逆さごととは何ですか?
葬儀の時に行われる逆さごと?という風習についての質問です!
①亡くなられた方の着物(死装束?)の合わせを逆向きにしたり、屏風を上下逆にして立てたりするのは何故ですか?
②逆にしないと悪いことがあるのでしょうか?
③また、お坊さんが無くなった時も同じように着物等を逆にするのですか?
たくさん質問してしまいすみません。
長年の疑問でしたので、お答えいただけますと幸いです。
よろしくお願いします。
ありすぎて書けません…
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
日常と非日常
葬儀の風習は、全国統一されている訳ではありません。地域地域ごとに風土が異なり、風習が異なることも多いです。ですから、絶対の正解は無いと思います。それと、こういう風習は仏教の教理とは無関係なものが大部分です。民俗に基づいて行われる部分の方が多いので、お坊さんの立場から説明できないものも多いです。ですから、民俗学的な説明となることを御理解ください。
基本的な考えとして、日常と非日常という概念が有ります。非日常には「慶事」と「弔事」があります。民俗用語では、日常のことを「ケ」と言い、非日常の慶事を「ハレ」と言い、非日常の弔事を「ケガレ」と言います。「ハレ」とは晴れ着とか晴れの舞台というように「非日常的な、おめでたい行事」のことです。結婚式や家の上棟落成などです。「ケガレ」とは穢れの意味で説明される場合が多いですが、「ケが枯れる 日常が枯れる」という説もあります。
1、死者に対する考え方は、追慕の念と忌避の念の二つに分けられます。前者は「大切な方、大事な方」として取扱い、後者は「恐ろしいから拘わりたくない存在」として取扱います。葬送儀礼にはこれらの両面が含まれています。
逆さ屏風は「遺体の有る此処は非日常の場所だから、慎んで丁重に取り扱いましょう。」という気持ちの表れと解釈すれば、良いと思います。左前については、下記のサイトの記事が参考になります。 http://www.kimono-taizen.com/why/why_002.html
2、死者を忌避する考えから、何かよくないことが起こると考える方は居ますね。仏教の立場から言えば、誤りです。
死に装束の帯は縦結びにする、という話は聞いたことがあります。「だから、縦結びは縁起が悪いからするもんじゃない。」と聞いたことはあります。
ご遺体を自宅から出棺する場合、玄関から出してはならない。窓や縁側から出すという風習もあります。現在は住宅の事情でそういうことが不可能な場合もあり、病院から葬儀会館へ遺体を搬送するため風習自体忘れられようとしています。
3、他の宗派のことは。わかりません。私は曹洞宗ですが、法衣を通常に着せるか、死後硬直した場合は法衣を上から掛けます。僧侶は日常・非日常関係ないから、左前に着る必要は無いと思います。涅槃衣という法衣を着せる場合もあります。
普段しないことをする
吉田師の説明の通り、逆さごととは、普段しないことをして、亡くなったことに弔いの意味を持たせているのです。
それをしたからと言って悪いことが起きるわけではありませんが、一般的に嫌われる場合があります。
例えば逆さ水などがそうですね。仏滅に結婚式をしないとか友引に葬式をしないようなものですね。
僧侶には関係ありません。一般の因習ですからね。