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罪悪感に潰されそうです

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有り難し有り難し 38

こんにちは。以前に中学時代に人を傷つけたことに対する罪悪感について相談させていただきました。

その時にご回答いただいた言葉を胸に、もう周りに流されて人を傷つけたりしないこと、人の悪口・陰口を口には出さないことを誓いました。(人として当たり前のことなのですが…出来ていなかった自分が恥ずかしいです…)

ですが、元々ネガティブ思考でメンタルが弱いこともあり未だに過去の罪悪感で酷く落ち込みます。もうしないと誓っても過去に人を傷つけた事実が心に重くのし掛かり、笑ったり幸せと感じた瞬間に傷つけたその子の事が脳裏に浮かび幸せを感じる事が罪のように感じます。

またニュースで中学校でのいじめや未成年による悲しい事件、人が死ぬ事件などを見るたびに過去の罪悪感が膨れ上がって酷く落ち込んでしまいます。私が傷つけた子が今どこで何をしているかは分からないのですが、私が傷つけたせいでもし生きていなかったらどうしよう、今も傷つき人生に絶望していたらどうしようとそんなことばかり頭の中をグルグルしています…。

人を傷つけておいて幸せになったり、笑ったりするのはやはりおかしいのでしょうか…。それなのに罪悪感が膨れ上がることに耐えられず辛くなってしまう弱い自分にも嫌になっています。

どうすればこの罪悪感に押し潰されずに生きられるでしょうか…。そもそも幸せになったり笑ったりしても良いのでしょうか…。

2022年1月19日 12:22

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

仏様のおはたらきにお任せしましょう…

 『人を傷つけたことに対する罪悪感』…そのような感情を持ち続けるあなたは、少なくともすっかり忘れている、いえ最初から人を傷付けたことにすら気付いていない多くのお方に比べれば本当に尊い、貴重な存在と申せます。
 ただそんなこと言われても嬉しくはないでしょう…今の辛い気持ちを何とかして欲しいとお感じではないでしょうか。
 でも、過去の言動・行為は消えません。無くなることはないのです。
 残酷なことを申しましたが、でも傷付いた側からすればその通りだとおっしゃるでしょう。だからそもそもそれらの行為をしてはならないのです。
 もう、そのことはあなたには充分に分かっていらっしゃるようですので、これ以上は触れません。
 そして、今となっては中学時代のその方に直接詫びることも難しいようですね。
 ならば…どうぞ、その時のことを仏様に詫びて下さい。あなたの言動の全てを、その時の気持ちの全てを洗いざらい話して下さい。そして今の御自身の気持ちを仏様からその方へ伝えて欲しいのですと御願いなさって下さい。
 今あなたに出来ることは、いえ あなたのすべきことはそれ以外にありません。
 その上でなら…あなたは「幸せになったり 笑ったりしても良い」のです。
 それでも「やはり…私は…」という思いが消えないかも知れませんね。
 そしてだからこそ、あなたのその思い・苦悩をどうぞ仏様に預けて下さい。
 仏様はこの上なく懐の深いお方です。あなたの思いの全てを受け止めて下さるお方です。さらにあなたの苦悩を取り除いてやりたいと願い続けて下さるお方です。
 仏様を信じる信じないを超えて、どうかどちらかのお寺に参られて、仏様にあなたの思い、苦しみ悩みの全てを打ち明け、預け、そして委ねて下さい。
 それが出来たときあなたの心は軽やかになっています。安らぎを感じることが出来るでしょう。
 その状態こそが、「真の幸せ」です。
 あなたはそんな真の幸せになって良いのです。そして心からの笑顔を見せて良いのです。
 仏様があなたを「幸せ」「笑顔」なる状態・存在に仕上げて下さいます。導いて下さいます…。

2022年1月19日 20:41
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有り難し
おきもち

あなたが、今を幸せに生きることが、最も大切な「罪の償い」

過去に起こしてしまった過ちで心を痛めるお優しいお気持ち、お人柄は、とても尊く思います。相談者さまが仰られているとおり、過去は決して変えることはできません。

また私たちは誰しも、そもそも失敗を繰り返したり、他人に迷惑をかけながら生きていて、それを経験しながら改善したり、糧にして成長をしていくものです。その時には成長過程でうまく対応できなかったとしても、その経験を踏まえて一歩進んでいくことが大切です。

そしてもちろん、誰一人として、失敗を経験しない人はいません。言い方を変えると、失敗をしていない人はその経験がない分だけ、成長がしにくくなります。

罪の償いは、今、相談者さまが罪悪感を抱え続け、ご自身の心を痛められることではなく、その経験分だけ、より幸せに前向きに過ごされることです。

このような辛い経験をされた方こそ、今度、同じように苦しんでいる人が近くにいたら、手助けしたりお声がけができるはずです。そのように世の中はめぐっていきます。

過去にとらわれず、未来をおそれず、今を生きる。
お釈迦さまの教えの、最も大切なことの一つです。

2022年1月21日 15:37
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有り難し
おきもち

1971年生。岐阜大学教育学部卒業。医療法人に就職し、医療事務、経理、総務...
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質問者からのお礼

小林様

とてもお早いお返事をありがとうございます…!

過去に戻ることはできず、人を傷つけた事実も消せない…だからこそ人を傷つける事はそもそもしてはいけない、小林様のお言葉を胸に刻みます。そんな当たり前の事も出来ずにいた自分をしっかり反省します。

前回の質問でご回答いただいた方から「大切な人を守れるだけの強さは身につきましたか?」と問われましたが、その時は答えが分かりませんでした。ですが小林様のお言葉を聞いてそれは「人の悪口を言わない」「人を傷つけない」ことなのではと思いました。
人を傷つけることはその人はもちろん、いつか必ず自分も苦しめることになると痛いほど身に染みました…。だからこそ悪口を言わない事、人を傷つけない事、人を常に思いやる事、ただそれを続けていくだけで自分も周りの人も守る事ができるのではないかと思いました。

きっとこれからもまた罪悪感が膨れ上がる時が来ると思いますが、その時にはまた仏様にお話しし詫びたいと思います。仏様が見守ってくださる、私がまた間違わないか見ててくださる事を励みに生きていきたいと思います。

本当にありがとうございました…!

中村様

丁寧にご回答いただき、ありがとうございます…!お返事が遅れてしまい、大変申し訳ございません!

私は自意識過剰でネガティブな性格もあり、何かをするたびに周りのみんなから、もしかしたら笑われているかも、恥ずかしい、自分は何でこんなにもダメなんだろう…ということが常でした。なので、中村様の「人はみんな失敗をしていく」こと、そして何より「その失敗を糧により良く成長していく」という言葉に心が少し軽くなりました。

過去の過ちをただ自分を責めるためでなく、もう2度と人を傷つけないための戒めとして、誰かが傷ついている時に寄り添える力としていければと思います。

私が傷つけたあの子への謝罪の気持ちは決して忘れませんが、それと同時に過去に囚われず前向きに未来に向かって今を精一杯生きたいと思います。

あたたかいお言葉本当にありがとうございました…!

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