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釈尊の悟りは神通力を得た結果?

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有り難し有り難し 7

 仏教には「一切智」という言葉があるそうですね。下記の資料で知りました。
2021-01-12
 一切智とは三明のこと
 仏陀は、6年間にわたる苦行(断食行と止息行からなる)は、何ももたらさないと考え、スジャーターからもらった乳粥を食べ、瞑想に入ります。 そこで、四禅を行じ、三明を得ます。
この三明こそ、仏陀の悟りを解き明かすものです。 仏陀が言う一切智とは三明のことです。
三明とは、宿住智、天眼智、漏尽智のことです。
【宿住智】についての記述
わたしは欲するままにさまざまな過去の生存を思い起こす。
すなわち一つの生涯、二つの生涯、三つの生涯、四つの生涯、五つの生涯、十の生涯、二十の生涯、三十の生涯、四十の生涯、五十の生涯、百の生涯、千の生涯、十万の生涯、幾多の消滅の劫、幾多の生成の劫、を思い起こす。
そこにおいては、わたしはこのような名前であり、このような姓であり、このような種族であり、このような食べ物を食べ、このような安楽と苦痛を感受し、このような寿命をもっていた。
そのわたしはそこから死没してこのところへ再生し、そこでも、このような名前であり、このような姓であり、このような種族であり、このような食べ物を食べ、このような安楽と苦痛を感受し、このような寿命をもっていた。
そのわたしはそこから死没し、この世へ再生した。
このように様々な過去の生存を、様相と細かな状況ともども、思い起こす。

(後略)
 この桁外れの記憶力は神通力に依るものではないでしょうか?「欲するままに思い出すことが出来る」とは単なる記憶ではなく神通力を発揮したときそれが可能になると考えられます。
更に濾尽智ではより深い瞑想にふけり、宿住智以上の神通力を深め、それよりはるかに遡って物質誕生以前の宇宙まで見通して得た、実体がない「空性」を発見したのです。
 駒沢大学学長を歴任された水野弘元先生は著書「釈尊の生涯」で次のように語られています。「後夜には、世界人生の真理に関する智慧としての濾尽智通(濾尽明)を得たとせられる」と表現されましたが、「世界」は多分「諸法」の翻訳と思われますのでこれを「宇宙」と翻訳されていたら「世界人生」が「宇宙人生」即ち「宇宙生成に関する智慧としての濾尽智通」となり、世間の注目を浴びて早い段階で「空性」とは何かが明確になったと思います。

2022年4月13日 15:54

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

最高の神通力は漏(煩悩)が尽きること

三明の中でも、漏(煩悩)が尽きることが最高の神通力でしょう。
悟りとは、煩悩(悩み苦しみの原因)が滅びることなのです。
他のどんな神通力を持った仙人や神々でも、煩悩が残っていれば悩み苦しみが残っている。
お釈迦様は、真理を悟り、生きものが生まれながらに持っている「勘違い」を解消し、悩み苦しみを繰り返す世界から卒業されたのでしょうね。
追記
苦・無常・無我に気付く(悟る)→煩悩が消え、輪廻の原因である渇愛が消える→最後ゅ寿命が尽きて無余涅槃(平安なる滅び、全きニルバーナ、生き物の世界からの卒業)。
となるのでしょうね。

2022年4月13日 21:22
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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

 願誉浄史 ご住職様 ご回答を有難うございます。
 語彙からは漏(煩悩)が尽きるとは確かにそうですが、それは実践の結果実現する事項で、何故尽きるかの真理が悟りの結論です。
 ここで仏教と科学が真理として合致するのです。
 ちょうど4月10日22時NHKが「映像の世紀アインシュタイン」で科学真理「物質とエネルギーの関係e=mc^2」を放送していました。
 これが仏教の「色即是空(性)」そのものなのです。「色」が物質なので「空性」はエネルギーの事なのです。
 「煩悩が尽きる」とは心と言う物質がエネルギーの還ることです。
 縁起について正しいか怪しいですが「思いがあれば心がある」、「思いがなければ心がない」とすれば、「煩悩が尽きる」とは「思いを無くす」ことです。
 出所が明らかではありませんが、たしか般若経で、「悟ったと思ったときはまだ悟りではない。その思いを無くしたときが悟りである」とありますので、悟り(涅槃)とは思いを無くしてエネルギーに還って絶対にこの世に戻れないことを言っているのかなと勝手に考えています。
 口幅ったいことを申し上げて大変失礼いたしました。
 
 
 
 

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