるか、しっかり見極めましょう。

大慈

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家（捨戒済み）。仮面系お坊さんYouT...

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