一度も会えなかった婚約者
SNSで知り合った男性と1ヶ月程ラインや電話を毎日して、お互い好きになり、婚約までしました。彼はわたしのことを全て受け入れてくれて、悪いところも含めてすき(もちろん悪いところは注意するよ)と言ってくれました。仕事は全国どこででもできるため、来月には休みを取ってわたしの住んでる地域に引っ越してくるために家探しをしにくるとまで言ってくれました。
しかしわたしは人間不信なこともあり、実際に会うまでは信じられないと彼に伝えていました。すると彼は会って証明すると言ってくれて、会う約束をしました。
しかし会う約束をしたその日、連絡が途絶えました。わたしは、あぁやっぱり嘘だったんだ。裏切られたんだ。と思いましたが、元々怒りの感情が薄いためか、怒りや憎しみというものは一切なく、ただただ悲しくつらく、相手にも何か都合があったんだろう。と思うしかありませんでした。
しかしその3日後、彼の弟さんから、わたしと会う日の早朝に彼が亡くなっていたと一斉送信にて連絡がありました。わたしは、短い間でしたが親しくしていた者ですと返信しました。するとその日の夕方に返信してくださり、ご家族の方々も突然のことで整理がついていないとのことでしたが、持病の発作が原因であろうということと、彼は、両親には今年中に結婚して引っ越すということを伝えていた、本当はすぐに連絡しなければいけなかったのに申し訳ない、ということを聞きました。
第三者から見たら、会ったこともない人にここまで思うものなのか、騙されてるのではないかと思う人もいるかと思います。
しかしわたしは、彼は本当にわたしと結婚してくれる気だったんだ。信じてあげられなかった。一度も会えないまま。毎日電話していたのに体調の変化に気付けなかった。それから、とにかく悲しくて、つらい。もう会えないと分かっていても好きで好きで仕方ない。いつまでこの後悔とつらさに苛まれなければいけないのだろう。彼のことを忘れたくないけど、思い出すとつらい。いつか受け入れられる日がくるのだろうか。という気持ちでいっぱいです。
弟さんにわたしの思いを伝えましたが、返信はないです。彼との繋がりはもうなくなってしまうのでしょうか。
わたしはもう人を好きになりたくありません。今はとにかくつらくて仕方ないです。彼の元に行きたいとも思いますがそんな勇気は出ません。わたしはどうすればいいのでしょうか。
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私の中の「彼へのイメージ」と「彼の実際の真実」とは異なる
「人間は誰もがみなセルフ脳内願望ラブ症候群である」という仮説があります。
これはすべてがそうだということではありませんが、人間は誰でも自分の好み、自分の理想、自分の思い描いた脳内セルフ理想ワールドの「住人」であるという意味です。もちろん、私もそうですし、誰もがそういう「面があるよ」という意味においてです。
SNSでもみんな各自で自分の好きな関連事項しか見ないでしょう。私もそうです。誰もがそうです。
恋も友人関係も、相手の人間に対して「こういう人に違いない」と思っているのは「誰か」「どこか」と言えばこの自己なのです。そして、この自分自身の「あたま」がそうだろうと毎日、毎秒、上映中です。そっちに映し出されているスクリーンの真実を見ずして、映し出された映像の法だけしか見ていないということです。
実際にお会いしたわけではないのにもかかわらず、相手はこういう人にちがいないと思い続けてきたのも誰かといえば、こちらがわ。あっている人に対してでもあの人はきっと今頃コロナでこんな感じだろう、と思うのも自己のセルフ脳内上映会。現実は本人に会ってみないと真相はわからない。
なぜこのような話をするのかと言いますと、あなたが次なる恋を今度は現実の相手の真実と、自分自身が思い描く相手に対するセルフイメージではない真実を相手にできるようになっていただくためなのです。
私も経験はありますが、相手に対して「こちらが勝手に相手に対するイメージを膨らまし過ぎて本当の相手を見ていなかった」というようなことがあったりするものです。
そういう相手のイメージを想像して相手の真実ではないこちらの思いを上映してきたのも、みんな、この自分自身の脳内スクリーンだったはずでしょう。(つまり、相手のいないところで行われていたということ)「そこ」をきちんと丁寧に見つめて、一切唯心造=一切はみなこの自己がああだ、こうだと想起した感覚だったのだということを見抜くことで徐々に目が覚めていくことでしょう。法事などに参列させていただけるかどうかも確認してみるの良いのではないでしょうか。
ただ、あなたがその人に対して好意を抱いていたことは現実です。
ですが、その人は残念ながら亡くなられてしまった。
ですが、現実は今日も新しく、継続中です。
どうか、彼もあなたの幸せを祈っておられるでしょうから、次なる出会いをいつかは求めてみてください。
南無阿弥陀仏
亡くなった彼氏は
仏さまに救われ往生されました。
今はお浄土で成仏されています。
今はただただお辛いことでしょう。
当分の間お辛いだけでしょう。
でも彼氏は
あなたの幸せを願っているはずです。
いずれ今のお気持ちが落ち着きます。
その後はどうか前を向いて歩いてください。
もし今度好きな人ができたら
一度は実際に会いましょうね。
好きで仕方ない人に会えた幸運
あおさん、はじめまして。質問を拝読しました。
あおさんは、人間不信なところがあっても婚約したいと思う人がいたのですね。でも、突然の彼の死に直面してどうしたらいいのか分からなくなっているのですね。
亡くなるということはもう会えないことです。だから私たちは悲しいのです。風中のともしびがふたたび輝かない如くに、もう彼を生き返らせることはできません。夢に似て夢にあらず。幻の如くにして幻にあらず。
彼が亡くなっても、彼があおさんと結婚しようとした想いは消えることはありません。あおさんが好きで好きで仕方ない人に会えた幸運は変わることはないのです。
愛する者と別れる悲しさは断ち難しといえども、はじめあるものは必ず滅するのが世の理です。願わくば悲しみの涙を抑え、母なる大地に抱かれて彼が静かに眠られんことを。
合掌