ダウン症の子を出産しましたが受容できない
お恥ずかしいながらも、正直な気持ちを書かせて頂きたいと思います。
約3ヶ月前に出産した息子(第2子)がダウン症でしたが、私はどうしても受け入れることができないのです。
出産直後、幸せな気持ちから一気に奈落の底へ落とされた感じで、妊娠前に戻りたい…その気持ちに囚われています。
障害を抱えた我が子との将来に悲観の気持ちしか持てません。
私たち夫婦は高齢で長女もいるので、長女の将来も不安です。
よく「今」をみて生きるように言われますがどうしても先々のことを考えてしまいます。
将来に向けての備えも必要になってくると思うので先々を見ないわけにもいかないと思うのですが…
不安ばかりが大きくて何を楽しみにこの先過ごしたらいいのかわかりません。
知的な部分での遅れはもちろん特徴的な見た目も辛いです。
外出先でジロジロ見られたりするんだろうか。
私は赤ちゃんの今でさえ息子を可愛いと思えないのです。
ダウン症のお子さんを持つ方にもいろいろお話を聞きましたが私にはどんな言葉も届きませんでした。
逆に成長したダウン症の子供たちを見て現実を目の当たりにしたように感じ辛くなりました。
そして、逃げの気持ちからですが養子縁組に辿り着きました。
NPO団体の方とやりとりして、最初から障害だとわかって受入れてくださる養親さんのご家庭があるならば、その方がこの子にとっても私にとってもいいのではないかと思えて仕方ないのです。
私も第三者の立場ならそんなこと考えられないと思います。でも、今当事者としてそんな綺麗事ではいられない気持ちです。
障害があったから受入れられないなんて非道なことだとわかっています
障害をもって産まれた子は産まれる前に自分で決めているということ、母親を選んで産まれてくることなど聞くので、運命なんだと思えたらいいのですが、どうしても無理なんです。
私が今まで何か悪いことをしたのか、何で私のところに産まれて来たのか…後悔はどんどん遡って、不妊治療してきたこと、長女の存在、結婚自体にまで全て後悔の気持ちでいっぱいになります。
親の自覚がないこと、甘ったれたことを言っているのはわかっていますが、どうすれば受け入れられるようになるでしょうか。
また、どうしても無理な場合、養子縁組はそんなに悪い事でしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
親である 親になる
こんにちは、初めまして。
障害をお持ちの長男さんのことでお悩みですね。
親なればこそ、ご心配にもなりましょう。私も三児の父として、そのご心配のお気持ちは理解できます。
また、「当事者としてそんな綺麗事ではいられない気持ち」と仰る複雑な胸中を抱えざるを得ない、そのご心中をお察しします。
私は第三者であり、当然息子さんを終生見ていく立場にはないので、あくまで参考の意見として述べさせて頂ければと思います。
私が、大学の頃に聞いた京都女子大学の徳永道雄先生のお話です。
何年も前に卒業していった教え子から、少しお時間を頂いてお話がしたい、と連絡があったそうです。
元気にしているかなと思いつつ再会されました。すると、その元教え子さんはお母さんになっており、こんなお話をされたそうです。
私は、子供を出産しましたが、障害を持っていました。その子を夫を含め、皆が祝福してくれませんでした。
親戚からも責められ、子供の世話で性も根も尽き果てていきました。
もう、生きていられない。
この子と一緒に死のう。
そう思い、身辺整理を始めました。
すると、押入れの中に、昔、先生に仏教の授業で教えていただいた時のノートが見つかりました。パラパラとめくっていると、ある言葉が目に止まりました。
「悉皆金色(しっかいこんじき)」。
人、皆、悉(ことごと)く、金色に輝く、と。
大学の時は、右から左に聞いていました。しかし、その時、そのお経の言葉が私の胸に突き刺さりました。
ああ、この子も金色に輝く命なんだ。
私と同じ生命なんだ、と。
私は、おかげで思いとどまり、今は子供と仲良く暮らしています、有難うございました。
こういうお話でした。
今は、戸籍上の、関係上の親であり、心の奥底で「可愛いと思えない」かもしれません。でも、自分のペースで、これから名実ともに親になっていければ良いのではないでしょうか。
また、今後のことはあなたの一存だけでも決められますまい。
ご主人と、そして娘さんともよく話し合われながら、納得の行く決断をされていって下さい。
どうぞ、御身お大事に。
人間万事塞翁が馬
言い難いことを綴ってくださいました。
本当にお辛いことと思います。
同じ立場だったら
どうすれば良いのか悪いのかなんて
私には分かりません。
長女さんより手が掛かることは確実でしょうし
長男さんの人生を間近に見るのも辛いことでしょう。
全てを承知で受け入れてくれる養父母に
育ててもらった方が長男さんは幸せかもしれません。
でも
養子縁組を決めても
あなたはきっと後悔するだろう
ってことは想像できます。
娘さんの人生には良い
(編集部より。投稿の一部を編集しています)
ダウン症の弟と一緒に育っていく長女さんは、きっと心優しいお嬢さんに育つと思います。
お嬢さんは将来、福祉・医療・教育関係の仕事に興味を持つようになるかもしれませんね。
仏教では、私達が考えた概念は空である(実体のない幻みたいなものだ)と言います。
たとえば、「人間」という概念も幻です。
「同じ人間」という固定観念を外して、一人一人一匹一匹の生き物はみな違いがあると思ってはどうでしょうか。
養子に出すのは必ずしも悪いことではないと思います。(里親がみつかるのなら。)
質問者からのお礼
ご丁寧な回答ありがとうございます。
とてもありがたく読ませて頂きました。
本当に「万事塞翁が馬」という諺のとおり、幸せになるはずだった出産という出来事がこんなにも苦悩する日々の始まりになるなんて想像もしていませんでした。
それだけ理想・期待が大きくなっており、欲を持っていたということなのかと感じています。
どんな状況、どんな子供でも受入れるという覚悟が足りてなかったのだと反省してもしきれません。
でも、息子はすでにここにいる命であることには変わりません。
3名のお坊さんからお言葉を頂き、三様の考え方を頂きました。
私は自分でどうにも判断しきれず苦しくて苦しくて答えを求めていたように思います。
でも皆さんのご意見がそれぞれなように、もう少し時間をかけて自分なりの決断をみつけたいと思います。
目の前の息子、娘、夫と。
もうしばらく生活していく中でまた新たに違う感覚がでてくるかと思うので、それをフラットな気持ちで感じてみたいと思います。
本当にありがとうございました。