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生きる意味って難しい

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わたしはテレビ(特にニュース番組)を見ていると世の中に物凄く嫌気がさします。

ルールを守らない人が多すぎるためにコロナ禍が蔓延している現状、そんな人が入院しているためにルールを守って生活していた人が感染しても搬送先が見つからず亡くなったニュース、コロナ禍に対して大した施策も打ち出さない政府、金のことしか考えていない政治家等々、テレビを見ていると本当にうんざりします。

こんな世の中で生きていても、しんどいだけではないかと思います。この先受給できる年金は減っていく一方、消費税はいずれまた増税などと考えているとさらにこの先長く生きていても仕方がないと思ってしまいます。

今は、私を育ててくれた両親や家族を悲しませたくないがために毎日を生きています。しかし、生きたくても生きられなかった人がいること、私は恵まれた環境にいることなども考えるともっと一生懸命に生きたいとも思っています。

暗い世の中はすぐには変えられませんが、毎日を一生懸命に生きるためにできることや、考え方があれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

視点を変えましょう。

まい 様 相談ありがとうございます。

確かに、世の中の情報は、ネガティブになりそうな情報が多いですね。
うんざりします。でもそれはあなたのせいではないですし、あなたに責任はないですね。それにあなたは「一生懸命に生きたい」と願っているのですから、
視点を変えて物事を見てみましょう。
世間のネガティブ傾向の情報より、ポジティブ情報を毎日少しずつでも探してみる。
もしかしたら、嫌いな情報でも、良い点はないか
そしてあなた自身の中のポジティブは何か?
さらに
自分は将来どうなりたくて、何がしたくて、どんな感動を得たいのか
その感動を得た時、誰が傍に居て、その周りにどんな人がいて
どんな表情をしているのか、その風景も合わせて想像してみましょう。
なりたい自分に成ったと仮定して、感動を味わってみた時
その未来の自分に一歩でも近づけるとしたら、
今この瞬間、何ができるのか?

これぐらい沢山、イメージしたら、世間を憂いて嘆く回数が減るでしょう。

そして最後に
感謝のワークです。毎日5つ
箇条書きでいいので、感謝の言葉をつづりましょう。
例えば、朝起きれたら、ちゃんと起きれた自分にありがとう。
朝ごはんを普通に食べることが出来たら、ご飯にありがとう。
いつもより少し声を大きめに挨拶出来たら、ありがとう。
友達の笑顔にありがとう
家族が些細な事でもしてくれたら、ありがとう。
こんな、感謝を毎日5つ、メモしてみてください。
段々あなたの視点が、変わります。
感謝を通じて、心の温かさがより感じられるといいですね。
参考までに。
一礼

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おきもち

お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリン...
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心を陶冶する

まいさま

「生きる意味」は、それぞれに応じて色々とございます。これが正解、これが正しいというものはありません。

仏教的には、その人の認識、理解、意味、価値、理由などは、その人の心の状態に左右されるものとなります。

その心のありようをどう調えるのかが問われるところとなります。

誠に、この世は自分の思い通りには全くならないものです。

そんな思い通りにならない世界を相手にしても、しんどく苦しいことになります。

仏教では、そんなどうにもならないものを相手にするのではなく、どうにかなる方に目を向けて対処していくことを勧めるものとなります。

シャーンティデーヴァ大師は、その著書である「入菩薩行論」の中において下記のように述べられておられます。

入菩薩行論・第5章・13偈
ས་སྟེང་འདི་དག་ཀོས་གཡོགས་སུ། །དེ་སྙེད་ཀོ་བས་ག་ལ་ལང་། །ལྷམ་མཐིལ་ཙམ་གྱི་ཀོ་བས་ནི། །ས་སྟེང་ཐམས་ཅད་གཡོགས་དང་འདྲ། །

「この大地を皮で覆うとしたら、どうしてそのような皮が足りるだろうか。[しかし、]靴底のみに皮を貼れば、すべての大地が[皮で]覆われているのも同然だ。」

拙解説・・「この世の全てを自分の思い通りにすることなど、とてもできるものではないが、自分の心一つをしっかりと治めてあげることさえできれば、別にこの世の全てを自分の思い通りにできなくても、平穏無事に過ごせられるものとなる(この世の全てを自分の思い通りにできるのと同じ効果がある)のである。」

自分の心を陶冶することで、世界の捉え方、誰かに対する捉え方を変えることはでき、そして、それにより何事においても適切に対応することができるようになるということであります。

どの世界、どの立場であろうが、それを認識する自分の心の問題次第になってくるということです。

このことは唯識思想における過去世からの心(の阿頼耶識)に薫習された習気(薫りが染み付いたようにそのモノ・コトを捉える習性)が、モノ・コトを捉えているという複雑な構造について学ぶと、よく分かるようになります。

心を清らかにしていく仏の教えを実践して、心に靴を履かせて参りたいものであります。

仏教を学び修していって頂けましたら有り難くに存じます。

川口英俊 合掌

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有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

お礼が遅くなって申し訳ございません。
心のこもった回答をありがとうございました。
日々感謝をして毎日を過ごしてみようと思います。また、唯識思想についてもっと知りたいと思ったので書籍などを読んでみようと思います。

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