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子供の産めない女性

回答数回答 7
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はじめまして。
私は30歳で結婚しましたが、なかなか授かれず。悩んだ末、受診しましたら婦人科系の疾患が見つかり、即手術となりました。そのため妊娠しづらい身体になりました。
その後、不妊治療も受けましたが、授かれず。精神的にも、経済的にも限界を感じ。3年で治療を諦めました。
もう40歳になり、子供を産む可能性もほとんどなくなりました。
ですが、いまだに納得がいかないというか、諦めきれません。
子供を産めた人と、私はどう違うんだろう?子供を持ってはいけない人間なんだろうか、と思います。
ネットなどを見ると、子供を産めない女性には価値がない、生きている資格がないと書いてあることが多々あります。
若いうちに産まなかった自己責任だとも。
ですが、高齢出産と言われる前に結婚したにも関わらず、私は授かれませんでした。
いろんな事情があるのに、なぜ、そんなことを言われるんでしょう。
悲しいです。

最近、自分の人生になんの意味も見出だせず、自殺も考えるようになりました。


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お坊さんからの回答 7件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

本当にお辛いですよね。

 子ども・赤ちゃんの誕生を表す言葉が変わりつつあります。昔は、「子どもに恵まれる」「子どもを授かる」という表現でした。しかし今では、「子どもができる」「子どもを作る」という言い方をよく聞きます。誕生という事実に変わりはありませんが、子どものいのちに対する見方に、今と昔では大きな違いがあります。子どもは「できたのか」、「作ったのか」、「授かったのか」、はたまた「やってきたのか」。

 科学技術が発達した現代では、頑張れば子どもは得られるものだと思われるようになりました。そして、周りからの「子ども作らないの?」という問いに、どうしても授からない夫婦が自責の念に苦しむようになりました。私には子どもが居りますが、もし授からなかったら、正山寺さまのように養子縁組里親に登録していたと思います。

 ちなみに知り合いのお寺さんの例ですが、第1子が女児だったのですが、すぐさま檀家さんに「次は男の子だね」と言われ、相当ショックだったと仰ってました。どのような状況でも悪く言ってくる輩はいるものです。

 そういう外野の騒音を聞き流すのは難しいかも知れませんが、何かをしたから・・・何かをしなかったから・・・ということで自分自身の価値が変わることはありません。無条件で尊いのが我らのいのちです。

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和田隆恩
 浄土真宗(大谷派)/広島県広島市/17世住職。  1967年京都市生ま...
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耳を貸す価値の無い意見です

そらさま
なごみ庵の浦上哲也と申します。

以前にも不妊に悩む方からのご相談がありました(下にリンク先を記しておきますので、後でご覧下さい)。

子どもを産むのは、女性にしか出来ないことです。男がどんなに工夫してみても出来ないことです。ですから子どもを産むことは、女性だけに与えられた特別な能力だと思います。

だからといって、それだけが女性の能力ではないと思います。子どもを持って、活躍している女性もいます。子どもを持たず、活躍している女性もいます。

ネット上で自分の名前を出さずに人を批判するような卑怯な意見に、耳など貸す必要は有りません。もし面と向かって言ってくるような者がいれば「じゃあ、マザー・テレサは価値がない人なんですね」と言い返して差し上げましょう。

私たち夫婦も、子どもに縁がありませんでした。
でもその分、多くの人たちにとっての「かけがえのない人」なりたいと念じています。
また、先にお答えになった正山寺さんのことも存じており、そのような選択もあるのだとお伝えしたいと思っていました。

焦らず、慌てず、そらさんの人生の意味を探し求めて参りましょう。
ささやかですが、応援をしております。

参考
http://hasunoha.jp/questions/57

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浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
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されど そこに授かりがあることに気づいてください

