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自己否定の心の声に押し潰れそう

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今年の春に大学を卒業した新社会人です。志望していた職業には就くことはできませんでしたが、正社員として働いています。ただ、一生その仕事をする、というビジョンも描けず、キャリアアップのための資格勉強をしています。また、趣味も非生産的なものから、実益を兼ねたものに打ち込むようになりました。他にも、心身の健康のため、早寝早起き、毎朝の散歩、筋トレ、ガーデニングを始めました。
心の表面的な部分では仕事、資格試験、趣味にそれぞれ真剣に打ち込み、有意義な時間を過ごしている自分に満足しているのですが、心の奥底では自分を否定する声で溢れかえっています。
「今更やったって無駄だ」「もっと早く始めておくべきだった」「今までの努力には何の意味もなかった」「人生で一番大事な就活で失敗した」「どうせお前は幸せになれない」
少し油断するとそんな心の声で頭が埋め尽くされてしまい、とても苦しいです。
どうすればこの声が収まるのでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

こんにちは。

心の声は抑えるのではなくもっとよく耳を澄ませてみましょう。
「人生はこうあることが正解だ」とか何となく「こうあるべき」みたいな自己暗示がどこかにないですか?

例えば趣味も非生産的なものから実益を兼ねたものに代えたとありますが、本来趣味は実益云々は関係なく、それをやっている間は時間が経つのも忘れてしまうというくらい楽しく熱中できるものであるはずなのに、自分はどこか無理をしていないか?とか。

funimiさんのなさっていること、どれもこれも素晴らしいです。この中に今やっておいて無駄な事は何一つないと私は思います。好むと好まざるに関わらず将来必ず結実するでしょう。
ですが、どこかそれらは本心から望んで(楽しんで)やっている事ではない・・・と感じている部分がありそれが心の声となっているのかな?と感じます。
趣味の中に自分は興味あるけれど、他人がしないようなマイナーなものも加えてみてはいかがですか?

また就活で本来のお仕事に就けなかったとありますが、このご時世に正社員の座を見事獲得していることは十分立派ですよ。そのお仕事にも適性が全く無ければ採用側だって正社員で採りませんから。
一生その仕事をするビジョンを描く必要はありません。終身雇用だった昔と違い今は最終的に自分がなりたいものになるためのキャリアルートを描く能力が重要です。今の会社がゴールだと思うなら大変ですが、このゴールを人生のどの地点に設定するかで気の持ちようや発想の縛りは変わってきます。

例えば1000万円稼ぐのに必ずしもサラリーマンでないといけない、或いはその職業じゃないといけないということはありませんよね?お仕事はあくまでも手段の一つです。天・地・人揃い、資格や勝算があり将来自分がなりたい姿、ビジョンがあるなら転職や独立開業という選択があったっていいわけです。

自己否定の心の声は「今」を見ているから出てきます。
「今はまだ通過点」「本当の目標はまだずっと先」「今やっていることは最終目標を達成するための単なる手段」なら現状の細かいことに捉われている暇はありませんから。

あとはネガティブな自己暗示は主語を理解できない脳には本当に悪影響ですから、これは意識してお風呂に入っている時などにポジティブな言葉を実際に口に出して自身に言い聞かせていきましょう!

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おきもち

一般家庭から真言宗のお坊さんとなりました。 お寺はありませんので普段は普...
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写真を飾ってみよう!

 ハスノハに相談を寄せて頂き、有り難うございました。
昨年からの新型コロナ騒動の中、無事に大学を卒業し、就職を果たし、正社員として働いておられるとのこと、素晴らしい!!!さらには、今後のキャリアアップの為に資格の勉強もなさっておられること、温かな拍手を送らせてください。新型コロナ騒動のただ中にある私たちは、将来に対する強い不安を抱えています。funimiさんもそのお一人ですね。
 
 さて、自己否定をする声に対応できる具体策を提案します。その1つが「写真」です。funimiさんがこれまでで一番輝いていた時、楽しかった時、身近な人の愛情を感じていた時の写真を、机の周りなどよく目にする場所にたくさん飾ってみてください。日常生活の中で何気なく目にするその写真から、「自分は頑張って生きてきたな」「自分は一人じゃなかったな」と実体験を思い出すことができれば、それがおのずと自己肯定につながります。「心はコロコロ変わるお天気みたいなものだから」と腹に据えておけば、時折、自己否定の心の声が聞こえたとしても、その声に振り回されることが次第に少なくなっていきます。

 2つめには、1日が終わり就寝する前に、「今日がんばったこと、うれしかったこと、感動したこと」を毎日ノートに書き出してみてください。書き出したものを声に出して読み上げるとさらにいいですね。もし何も思い出すことがなかったら、「今日も一日生きたぞ」と書いてみてください。そして、布団の中で自分の心臓にそっと手をおいて、その鼓動を十分に感じてください。funimiさんが生まれてから、ずっと休みなく動き続けてくれている心臓。funimiさんが嬉しい時も悲しい時も苦しみを抱えているただいまも、休みなくです。「有り難う 心臓」「有り難う私の体」と優しく声をかけて眠りましょう。

 数限りないご先祖からいのちのリレーを受けて、funimiさんは生まれてきました。そして、多くのいのちにいかされて、多くの人々に支えられてきましたね。「ぼくは一人じゃない!」と、自分自身にいつも語りかけながら、すごしてみてください。少しずつ生きる力が湧いてくると思います。私も実践中の方法を紹介しました。
 
 このハスノハに集うお坊さんもfunimiさんを応援していきます。オンライン相談もお受けできますよ。

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有り難し
おきもち

1971年生まれ。本願寺派布教使・源光寺第14代住職 別名「絵本のお坊さん...
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質問者からのお礼

ありがとうございます
実践に移し、また自分のことを見つめ直してみたいと思います

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