鬱病でも更年期障害でもないのです
先日ここで被害妄想が強過ぎる悩みについてお二方から回答をいただきましたが、考えてみるとやはり納得が行かないので再度お尋ねします。
お一人は、被害妄想故の自分の発言が人間関係を悪くするので三度考えてからものを言うようにという助言でした。しかし私は感情に駆られて発作的に発言するタイプではありませんし、その前の要因である被害妄想に対しての直接的なお答ではないという2点で適切ではないと思います。
もう一方は、被害妄想が私の年齢に起因するという推測をされましたが、更年期障害だとでも仰るのでしょうか。或いは加齢に起因する鬱か統合失調症を疑っておられるのでしょうか。かつて自分もそれを疑い心療内科に通っていたこともあり複数の専門医にも診断いただいた結果精神障害ではありません。
仏教に携わる方として、人格や年齢や疾患を疑うのではなく、被害妄想に乱されぬ正しい心のあり方についてご助言をよろしくお願い申し上げます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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ブライドと怒りに注意
欲・怒り・怠け・プライドなどの煩悩は悩み苦しみストレスの原因になります。
だから、煩悩はないほうが善いのですが、悟っていない私達には残念ながら煩悩があります。
ただし、自分の煩悩に気づくことで、煩悩が悪さするのをある程度防げるでしょう。
被害妄想の前提には、「被害を受けたくない」という気持ちがあります。その裏には、プライドと怒りの煩悩があるのでしょう。
誰に何と思われようが、どんな損害を受けようが平気だと思える心の余裕があれば、被害を心配する必要がないから、被害妄想も不要になるはず。
なので、被害妄想がでたら、「プライドの煩悩だ」「怒りの煩悩だ」「煩悩は悩み苦しみの原因だから悪だ」と心の中で確認しましょう。
脳内の働きに想いをめぐらして
「三度考えてから」の答えをさせていただいた者です。
言葉が足らず、不快な思いをさせてしまいました。申し訳ありません。
専門医の診断も受けてあるとのことで、その疑いはないという事ですので、もう一回答えるチャンスをください。
人間って、脳に映像や音声が入ってきたとき、脳内で、今までの経験などに基づきいろいろ考えて、「これはこういうことなんだ」って結論を出していると思うんですよね。
じむさんの場合、たぶん、この時、脳が出した「これはこういう事なんだ」という結論が被害妄想的になることが多いという事だと思います。
そこで、すみません。またです。「三度考えて」の登場です。「脳内で今までの経験などに基づきいろいろ考えて」の所を、(もちろん今までも頑張って考えてきたとは思いますが)、さらにもう少し様々な視点から「三度考えて」みるのです。「親切な気持での言葉だったとしたら」「親切でしてくれた行動だとしたら」と息を大きく吸って吐いてゆっくり想像してみるのです。
だいたい世の中、ほとんどの人は「他人に対し優しくありたい。仲良くやりたい」と考えて生きています。それは人間の本能です。「意地悪な事をして、相手に不愉快な気持ちにしてやろう」なんて考えている人は皆無でしょう。
周囲の人の思いやりを感じ、感謝の気持ちでいられると良いですね。
私の以前の答えで気分を害されたこと、本当にすみませんでした。
「莫妄想」
じむ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「莫妄想」(まくもうそう)・・妄想すること莫れ。
中国・唐代の禅家、汾州無業禅師のお言葉でございます。
しかし、私たち凡夫は「妄想するな」と言われても、なかなかそうはいかない難しさがございます。
原因は、煩悩・無明(根本的な無知)にあるのですが、問題は、やはり、おっしゃられておられますように、「妄想に乱されぬ正しい心のあり方」をどう調えるべきであるのか、ということになります。
煩悩・無明を対治するためには、とにかく、無知を晴らすための「智慧」が必要になります。
「智慧」とは、簡単に申しますと「空」を理解する賢さのことになります。
実は、私たちは、般若心経の中に出て参りますように、「顛倒夢想」の中、つまり、「妄想」の中に常にあるといっても過言ではありません。
その「顛倒夢想」のあり方をしっかりと直すためには、モノ・コトの真理を見極める力が必要でございます。
そのモノ・コトの真理とは、モノ・コトの「空」と、そして「縁起」なるありようについて、しっかりと了解することによって、見極めができるようになるのではないかと存じます。
僭越ながらにも、ご助言させて頂くとなりましたら、「空」についての理解を進めて頂けるようになさられることで、お悩みの妄想についても少しずつ対処していくことができるのではないだろうかと存じます。
是非、「般若心経」において説かれる「般若の智慧」なる「空」の理解について、まずは学ばれていかれますと良いのではないかと存じます。
善処を祈念申し上げます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
願誉浄史さま: ご回答ありがとうございます。おっしゃるとおりおそらくプライドもしくは自尊心およびそれに起因する防衛反応が根因のようにおもいます。もう少し自分に自信を持つようにできればと思います。
川口英俊さま: ご回答ありがとうございます。仰せのとおりまずは空に関して学んでみます。容易に理解できるものではないと認識しておりますが、きわめて重要な概念かとおもいます。
光禪さま: ご回答ありがとうございます。単に3回考えるのではなく、視点を変えてポジティブな側面からも考えてみるということですね。やってみます。