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親の死が近く、自分の命も不安に

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有り難し有り難し 33

はじめまして、よろしくお願いします

母がこの度進行癌になり、余命がある程度わかる状況です

母60代、私30代の男性ですが、仲は良く
同居しながら自営で仕事をしていた矢先です

質問としては、母の死を意識すると
私の命までそこで終わってしまうかのような
恐怖感が強く、これは異常なことなのじゃないかと

仏教、浄土、愛別離苦、色々な見方から
自分も、強く生き抜きたいですが、
どうにも気持ちが生死から離れません

母をしっかり見送り、先を過ごせるよう
何か教えをいただけませんでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

お母さんの命はお母さんだけの命

お母さんの命はあなたが生まれる前からずっとまっとうされてきた命です。
この世であなたを誕生させ、今日まで見守り続けてくださいました。
恩に報いんとするに酬いがたいものがありましょう。
できる限り近くに居て差し上げてください。
孝順の心、報恩のまことをつとめましょう。
小さい頃のあなたの事、お父様のことなどいろいろ尋ねられると良いでしょう。
亡くなられてしまってはお話ししたくても直接お話しすることはできなくなります。
一休さんもお母様に平たい言葉で仏の教えを説き聞かせたと言います。
仏の教えを説き聞かせるとは、質問者様にとっては、お母様の一番の苦しみを取り除いて差し上げる事を言います。
今後自分にどう生きてもらいたいか、お母さんが亡くなられ後、どうして欲しいかを坊さんから聞いておくように言われたと、お伝えし、お母様のお心を引き出して差し上げてください。
親子だからこそ話せないこと、話しがたいことがあると思います。
どんな些細なことでも互いにうち明かして赦し合って、感謝の気持ちを捧げ合うことこそ、最上の親子関係ではないでしょうか。
あなた自身の死はあなただけのものです。
あなた自身の生はあなただけのものです。
生あるうちに生老病死の苦しみを超える、離れる、解き放たれる心の在り方を求めて、探究して、学び、得るべきです。

曹洞宗では葬儀の際に初めにこのように説きます。
「三界に流転する中で、恩と愛の心を断つこと能わず。然りと言えど、恩愛に執着する心を離れ無為(悟り・正覚)の心に入るものは、真実の報恩者である。故に(互いに)仏道を歩みなさい。」
死を、別れを、そして恩愛の心を超える、昇華する、最上のものにする、ということがあるのです。

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有り難し
おきもち

お悩み相談08020659278
今月の法話 文殊の剣 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞(本文より) 「大丈夫、慧の剣を取る。」 大いなる菩薩や老師は智慧の剣を取って、人の迷いの見解を断ち切り真実の姿をみせてくださいます。 智慧の剣とは人間の自我、我見の無いこころからなる、無垢で清らかなる「事実の様子」「本来の様相」を見極める力ともいえましょう。 それこそが智慧の剣なのです。 文殊とは自己を鎮め得た者の姿。 人間の内なる思慮分別の猛獣を修め得て、その上に鎮座する姿。 事実を事実のとおりに見るということは、余分なものがないということです。 そこに現れる余分な見解というものを断ち切った姿。 そもそも、もともと一切の事象、事実というものには余分なものはありません。 とは言えども、それでも人は人の習癖・習慣的に物事に思いをつけたす。 いまや「写真で一言」という要らぬ添え物をするバラエティ文化もあるぐらいですから、ものを本当にそのままに受け取るということをしない。 文殊様の持つ剣、智慧の剣というものは、そういう人間の考えを断ち切る働きを象徴したものです。 その文殊の剣とはなにか? お見せしましょう。 いま、そこで、みているもの、きこえていること。 たとえ文字文言を観るにしても、そのものとして映し出されているという姿がありましょう。 文字として見えているだけで意味を持たせてもいない、読み取ってもいないままの、ただの文字の羅列のような景色としてみている時には、文字であっても意味が生じません。 本当にみるということはそこに安住しています。他方に向かわない。蛇足ごとが起こらない。 見届けるという言葉の方が適しているかもしれませんね。 ❝己がそのものを観ていながらそこに余計な色や思いをつけたさぬその己の様子を「こそ」見届けてみてください。❞それはものの方を見るというよりはそれを見ている己を見つめる姿ともいえましょう。 そういうご自身のハタラキ・功徳に気づく眼を持つことです。 あなたの手にはすでに文殊の剣がありますよ。用いることがないのはもったいないことですね。

諸行無常

まーくん、こんにちは。
お母様がご病気で、何ともやりきれない状態かなと拝察いたします。
ガンで死ぬのがいいと言っていた医師がいました。
それは何故か。死ぬまでの準備が出来るからだと。
人はこの世に生まれた以上、必ず死を迎えます。
誰でも死を意識すると恐いものです。
あのお釈迦さまでさえ死にたくなかったので、必死に不老不死を求めました。
まーくんは、お母様の死を見つめると同時に、自身のこれからの生き方を見つめる絶好のチャンスに居ると私は感じます。
人の命は時間で出来ています。
ならば1分1秒も無駄にせず、与えられた時間を人として精一杯生ききることが、この世で与えられた人としての役割ではないかなと私は感じます。
あせることはありません。
ゆっくり時間をかけて自分の生き方を見つめてください。

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有り難し
おきもち

『般若心経』を梵語(サンスクリット語)で読める日本でも珍しいお坊さんです。 【人生の目的】 世の中の人々によりよい生き方を伝えることである。 【志事】 暗中模索してもがいているあなたに、一筋の蜘蛛の糸のような光を照らすこと。 ☆ブログ【仏の道】 「あなたがよりよく生きるために」必要な情報を毎日発信しています。

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