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チベットのダライ・ラマ法王の話は本当?

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有り難し有り難し 11

今まで来世・霊魂・輪廻転生について質問しました
ご丁寧な回答ありがとうございます

回答を頂いた内容だけでなく、他の質問に対する回答も読むようにしております。

そこで新たに知りたいことが出てきたので
日本になじみのないチベット仏教について質問します。

【質問 その1】
チベットのダライ・ラマ法王とは日本の僧侶から見てどんな立場の方なのでしょうか?

①日本に存在するカトリック教会から見たローマ法王のように頂点に立つ人物である認識ですか?
②日本の仏教界から疎遠にみられているのでしょうか?
③昔の院政をしていた皇族(白河法皇など)のように高貴な身分の人と言う認識でしょうか?

(②ならば キリスト教における カトリックとプロテスタントの関係、イスラム教のスンニ派とシーア派の関係のようなもの)
(③ならば人の道を説く宗教家と言うより権謀術数を駆使した政治家)

【質問 その2】
チベットの ダライ・ラマで検索すると 以下のような話が出てきました
https://diamond.jp/articles/-/34724?page=2
上記サイトから転載
 輪廻転生、前世の存在については、現在まで多数の文献等に報告されています。
 また、チベットのダライ・ラマ法王は何度も転生を繰り返しているとされ、その位の継承は、代々転生者(生まれ変わり)を探し出すことでなされています。法王が亡くなると、次に生まれ変わってくる方角などが予言され、数年後、それにあてはまる幼児を探し出すと、先代の遺品を選ばせたり、先代の身近にいた人物を見分けさせるなどして前世の記憶を試すのです。現法王も幼少時に、先代ダライ・ラマ13世の愛用していた数珠を見分け、側近の名を迷わず言い当てたと言います。

この話は信憑性の高い話なのでしょうか?

【質問 その3】
 上のURLは 東大病院で責任のある地位にいた医師が書いたものです。
ここでは 前世の記憶がある人の話が出たり、 霊媒師を通して自分の亡母と会話をした話が出ています
 Yahoo 知恵袋ではこのようなQ&Aもありました
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14270511814

これを読んで お坊様はどのような感想を持たれますでしょうか?

2023年2月10日 23:27

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ダライ・ラマ法王猊下について

正一さま

ダライ・ラマ法王猊下は、先代の13世の頃より日本との関わりがあり、同じ仏教国として仏教の興隆のために、特に14世は何度もご来日なさられて説法、講演を頂いております。東日本大震災等、日本の安寧のために、世界平和のためにと何度もご来日時においては法要をお勤め頂いております。

また近年においては、密教の伝道にもお力を頂いており、高野山で行われた密教の数々の灌頂を始めとして、清風学園では無上瑜伽タントラの灌頂も大阿としてお勤め頂きました。

気さくでおちゃめな人柄がメディア等で賑わうことがありますが、中国のチベット侵攻を受けて、亡命政府、チベット人民とチベット仏教界を長年にわたり支える屋台骨としてご苦労なさられておられます。

もちろん、非常に厳しいチベット仏教における顕密共の修学もなさられており、幅広い知識、知見、長年の瞑想などの密教修行から、私たちに分かりやすく仏教をお説き下さっており、そのご様子は日本語通訳を介してほとんどYouTubeで拝聴できます。

https://www.youtube.com/@dalailamajapanese

ダライ・ラマ法王猊下をはじめとしたチベット高僧、リンポチェと尊称されている方々は、自らの意思で再びこの世に転生して、私たちを導いて下さる存在となられることがあります。トゥルクと言われる存在です。

このことは、「ダライ・ラマと転生」(石濱裕美子先生・扶桑社新書)や映画「クンドゥン」などから知ることもできるでしょう。

最近のドキュメンタリー「輪廻の少年」も。
http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=181213

死・中有・再生のプロセスについては、下記が参考となります。

「ゲルク派版 チベット死者の書」ロサン・ガンワン、平岡宏一先生(学研文庫)

