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天部様の役目、お経のあげ方、神仏習合解釈

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1.仏教では如来、菩薩、明王、天部とありますが、天部様の役目は何なのでしょうか?

2.天部様は仏様ではなく神様と聞いたのですが、般若心経を唱える時は最初の『仏説』は読まなくていいのでしょうか?

3.神仏習合では大黒天様=大国主様となりますが、大黒天様は大黒天様!大国主様は大国主様!と分けるのではなく、大黒天様=大国主様と考えて問題ないのでしょうか?

私は神棚に伊勢神宮のお札、嚴島神社のお札、大黒天様を祀っているのですが、神様として般若心経を唱える時、『仏説』はつけていません。

詣り方は合っているのでしょうか?

少し前までは大黒天様は天部様だから仏様になると思っており、頭に『仏説』をつけ伊勢神宮(天照大御神様)、嚴島神社(宗像三女神様)とは分けて般若心経を唱えていました。

今ではどれが正しいのか分からず少々混乱しております・・・。

教えて頂けたは幸いです。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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法楽ということ

法楽という言葉があります。神社で読経することを法楽と言います。神仏習合時代には普通に行われていましたし、私も神社にお参りするときは柏手は打ちません。

1.天部は元々はインドの神様を仏教が取り込んだものです。しかし、三国伝来(さんごくでんらい インド・中国・日本と仏教が伝わる事)により、中国の神や日本の神も天部とされるようになります。この天部の役割ですが、仏教の守護神とされています。

2.私は『般若心経』を唱えるとき『仏説摩訶般若波羅密多心経』(ぶっせつまかはんにゃはらみったしんぎょう)と唱えますが、その略なので『般若心経』でも『仏説般若心経』でも大差はないです。神様だから仏説を省略するというのはおかしいです。神様は天部なのだから、六道輪廻(ろくどうりんね 地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天をぐるぐる回っている死生観)するわけで、次の世は良く生まれますように、とお経を唱えるのが仏教から見た神様へのお経の唱え方です。

3.聞いたことがあると思いますが、本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)ですね。本地仏(ほんぢぶつ)があり、その垂迹(すいじゃく)として、神様がいるという考え方です。ですから、本地仏とその垂迹の神様はイコールと考えて構わないと思います。つまり、大黒天と大国主尊は同一と考えて構わないと思います。

先に述べた通り神様にお経をあげることは法楽と言って、何ら問題はないのですから、『般若心経』を上げましょう。仏説はつけても付けなくても良いと思います。語呂から言うと付けないほうが唱えやすいように思いますが。それから、厳島神社はわかりませんが、天照大神の本地仏は大日如来ですよ。

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天部とは仏法を守護する護法神ですが、

1、天部は、インド土着の神でした。仏教の教理が体系化され、経典として整理する過程で、仏法を守護する護法神に位置付けられました。

2、天部や日本の天神地祇に対する考え方は宗派によって異なります。私は曹洞宗ですが、曹洞宗の場合毎月一日と十五日に鎮守諷経というお勤めをしています。お寺を守護する天部にお祈りする法要です。基本的にはインド伝来の帝釈天、金毘羅、毘沙門天などに対しての読経ということになります。実際は、諏訪、白山、愛宕ななどの日本の神を鎮守として祀っている寺院も多いんです。明治の神仏分離以降、神仏習合を否定的に捉え、仏教と神道を対極に位置付けるようになりました。歴史的には、神前で読経することは日常的なことでした。神棚に伊勢・厳島を祀っているなら、二礼・二柏手・一礼し、大黒天には読経で宜しいと思います。
 般若心経には何種類かありまして、一番広く知られているのは玄奘訳の般若心経です。『仏説魔訶般若波羅蜜多心経』という題がついているのは、羅什訳の般若心経だと思います。翻訳者によって、仏説とつけたり、つけなかったりしているのです。あまり気にする必要は無いと思います。お経の題名に仏説とついているなら、そのまま読んで構わないと思います。

3、大黒天は仏教の天部としてお祀りし読経して、差し支えないと思います。大黒天で検索すればわかると思いますが、日本で祀る大黒天像はインドの大黒天像とはかなり違います。福徳円満なお姿は、大国主命の影響を受けたものだと思います。僧侶の立場から申し上げれば、大黒天と大国主命は別のものです。尊像や御利益に関しては大国主命と習合したものになっていると言えます。佐々木盛綱さんが「大黒天様=大国主様」と受け留めて信仰していますが、それはそれで宜しいと思います。

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仏が説いたお経

「仏説」は、仏が説いたという意味です。
仏様(ブッダ)が説いた教えを神様にお聞かせする場合でも、仏説は仏説です。

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質問者からのお礼

井澤隆浩様、吉田俊英様、願誉浄史様、私の質問に答えて頂きありがとうございました!

これからも神仏習合を胸に仏道、神道の修行に邁進致します!

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