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過去の嫌な記憶を思い出してしまい、辛い

回答数回答 2
有り難し有り難し 17

以前勤めていた会社でパワハラを受けました。

自分はミスも何もしていないのに、上司から罵声を浴びせられ、怒鳴られ、とても傷つきました。
前任者は精神疾患を患い、療養中らしく、正真正銘のパワハラ上司です。

その上司とはあまり仕事上で関わりがなかったため、私がどんなに丁寧に仕事をしているかなんて知らないのに「お前が悪い」などと一方的に決めつけられ、無能扱いされました。
私がきちんと説明しても全く聞く耳を持ちませんでした。

私は好きなことを仕事にしており、細かいところまで常に気を配って、丁寧に、正確に仕事をしているのに、プライドを踏み躙られました。

元々私は技術職で、その上司は専門職ではないため、知識は私の方がはるかに上なのに、社会的地位が上だからといって、散々ひどいことを言われました。

その会社に一人は味方?と呼べる人はいましたが、そのパワハラ上司が会社のトップである以上、それも無意味に思えてしまいます。

一時期は全く食欲もなくなり、毎日一日中涙が止まりませんでした。
現在は転職し、信頼できる仲間とイキイキと働けています。体調も大分よくなりました。

しかし、夜寝る前や休日など、脳がフル稼働していない時間帯や、あのとき言われた言葉をテレビ等で偶然耳にしたときに、思い出してしまい、とても辛いです。

もう終わったことなのに、いまだに思いだしてしまい、気持ちを切り替えたいのに忘れられません。
またあの上司とどこかで出会ってしまったら、またひどいことを言われるんじゃないか、私の人生を邪魔してくるんじゃないか、そんな可能性の低いことまで心配してしまいます。

せっかく転職したんだから、切り替えて忘れればいいと分かってはいるのですが、中々それができません。
知恵を貸していただければ幸いです。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

こころが傷つかない修行

人が傷つくのは、職場であっても家庭であってもネットであっても「心」です。
相手を問題にするのではなく、うたれ弱く、傷つきやすいわが心を強化の対象に定める。
(´-`*)あの人に傷つけられた。
その時傷ついたのは「どこ」か。
(´-`*)アイツにあったらまた嫌な目に合わされる。 
そう考える「ところ」はどこか。
(´-`*)きっとあんなふうになるに違いない。
そう考えているのは「どこ」か。
相手の側、外の側にはないと知るべきなのです。
外を見ていませんでしたか?
ありもしない事、あるいは「絶対にない」とは言えませんが、ある・起こり得るかもしれないということ(不安・負の推測)を、我が内なる頭の中、心の中で思い起こしていたはずです。
たとえば見ず知らずの泥棒に遭遇したとしても武道の達人とシロウトであれば対応が違う。
武道の達人は相手と同化して、いかに相手を制圧するかに心を注ぐ。
シロウトさんは自分の心の恐怖にやられてしまう。
侵入者や泥棒の側だって本当はおどおどしている。
自分の心に臆するものは相手の悪意に打ち勝つことすらできないでしょう。
だからこそ、制すべきはわがこころ。強化すべきはわが心。
場所が変わった、職場が変わったと言ってもいずれはひょっとするとまた同じようなイカツい相手に出くわさないとも限りません。だからこそ、その時に備えて心をタフにする必要があるはずです。
心は自分が出した毒によって傷つくのです。
仮に相手が罵詈雑言を言ったにせよ、仏道の達人は傷つきません。
やーい、お釈迦さまのイボイボ頭。仏頂ヅラ。
えーん
お釈迦さまがもしそれで傷つくようなったら頼りないですよね。
仏さま、覚者、禅を学び極めた人は自らが自らの心を自らの修行で統治した人ですから動じなくなるのです。だからこそ、修行はある。心を傷つけないための修行はやる意義がある。やる価値がある。
あなたのような人のためにこそ、仏道の修行はあるのです。
何故なら人生の生老病死、四苦八苦は虫歯一つですら他人まかせにできない。
あなたの不安や恐れ・臆する心はあなた「が」あなた自身「で」きちんとおさめる必要があるはずでしょう。
これを読んで、ん、そうだな、と関心をお持ちになられたらご連絡ください。
(どなたでも)
心を強くしたければ自分が自分の心を強くしようと志さない限りはか・わ・り・ま・せ・ん。

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有り難し
おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

コンパッションから。

くるみ 様 相談ありがとうございます。

元、上司のパワハラからくるトラウマとフラッシュバック。お辛く苦しいと思います。
トラウマの体験をすると、記憶システムに留めてしまいます。そして何かをきっかけに、時間や場所に関係なく、今起こっているかのように、記憶を戻し、不快な感情を呼び起こします。実はこれは人の脳のシステムで、あなたに責任があるのでもないし、自然現象です。脳内では大量のストレスホルモンであるコチゾールが放出されるといわれています。人が脅威から身を守るために備わった脳のシステムですが、なかなか脳の制御ができません。
対処はいろいろあると思うのですが、私のお薦めは、セルフ・コンパッションです。
まずは、マインドフルネスの瞑想で、自分の今の状態に注意し、気づき、客観的に見れるようになること。
次に、スージング・リズム・ブリージング、といいまして、心地よいゆったりとした自分の呼吸を行い、身体と心を落ち着かせていくこと。
そして、自分に癒しや思いやりや優しさを向ける、慈悲の瞑想をすることです。
こうすることで、トラウマやフラッシュバックの脅威が鎮静化していき、だんだんと安全で安心の心の状態を獲得できるようになります。脳内ではオキシトシンが放出されるといわれています。
詳しくは、コンパッション・フォーカスト・セラピーで検索していただければ、上記内容の実践方法の本やセラピストが見つかると思います。
セルフ・コンパションでも、マインドフルネスでも、慈悲の瞑想でも検索していただくとさらに幅が広がり、自分を癒す方法が見つかると思います。
どれも仏教の慈悲の精神からきています。
「あなたが幸せになりますように。苦しみから解放されますように。喜びが分かち合えますように。平穏が訪れますように。」
参考にしてください。一礼
追申:お礼メッセージありがとうございました。自分に優しさとか思いやりを向けることが、本当は心が強くなります。自分に責任も勇気持てますし、寛容になれるでしょう。人はそのことになかなか気づかないのです。コンパッションに興味があればどうぞお知らせください。入門ぐらいは説明できますので。この度のご縁に感謝申し上げます。再礼

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おきもち

個別相談可能
お寺の法務(法事などのご先祖の供養)と 唱題行・写経・法話・カウンセリング、コーチングなどで活動しています。 メールでの相談も受け付けています。hasunohaの回答後のフォローアップはメールで致しておりますので、メールでお問い合わせください。また面接でのカウンセリングセラピーをご希望の方もメールで連絡をお願いします。 honsyoji.sk@ddknet.ne.jp へどうぞ。
昼間は、ほとんど法務に出ておりますので、夜の応対になります。 できれば、事前にメールで相談内容を教えていただければ、スムーズなセッションになるように思います。 プライバシー、相談内容の守秘義務は遵守いたします。

質問者からのお礼

丹下さま
確かに思い込みが強い部分もあり、外側を見ていたのかもしれません。
心を強化する必要があるということ、よく分かりました。
貴重なお時間を割いて、ご回答いただきありがとうございました。


釋さま
具体的な対処方法をご教示くださり、ありがとうございます。
セルフ・コンパション、これから実践してみようと思います。
優しいお言葉、感謝申し上げます。

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