人間の悩みというものは、ある特徴がります。
そのことに過度に執着している状態。
一つの事にずっと拘泥している状態。
その思い通りにならないことを、思い通りにしたい、と思い続ける矛盾状態。
望んでも得られない。だから苦しいのです。
苦しみだけを取り除きたいと願うならば、自らの心を得られないことに向けないようにするほかはありません。
自責、後悔、憂い、喪失感、罪悪感…何も生み出しません。
ですが、その心のくすぶりはいつの日か誰かを救う力になります。
同じ苦しみを持っておられる方を勇気づけ、生きる方向性を他に向けるための力を与えてくれるはずです。
最近、子育てを終えられ、やっと夫婦でゆっくり過ごされておられる方とお話しいたしました。結婚をしないと決めている方ともお話しいたしました。旦那さんに先立たれた方ともお話しいたしました。孫ができたが合わせてもらえない方ともお話ししました。孫ができたけど、来られるたびに苦労する、という方ともお話しいたしました。
そこで私が感じたことは、どんなことも授かりである、という視点を持つべきであるということです。あなたの今置かれている状況も授かり、とは感じられないでしょうが、私からそう思うように頼まれ、という事で授かりなのだと思って観てください。一センチでも心を他の方向へ角度がずれれば、あなたは新しい価値を見いだせることであると思います。
私も沢山の不運、不幸がありました。どれ一つとして授かりでないものはありません。

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色々な人生があります。

そらさん、はじめまして。
実は私も同じ様な境遇を経験しており、お気持ちお察しします。
私の場合、29歳で結婚し、中々子供を授からず、不妊治療を開始するものの妻に多大な負担を掛け、これ以上は精神・年齢的に無理という状況で、子供のことは忘れて数年を過ごすうちに、40歳を超えていました。
その間、世間の風説や子供のいる家庭を見ては、やりきれない気持がある中、子供のいない人生も悪くないと思えるようにもなってきました。例えば、夫婦水入らずで色々と旅行ややりたいことができます。

このご時世、晩婚化も進み、子供のいない夫婦も多々見かける様になってきました。ネットなどでの風説に左右されず、自分の人生なのですから、今この時を生きていることに感謝し、今できることを精一杯行うことが大切なのではないでしょうか。
どんな人であれ、生きている資格がないはずはありません。先祖から続く親から授かった大切な命を粗末にされないように。

そして、もう一つお伝えしたいことがあります。

私は現在副住職で、いずれ寺を授かる身です。両親や檀家さんから見えないプレッシャーを感じる中、40歳を超えた辺りで、心境に変化がありました。
里親として、子供を迎え入れ、育てる選択もありではないかと。里親制度というのは、あくまで親のいない子供が幸せになるための制度です。
将来の跡継ぎにというのはこちらの都合、子供の幸せを第一にという主旨から外れてしまうことにも迷いはありました。
しかし、跡継ぎにということを抜きにして、子供の幸せを第一に、子供を愛し育て、子供のいる人生を歩んで行きたいという純粋な気持が妻共々強まり、国の里親制度の養子縁組里親に登録しました。

そして、昨年、1歳の子を迎え入れることになり、かれこれ7ヶ月が過ぎようとしています。

そらさんが、もしどうしても子供のいる生活を諦め切れないというのであれば、こういう選択肢もあるということをお知らせしておきます。

ps.今話題になっているドラマ「明日、ママがいない」で、児童相談所や児童養護施設が、好奇な目で見られかねない内容に戸惑いを隠せません。実際に児童相談所や乳児院を見てきた私から見ても、度を超えていると言わざるを得ません。事実、担当してくれたスタッフの方々は、皆優しく、普通の親以上に子供達のことを考え、子供の幸せを第一に働かれている方々ばかりでしたので。