三身修道と言われる難しい密教修行を通じて、自らの意思で次の転生先へと向かうことができるようになりますが、よほどの境地の高い者でなければ無理なことであります。

リンポチェ、トゥルクは、幼い頃に前世の記憶があることがあり、前世での弟子や使っていたものを正確に覚えておいでで、それをもととして色々と試験されて生まれ変わりと認定されることになります。この様子は、映画「クンドゥン」でも取り上げられています。

合掌

2023年2月11日 11:12
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有り難し
おきもち


三休さん
二休みも三休みもしてしまう怠け者。三休です。 最新の仏教論考はこちら...
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質問者からのお礼

詳しい説明ありがとうございました。
このサイトで聞きたい話がいろいろあるので
この話題についてはまた後日質問するかもしれません
ありがとうございました。

「仏教全般」問答一覧

仏教はその目的の実践以外何もない(3)

 城邑(南伝 相応部経典 12.65. 城邑)  前略  その時、世尊はかように仰せられた。  比丘たちよ、わたしは、まだ正覚をえなかった修行者であったころ、このように考えた。(この世間はまったく苦の中に陥っている。生まれては老い衰え、死してはまた再生する。しかもわたしどもは、この老いと死の苦しみを出離するすべを知らない。  まったく、どうしたならばこの老いと死の苦しみを出離することを知ることができようか)と。  後略  (私見)  釈尊の説教にしては珍しく、修行者であった過去の苦労を述懐しています。  輪廻転生は既に先達が確認しているので、終始その出離を模索していたことになります。  生があれば自然の摂理で老病死は免れず、仏教とて救うことは出来ません。  死後は苦が無くなるので、仏教は救う必要はありません。  再生を断ち切ることだけが、仏教の救いです。  仏教はその目的以外何もないのです。  「生」については、心が永続するとなれば誕生の仕組みが常識と大幅に変わります。  渡哲也の病状に関して、一時テレビに出演した臨死体験者の新堂のぶ子氏は、講演会で「親が子を生むのではなく、子が親を選択する。」と述べています。  また「子は授かりもの」とも言います。  またある宗教学者が、多分「大縁経(広縁経?)」に「意識が母胎に流れ込むことによって、そして、そこで身心(名称と形態)が増大することによって、この世に転生するありさまを説明した。」と伝えています。  このことから想像すると、総てが自分の意思で生まれたのだということになります。  親は唯この世で生きるために身体を作ってくれたのです。従って「生老病死」は自己責任です。   因みに、浄土宗ではお説教の初めに三帰衣文を唱和するそうですね?  その内容は「この身今生において度せずんば、さらにいづれの生においてかこの身を度せん」だそうですね。  「度する」は多分般若心経の結論である、「照見五蘊皆空 度一切苦厄」の「度」ですから 正に「仏教の目的」そのものです。

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仏教はその目的の実践以外何もない(2)

 阿含経典 縁起 (南伝 相応部経典 12.3. 道跡) 前略  「比丘たちよ、正しからぬ道とは何であろうか。  比丘たちよ、無明によって行がある。(以下十二支縁縁起)受→愛。愛→取。取→有。有→生。生によって老死・愁・悲・苦・憂・悩が生ずる。かくのごときが、このすべての苦の集積のよって起こるところである。  比丘たちよ、これを正しからぬ道というのである。  比丘たちよ、では正しい道とはなんであろうか。  無明を余すところなく滅することによって行は滅する。(以下十二支縁起)愛→取。取→有。有→生。生の滅することによって老死・愁・悲・苦・憂・悩が滅する。このすべての苦の集積のよって滅するところである。  比丘たちよ、これを正しい道というのである。」  (私見)  仏教を知らない人は、皆「無明」なのでしょう。だから縁起に従って生まれてきます。  それは正しい道ではないと警告しています。  生まれてきた人間にお前は正しくないと言われては、何とも救いがなく宗教にはなりません。  従って仏教は「真実の教え」であって生きている人間には救いもなく大変冷たいのです。  救いは次の「正しい道」だと教えています。  しかし無明を「有明」にするのであれば比較的易しいですが、無明を「滅する」となっていますので、とんでもない話です。比丘には「涅槃」を勧めています。いわゆる「心の死(エネルギー化)」ですね。   唯「目的」は「解脱」となっていますので、衆生には、浄土(天界?)へ行く「生まれ変わらない」道をを含んでいるようですので少しは安心です。

有り難し有り難し 4
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仏教≒物理学と言われたけれど?

