子育てに失敗したくない気持ちが強いです
幼稚園年少組に入園したばかりの一人娘の子育てについて、どうしても「失敗したくない」と考えてしまいます。
30代半ばでようやく授かった可愛い娘です。家にある絵本の内容を諳じたりアンパンマンの絵をそっくりに描けたりと大人を驚かせるような器用さがあり、性格も明るく社交的で、入ったばかりの幼稚園でも元気に過ごしているようですが、一方で偏食がひどかったり、病院が苦手で赤ちゃんのように泣きわめいてしまったり、ちょっとしたことで癇癪を起こしたり、3歳にしては幼くて困ってしまう部分もあります。
「完璧な育児など不可能」と頭では分かっているのですが、感情的に叱り過ぎてしまったり、逆に甘やかしてしまったりしたとき、「今やった私の行いの所為で娘の将来に影を落とすようなことがあったらどうしよう」という不安がよぎります。
私自身は、親から愛されて育ち、もちろん辛いことや苦しいことはありましたが、自分で乗り越えられるだけの生きる力は身に付けさせてもらったと思っています。
私も娘にそのようにしてあげたいのですが、親の私がこのような不安を抱いているのは良くないと思います。
日々、どのような心持ちで子育てに臨めばいいのか、ご助言頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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安全な港
奈美 様 相談ありがとうございます。
子育ての肝は、家庭が「安全な港」になることだと私は思っています。
安全であること。見守られていること。なだめられていること。安心していること。とお子様が感じられることが大切ということです。
そしてそれに、完璧になる必要はないということです。
失敗したなとか、間違ったなと思ったら
素直にお子様に謝り、修正していけばいいと思います。
子育てに決まった教科書はないので、おおらかにいきましょう。
お子様が年少さんなら3歳とか4歳ですよね。
ということは親になって3年生~4年生です。
まだまだ親も学習中ですね。失敗してもいいということです。
焦る必要はありません。
お薦めの参考書を上げておきますので、読んでみてください。
ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン著
『生き抜く力をはぐくむ愛着の子育て』(大和書房)
さらにもう一冊、もし自分(親の方)が傷ついていると思ったら読んでみてください。
友田朋美著『親の脳を癒やせば、子ども脳は変わる』(NHK出版新書)
です。
子育てしたらイライラすることもあります。
まずは深呼吸して、お子様にどんな言葉がけをすれば愛情が育まれるか、ちょっと立ち止まって考えながら応えていきましょう。
参考にしてください。一礼。
追伸:お礼メッセージありがとうございました。
色々困った時は、お互い様です。繋がりを沢山持っていればそれだけ子育ての選択肢も増えますので、遠慮せずに、またどうぞご相談ください。この度のご縁に感謝申し上げます。再礼
追追伸:お気持ちもありがとうございました。感謝申し上げます。お気軽に何なりとご相談くださいね。合掌礼
育児のこだわりを手放す
奈美さん、はじめまして。質問を拝読しました。
奈美さんは、子育てについて、どうしても「失敗したくない」と考えてしまうのですね。絵本の内容をそらんじてみたり、絵が上手だったりして大人を驚かせるような才能がある一方で偏食があったり、癇癪を起こしたりして親の手を煩わせることがあるのですね。
奈美さんも「完璧な育児など不可能と頭では分かっている」と書いておられるとおり、育児には子どもの数だけ方法があります。正解はないというのが正しいですね。子育て経験者としては、子どもが成人しても子育てに関しては反省ばかりです。彼らの幼い写真を見ては「もってできることがあったのでは。もっとこうしておけば良かったのでは?」といまだに胸をつかれます。
仏教でお釈迦さまが開いた悟りとは「あきらめる」ことでした。老いや病い、死に対する恐怖から逃れるためにお釈迦さまは出家しましたが、結局は老いや病い、死から逃れることができないのだから、こだわることを「あきらめる」ことこそが悟りであると見つけたのです。そして正しい道を歩きなさいと説きました。
奈美さんの育児に対する「こうでなくてはいけないのでは?」というこだわりを手放して正しい見方をするという道を歩いてもらいたいと思います。これは、私が子育ての反省から得た知恵です。
合掌
質問者からのお礼
お忙しい中ご回答頂きありがとうございました。
失敗してもいい、焦らなくてもいい、間違ったと思ったら娘に謝ってその都度修正していけばいい……心に刻みます。
参考書まで教えて頂き、本当にありがとうございました。
娘にとって安心できる親になれるよう、これからも誠心誠意向き合っていきたいと思います。
中村様
お忙しい中ご回答頂きありがとうございました。
ご指摘頂いたように、私は「失敗してはいけない」「娘のために正しい育児をしたい」とこだわりすぎていたと気付きました。
こだわりを手放し、正しくあきらめることは大切ですね。少しずつ気持ちが楽になってきました。本当にありがとうございました。