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子どもが感じる未来への恐怖心

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小一の息子が最近、『隕石が怖い、どうしたら悟りを開けるの?』と真剣な顔で聞いてきました。理由をよく聞いてみると、以下のようなことでした。
宇宙に関する教材で、地球にはその昔たくさんの隕石が落ちて来たこと、そのせいで恐竜は絶滅したことを学んだ。さらに、これからも落ちて来る可能性があると聞いて、隕石に対して強い恐怖を感じている。
また、別の日にTVでたまたま見た仏教の番組で、人は何度も何度も新しい人生を繰り返し生きる輪廻の話を聞いた。そこから脱するためには悟りを開くしか方法がない、ということを知った。
だから、自分がお爺さんになって死ぬまでに隕石が落ちて来なかったとしても、次の人生がまた来てしまうから、早く悟りを開かないと、隕石の恐怖からは逃れられない!と考えて先の質問をしたようです。
毎晩思い出してしまい、眠れなくなるほどで、本人はかなり真剣に悩んでいます。色々と安心させる言葉をかけてみましたが効果なく、、専門家の皆さまのお力をお借りできますと大変有り難いです。よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

どうせいつ死ぬかわからないので

隕石どころか、コロナウィルスでも病気でも交通事故でも事件でも、いつでも誰でも死ぬ可能性があります。
 今ピンピンと生きている人でも、思い出しただけでも、あとちょっとで死んでいたかもという状況がいっぱいあったはずです。
 お子さんには、まず、隕石でなくても誰でもいつ死ぬかわからないほうが本当だと教えてあげてください。
 そして、これまでは何とか死なずに来られたので、今後も、気を付けてしっかり生きようという気持ちで元気になってほしいのです。ただ死にたくないだけではなく、生きていれば、親孝行もできる、しっかり学んで自分のやりたいことを頑張れる、人間としてやるべきことを何でもチャレンジできるのです。

 悟らなくても、何とかなります。それどころか、悟ったら煩悩がなくなるので、もう生まれ変わらない、死んだらそれで終わりなのです。
 それがいい人は悟りを目指して頑張ります。そうではなく、死んだ後も良いところに生まれ変わってそちらでも家族に恵まれて楽しく過ごしたいから今死ぬのが怖いなら、今のうちから良いことを頑張って功徳を貯めておけば、死後、良いところに行けます。今さぼっていたらやばいです。
 良いことは二種類。自分以外の生命のためになることか自分のためになることです。自分以外の生命のためとは、親孝行は当たり前、まず、家族のために頑張る、それから、周りの生命のために頑張る。
 自分のためとは、心と体と頭を鍛えて、自分が役に立てるように、今から頑張ることです。全身まひの人だって、いつもニコニコ穏やかで世話する人にも感謝していて、周りを幸せにできる人もいます。
 結局、自分のために頑張っても自分以外の生命のためにもなり、自分以外のために頑張っても、自分のためにもなります。

 功徳は心に溜まるので、減りません。頑張って次の生のために精を出してください。と・こ・ろ・が、そういう人は来世まで待たなくても、今の人生でも生き生きと楽しく生きられるので、一石二鳥ですね。

 仏教では「日々是好日」と言います。一日を一生涯くらいのつもりでしっかり生きるのです。朝目覚めたら、人間界に生まれた。夜寝る時は死ぬとき。一日一日を、悪いことや無駄なことをしないように、後悔のないように、生きましょう。

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質問者からのお礼

回答ありがとうございました。本当に、おっしゃる通りですね。どう死ぬかの前に、まずはどう生きるかが大切ですね。
息子にもいただいたお言葉を伝えました。もちろんすぐに隕石への恐怖が消えることはないと思いますが、繰り返し伝えることで、教えていただいた大切な視点を学んでくれたらと思います。
私は安心させることにばかり一生懸命になっていましたが、本当に大切なことは何か、親子で考える機会にしたいと思います。
ありがたいお話を本当にありがとうございました。

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