 いつもお世話になっております。常々こちらで申し上げております 通り、私は、昨今の仏教情勢に強い危機感を感じています。この道に 関心や知識のない方からは、 「仏教は、非現実的で、拝めばどうにでもなると思っている偶像 主義・神秘主義で、拝んでいない奴は救われない、拝んでいる自分 たちは特別な存在だと思い込んでいて、現実的な考え方ができない 人たち」 という印象を持たれ、信者側には、 「拝んでいない連中は、貧乏暇なし。私たちは、拝んでいるから 努力しなくてもいい。神仏が何とかしてくれるから。全ては、 神仏の働きによって成り立っている。拝めばなんとかなる。 ○○寺は強い、××寺は弱い。だから○○寺のお守りを持って いれば、力を得られる」 などという、宗教ではなくオカルト的な認識が蔓延しています。 信者だけでなく、本山や有名寺院まで、オカルトビジネスで 儲けています。  私もそんな愚かな妄信者でしたが、こちらのお坊様のお話を 勉強させていただくうち、 「世の中でまことしやかにささやかれているオカルト的な考え方は、 本当の仏教じゃない。仏教は、とことん現実を見て、現実に存在 する事物を駆使して苦しみを除き、間違った論説に惑わされず、 冷静に生きていく教えなんだ」 と感得しました。  そこで私は、学生時代に大嫌いだった理科を学ぶことにいたしました。 基礎、有機、生化学の教科書が家にあります。白衣も、簡単な実験器具 もあります。  近所のお寺の住職様にこの考えを伝えたところ、 「化学もいいけど、物理が大事な気がするなあ」 と言われました。  しかし、物理は戸口が大変広い学問です。力学、電磁気学、量子論、 相対性理論、光学…身近な例だと、心霊写真は光学でしょう。霊感は、 精神疾患や劣悪な環境(カビ毒など)、低周波音が原因といわれる ので、化学なら生化学、物理なら音波…  色々調べているのですが、わかりません。大学に行けば、と言われ そうですが、私は持病があり、大学受験に割くことのできるエネルギー がありません。市民講座や、好きな科学者さんの実験ショーにはお邪魔 しようと考えていますが…  物理学の中では、何が一番仏教に通じていますでしょうか? ご高見を賜りたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

有り難し有り難し 7
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仏教はその目的の実践以外何もない(1)

 「仏教の目的」とは「輪廻転生からの解脱」ですが、阿含経によれば、それだけと言う大変厳しい教えです。  従って、この説教は釈尊の予言通り、没後500年で滅亡したようです。  自己否定の説教では誰も就いていけなかったのでしょう。  現代の仏教は四苦ではなく多くは「老病死」の三苦となっていますが、滅亡した仏教では「生」が最大の問題です。  以下順を追って経典を眺めて見ます。 阿含経典 縁  (南伝 相応部経典 12.20. 縁 )  前略  「比丘たちよ、縁起とはなんであろうか。生によって老死がある、という。このことは如来が世に出ようとも、また出まいとも、定まっているものである。」(以下略)  (私見) ここで「縁起」とは「生老病死」の四苦を言い、しかもそれは仏教とは関係のない、自然の摂理であると断定しています。  自然の摂理ですから、仏教はそれを救うことは出来ないと言う意味に取れます。 生まれたら苦しみを逃れるにはひたすら死を待つだけです。死ねば四苦から解放されます。  死後が無ければ、それですべて解決しますが、身体(色)は死んでも心(受想行識)は同時には死なないようです。身体は構造が複雑ですから故障しがちですが、心はその構造もわからず、臨死体験から想像すると多分空気のように軽いでしょうから、死ぬ要素が無いのでしょう。だから仏教では「死」を死と言わず「往生」と言っています。  従って仏教の救いは死後にあると言いうことになりますが、四苦が無いですから、仏教の出番は無い筈です。  多分前世に残った欲の記憶が、再び生へのあこがれになるのでないかと思います。  これは人間に限らずすべての動物に共通の営みでしょう。  これ等を生前に理解して実践し、再び出生しないよう救うのが滅亡した仏教です。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