供養、念仏について
仏様を供養する・・というのは、具体的にどうすることなのでしょうか?
亡くなられた方やご先祖様を供養するときと同じですか?
また、「南無阿弥陀仏」という念仏(で合っていますか?)は、阿弥陀様だけじゃなくてお地蔵様や弥勒様にも唱えることができるのでしょうか?
もし、それぞれに唱える念仏がありましたらお教え頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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おもてなし
供養とは、「おもてなし」だと思います。
2600年前のインドで、お釈迦様やそのお弟子さん達に食べ物や袈裟(衣服)、泊まる場所などをお布施(プレゼント)したことに端を発するのだと思います。
超人気者だったお釈迦様(ブッダ)を食事にお招きすること(供養)は、人々にとって大変な喜びだったのです。
また、ブッダや僧侶達への布施・供養は、功徳がある善行為だとされます。
功徳とは、良いことをすれば心に良い癖がつく、心の善のパワーです。
功徳は、他人に回し向けることもできます。
たとえば、仏や僧侶に食べ物を布施し、その功徳によって亡き先祖が幸せになれるようにと願う、供養の功徳を先祖のために回し向けるということをします。
仏壇に食べ物、花、灯り(蝋燭)、お香をお供えする、その功徳を先祖に回向(えこう)します。
南無阿弥陀仏は、阿弥陀仏に南無(帰依する・尊敬する)しますの意味。
南無地蔵菩薩、南無弥勒菩薩、南無三宝(三宝とは仏・法・僧)など唱えて礼拝します。
また、浄土宗では、お地蔵様や神社を拝むときも「南無阿弥陀仏」でOKです。
それは、南無阿弥陀仏と念仏する功徳をお供えするというか、念仏している私自身を奉納する、みたいな感覚です。
仏様や菩薩様達や神々は、念仏している人を見て喜んでくださるはずなので。(経典では、東南西北上下の世界の無数の仏様達が、阿弥陀仏を讃えています。)
【まとめ】
ア 生身の相手(特に僧侶・教団)には、おもてなし(供養)とプレゼント(布施)。
イ 仏像・仏壇には、供物・花・灯明・お香。
ウ 南無⚪⚪と唱えて合掌礼拝、特に南無阿弥陀仏の念仏は他の神仏も喜ぶ。
エ 上記ア~ウの功徳を、先祖のために回向する。
ですから、法事で住職にお布施を渡すのは、単なる住職への謝礼ではなく、僧侶に供養する功徳を先祖に回向するためなのです。
供養とは回向である
お経を唱えたり、念仏したりするのを回向するのが供養です。先祖供養だけが供養ではありません。具体的にはお経を唱えたり、念仏したりした後に、回向文を唱えます。回向文の種類によって、供養の対象は変わってきます。また、他の仏も南無阿弥陀仏で構わないでしょう。神社でさえ南無阿弥陀仏ですから。
質問者からのお礼
願誉浄史さま
とても詳しく、わかりやすく、ご回答をくださいましてありがとうございます。
私の部屋には小さな阿弥陀様やお地蔵様、弥勒様が飾ってありますので、教えて頂いた「おもてなし」の供養と「南無」の念仏を唱えてみようと思います。
功徳の回向については、とても勉強になりました。今まではこの仏様はこういう功徳があるから拝んでおこう・・という風にしか見ていませんでしたが、これからは、色々な功徳が色々な誰かへ届くといいなぁという気持ちで手を合わせることに致します。
今まで仏様について考えてこなかったので、今になってわからないことだらけで申し訳ございませんが、また色々なことをお教え頂けると幸いです。
井澤隆浩さま
供養と回向について教えてくださりありがとうございます。
回向文があるとのことでしたのでネットで調べてみましたら、3種類程見つかりました。どれをいつ唱えるのかはまだよくわかりませんが、ひとつ覚えてみようと思います。
仏教の言葉って難しいんですね、ひとつの言葉にたくさんの意味や情景があるのでしょうか。
わからないことだらけですが、「南無阿弥陀仏」の念仏と「平等に一切に」の回向文を覚えて唱えてみます。