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何のために生きていけばわからないです

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有り難し有り難し 23

お忙しいところお聞きいただきありがとうございます。

先日、テレビ番組で世界のあまり豊かでない地域の幼い子供が、本当は学校に行きたいけれどその日食べる物を手に入れる為に
、涙を流しながらも一生懸命働いているドキュメンタリーを見て、何か役に立ちたい、幸せになって欲しいと思い毎月支援団体に寄付をする事にしました。

その事について、夫に他愛無い会話のひとつとして話をしたのですが、「そんな余裕があるなら、もっと将来の為に貯金して欲しい。自分は節約して貯金しようとしている」「将来そのお金で子供が出来た時、その子に対してできることがあるかもしれないのに」と批判を受けました。

我が家の生活費は、お互い共働きをしており、家賃、食費…などの担当を決めて出し合い、その他のお金は自由に使える事にしています。

最近、夫は将来の事が気になるらしく、自発的に自由に使える分のお金から貯金をしようとしているようです。
その為、私が家庭の事を考えずに他所に寄付しようとしていることが気に入らないのかな、と思いました。

批判された時、お金の使い方に関しては、私自身が自由に使えるところから出しているので、その事自体はおかしいと感じました。
しかし、それよりも「家族を一番に大切に考えなくてはいけない」と、私自身が大切にしたい事や価値観を否定された気になり、とてもショックを受けました。

夫は将来子供のいる家庭を築きたいと希望していて、幸せな家庭を作る事を生きがいに感じているようです。

ただ、私は幸せな家庭を持つ事には賛成なのですが、他にもやってみたい事や、好きな事が沢山あり、自分の事も大切に感じています。
そのため、家庭のことを生きがいとして夫と同じように一番の幸せと考える事は、出来ないように感じています。

もちろん、夫のことは愛しており大切にしたいと考えています。しかし、家庭の事を一番に考えられない私は、そもそも結婚などするべきではなかったのでしょうか。

考えれば考えるほど、自分自身が無責任で最低な人間に思えてきて、どうしたら良いのかわかりません。

長文且つ分かりにくい文章で大変申し訳ないのですが、お導きいただけますと幸いです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

どっちも大事だと思います 

お釈迦様は信者の方々には平易な教えを説かれました。その説き方は次第説法と呼ばれ、施論・戒論・生天論の三つから構成されています。
  https://hasunoha.jp/questions/1831

◎施論ー布施をしましょう、という教え
  ご質問に即して言えば、みんなの幸せを考えて、可能な範囲で自分の力を分け与えてあげることです。力と書きましたが、お金や物を分け与えることもそうですし、手を差し伸べたり言葉をかけてあげたりすることも立派な布施です。

◎戒論ー仏教的には在家信者が五戒を守ること言います。でも、もっと広い意味で、ルールを守った生活を送ることの大切さを説く教えと理解していただきたいと思います。夫婦そして家族が、支え合って共に暮らすためには、みんなが規律を守り、人としての道を踏み外さないことが大事です。起床就寝、清掃、炊事洗濯、家計管理等、日々の暮らしの中で、ルールを定めきちんと実行してこそ、家族の安定した生活が実現できるのです。

 三つ目の生天論とは、幸せな未来という意味です。施論と戒論は、幸せな未来のための両輪です。つなまよさんが、みんなの幸せを考えて、寄付をする。素晴らしいことです。大事なことです。
 旦那さんが家族の将来のために貯金することも、立派です。今の時代もこれからの時代も、子供の教育のためにはお金がかかります。そのためには、自己管理に努め、家族全体で協力していくことは大事です。旦那さんの考え方自体は間違っていないと思います。

 でも、我々は家族だけで生きている訳ではありません。親戚、友人知人、仕事仲間、隣人等、いろんな方々との繋がりの中で生きています。私たちはいろんな方々との有形無形の様々な御縁の中で生きています。今回寄付することは、おそらくつなまよさんに直接の見返りは無いでしょう。でも、見返りを求めず布施することは、あなたの心を豊かにします。人間関係を豊かにします。寄付してあげようという気持ちの方には、いつか必ず見返りがあります。

 ということを、旦那さんと話し合ってみて下さい。
 

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 目の前の方の悩みや気持ちをしっかりと受け留め、心を開いてもらうように努め...
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寄付するなどの利他的行動が豊かさを生む

ミタルだったかタタだったかどちらかの奥さんが毎朝早朝に起きて貧しい人たちに配る食事を作っているというテレビ番組を見た記憶があります。実際には両方の奥さんがそうなさっているはずです。インド人はお布施するということが当たり前で、ことに裕福な人は施さなければならないと誰もが思っておられるらしいです。

上記は典型的な利他行動です。この利他という考え方や行動が他者を救うだけでなく、施主(施す側)もそのことで精神的に、そして経済的にも幸福になるのだというのが現在は一般的な考えたになっています。試しにyoutubeで「利他」「利他行動」などで検索してみてください。東工大の先生方が「利他ラジオ」という連続ものをアップなさっている他、いろんな人が利他行動の有用性について話しておられます。

私自身はお坊さんなので、もらう方なんですが、そのもらったお野菜をたとえばホウレン草のお浸しを作って、一人暮らしのご家庭などに配っています。私はこれを「野菜の再分配」といっています。大きな農家から規格外のお野菜をもらい社会福祉協議会にその野菜を寄付したり、子ども食堂に参加したりもしています。このような活動により「儲かる」ことはありえませんが、精神的に豊かになっていることは間違いありません。誰に見られなくても褒められなくても利他活動は人を豊かにするものだと思います。親の幸福感や精神的豊かさがやがて生まれてくるだろうお子さんによい影響を与えないはずがありません。

まずお勧めしたいのは、インターネット上でもなんでもいいので利他的な思考や行動がどれほど人生によい影響を与えるのかあなた自身が調べてみることです。そして、そのなかから「これ」と思うことをご主人に話してあげて理解してもらうことです。利他を勧めるよい内容の書籍やウェブサイト、動画はたくさんありますから、どれかがご主人の考え方を変えてくれるものと思います。

どうかお二人で利他行動を楽しめる素敵な家庭を作ってください。

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おきもち

私はお坊さんといっても、ひと様に何か答えらしいものを提示できるような立派な...
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質問者からのお礼

お導きいただきありがとうございます。
一体どう考えれば良いのか全く分からず、私もつい極端に考えがちになってしまっていました。
すぐにとはいかなくても、夫ともお互い理解し合えるように、私なりに努力を重ねていきたいと思います。
ありがとうございました。

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