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仏教はその目的の実践以外何もない(2)

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有り難し有り難し 4

 阿含経典 縁起 (南伝 相応部経典 12.3. 道跡)
前略
 「比丘たちよ、正しからぬ道とは何であろうか。
 比丘たちよ、無明によって行がある。(以下十二支縁縁起)受→愛。愛→取。取→有。有→生。生によって老死・愁・悲・苦・憂・悩が生ずる。かくのごときが、このすべての苦の集積のよって起こるところである。
 比丘たちよ、これを正しからぬ道というのである。

 比丘たちよ、では正しい道とはなんであろうか。
 無明を余すところなく滅することによって行は滅する。(以下十二支縁起)愛→取。取→有。有→生。生の滅することによって老死・愁・悲・苦・憂・悩が滅する。このすべての苦の集積のよって滅するところである。
 比丘たちよ、これを正しい道というのである。」

 (私見)
 仏教を知らない人は、皆「無明」なのでしょう。だから縁起に従って生まれてきます。
 それは正しい道ではないと警告しています。
 生まれてきた人間にお前は正しくないと言われては、何とも救いがなく宗教にはなりません。
 従って仏教は「真実の教え」であって生きている人間には救いもなく大変冷たいのです。
 救いは次の「正しい道」だと教えています。
 しかし無明を「有明」にするのであれば比較的易しいですが、無明を「滅する」となっていますので、とんでもない話です。比丘には「涅槃」を勧めています。いわゆる「心の死(エネルギー化)」ですね。 
 唯「目的」は「解脱」となっていますので、衆生には、浄土(天界?)へ行く「生まれ変わらない」道をを含んでいるようですので少しは安心です。

2023年4月30日 17:17

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

生きることから卒業

空腹だった人が食べ物にありついたら食べる。そして、食べることに満足した人は食べるのを止めます。
では、生きること(輪廻転生)に満足したらどうなるのでしょうか。
生きることに満足したら、生きるのを止めて輪廻転生(生きものであること)から卒業するのではないでしょうか。
それが平安なる滅び、全きニルヴァーナなのかもしれません。
私たちが先天的に持っている無明という勘違いは、とにかく生きて生きて生き続けた方が良いのだ、私という存在は滅びない方が良いのだという「勘違い」。
でも実は、生きることに満足したら生きる必要が無くなる。
だったら滅びても構わないじゃないか。
ブッダは私達に、満足して卒業するという選択肢を教えてくれたのかも知れません。

2023年5月3日 1:38
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質問者からのお礼

 願誉浄史御住職様
 ご指導を有難うございます。
 早くからネットで十二支縁起という言葉での議論を何度も見て、多くは「生」は苦ではなく「老病死」の表現が多く見られましたが、「正しからぬ道」とは思わずこれにショックを受けました。
 人間以外の動物は知恵が足らず、永久に輪廻転生を繰り返すのでしょうが、人間は知恵を働かしてニルバーナへの努力を進めることが可能ではないかと思います。
 しかし中には、苦を問題にしない人も昔は居て、それを逆用して例えば楠木正成は「七生報国」と叫んで湊川へ赴きました。

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良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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