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ワシから言おう「気にするな。」と

 そらさん。子の悩みは、国の政策と絡んで非常にデリケートは問題になっています。国は産め産めと言うばかりで、そのような障害を持った夫婦の気持ちなど考えもしない。それがネットで誹謗中傷の対象にされるのは非常に許せません。
 あなたの文章から夫や親が出てきませんが、皆さんは無関心なのか腫れ物に触れないようにしているのか、文句ばかり言われているのかわかりません。ワシは実は子供が出来なくて周囲の人たちに困っていました。他人はすぐに「不妊治療に行け。」と言いますが、仕事をしなくてはならないのにどう時間を割けばいいのでしょうか。他人はうるさいもんです。このようなときにどこのセリフをとったのか自分にとって檀信徒や生徒が子供とかいろんなことを言って妥協させる人も居ますが、割りきれるものではありませんでした。でもそんなことは時間が経てば触れなくなるので、自分のスキルやコミュニティーを上げるために時間を費やしてみてはいかかでしょうか?私たち夫婦はそうしてます。
 でも、やはり私の意見は気休めですね。子を本当に授かりたいなら、体外受精や里親制度もありますので、使える制度は使うべきです。ただ、子供うんぬんであなたの価値が決まるわけではありませんので、自分が充実した人生を歩むようにしましょう。

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お辛いでしょう

人はそれぞれ。結婚=出産?こんなことはありませんよ。結婚しても、お子さんのいない方はたくさんおります。また結婚しない方もたくさんいます。最近は医療の発達で、様々な治療があるみたいですが。私個人的には反対です。今回の東日本大震災でも思い知らされましたが、私たちはこの地球に、そして自然にそして、御仏(みほとけ)に、生かされているのだと。
この居ない親は居るけれど、親の居ない子は居ない。ふと、先輩の言葉を思い出しました。
人は人 自分は自分 他人の言葉を気にするな というのは無理かもしれませんが、気にすることは無いですし、逆に自分はそのような心ない発言は気をつけようと、思われては如何ですか?
私の親友に、産婦人科の先生がおりますが
出生率は下がっているのに、障害を持った子供は毎年増えています。完全な反比例。
私は個人的な見解ですが、医療の発達が原因では?と答えました。
すべて自然の成り行き 御仏のお示しになられた道だと感得しております。
秋山現信 合掌

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3月11日の突然起こった東日本大震災。私の住む茨城県水戸市も大きな被害を受...
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全ての衆生をわが子として

そら様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

なかなかお子様が授かれない中、手術もなされて、不妊治療の努力をなさられても難しく、色々な事情も知らないのに、心無い、配慮のない内容をネットにて散見なされての憤慨・・当然でございます。言われる筋合いはございませんし、全く気にすることもありません。

野田聖子衆議院議員が、2011年に50歳にて卵子提供・体外受精にて真輝君をご出産されたことは何度かドキュメントでも放映されており、ご存知であるかと存じます。

しかし、産まれながらにして重度の病気をいくつも抱え、出産直後から繰り返し何度も手術、九ヶ月の時の脳梗塞にて右半身に麻痺が残り、更には自発呼吸もままならず、気管切開して人工呼吸器を装着しての闘病を余儀なくされて、長い入院生活をされていましたが、現在、野田聖子さんのブログを見ますと退院して元気な姿を拝見することができ、少し安堵致しております。

http://ameblo.jp/seiko-noda/

正直に申しますと、「そこまでして本当に・・」、「あまりにも可哀想過ぎる・・」といたたまれなさを感じたところもございました・・

多いに賛否両論ございますが、真輝君の無邪気な笑顔を見ますと、自分の子どもではなくても、あぁ、産まれて来てくれてありがとうという気持ちになります。どうか何とか元気に育ってほしいと、「いのち」の有り難さを改めて思う次第でございます。

このことは、映画「うまれる」で出演されておられた18トリソミーの虎ちゃんにも思います。どうか元気であってほしいと。

http://umareru.jp/blog/18/

もちろん、真輝君にしろ、虎ちゃんしろ、障がいがあるから云々ではなくて、自分の子どもでなくても、全ての子ども、いや、全ての衆生に対して同じような慈しみの思いを向けれるようにと諭されるのが御仏、仏教の教えでございます。

誠に難しいことではございますが、まさに全ての衆生を、わが子(もしくは、かつての母たち)であるとして慈しみを向けることができますように、共にこれから仏教の学びをお進め賜れましたらと存じております。

もちろん、実際に実の子は産めなくとも子どもを授かる可能性・望みもございます。どうか自殺まで深刻にお考えなされませぬように切にお願いを申し上げます。

川口英俊 合掌

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Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