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悪口と「耳に痛い言葉」の違いは?

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有り難し有り難し 3

 いつもお世話になっております。私は、発達障害です。
少し前まで、人格障害も持っていました。自分勝手で、
横暴で、威張り散らしていました。

 しかし、今の主治医の先生との出会い、人権ヤクザの施設に
当たってしまったこと、私の尊敬する科学の先生(以下「K先生」)
とのご縁(直接お会いしたことはない)のおかげで、このままでは
まずい、と思い立ちました。
 結果、20代になってしまうと治らないといわれる人格障害が、
治りました。

 そして気づいたこと、「耳に痛いご意見」のほうが、自分のために
なるということです。なので、支援者さんには、「イエスマンに
ならないでください」とお願いしています。

 私は、自分と違う意見、自分の属するグループ、自分の好きなもの
に対し相反する意見を、ネットやリアルで積極的に聞くようにして
います。
 しかし、中には、「こんな奴らはいなくなればいい」、「害悪だ」、
「狂人だと思え」「人じゃない」などという強い言葉を使う方も多く、
寝込んでしまうこともあります。

 K先生はご自身の執筆されているコラムで、
「悪口は真に受けてはいけないし、自分が言ってもいけない」
「悪口は麻薬。言っているときは心地よいが、それは、対象を
悪く言って小さく見せることで仮初めの大きな自分を作っている
だけ。本当は自分は成長していない」
「なので、何年か経つ頃には、成長する努力から逃げた、自己の
向上から目を背けていたツケが回ってきて、自分が生きづらくなる」
とおっしゃっています。このお話には、賛同する方が多くいらっしゃい
ました。

 しかし、目の前の話が感情的な「悪口」なのか、客観的な
「ご意見」なのか、私には見抜く力がありません。とある実業家さんは、
「嘘を嘘と見抜けなければ、ネットサーフィンはできない」
とおっしゃいます。これは、実生活でもいえると思います。

 どうしたら、人を傷つけ自分を優位に見せるための「悪口」
と、客観的に、「ここがよくない」「私はこう思う」「こうなればなあ」
という「耳に痛いご意見」を見分けられるようになりますか?

2024年1月15日 8:22

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる

 誰に向けられたものであっても、自分に置き換えて、「やってはいけない行動」を知りそれを慎むことが重要でしょう。そう考えれば「見分ける」必要はなくなります。ただし「意見の違いによる悪口」はただの「ののしりあい」です。近づかないのが良いでしょう。
 注目すべきは『「こんな奴らはいなくなればいい」、「害悪だ」、「狂人だと思え」「人じゃない」』という言葉ではなく、その前に言ったはずの「なぜそのように思ったのか」という理由の方が重要です。人物ではなくその行動が非難されたはずなのです。他人から不快と感じる行動だったのですから、誰に向けられた言葉であっても、自分の事として受け止め、そうならないように気をつける事でしょう。
 お釈迦様も「行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる」とおっしゃっています。

追記
論拠を示されていなければ「ののしりあい」でしょう。きちんと理由が述べられていれば意見でありアドバイスといえましょう。根拠がなかったり誤った根拠による悪口は相手にしないことです。「根拠がなかったり誤った根拠」というのが、またわかりにくいかもしれませんが、「感情的に主張している人には近づかない」などとすれば良いでしょう。まあ冷静にウソばかりを言う人もいますのでね。SNSなどでは、自己紹介や他のつぶやきなどを見て判断すると良いかもしれませんね。

2024年1月15日 10:53
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有り難し
おきもち

・曹洞宗/静岡県/50代 平成27年鳳林寺住職。平成28年hasunoh...
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質問者からのお礼

【光禪 先生】
 お返事いただき、ありがとうございます。
 その…「罵り合い」と「意見の相違」の違いがわからなく
質問しているですが…
 また、「害悪だ」と言ってきた相手が、その論拠を示さずひたすらに
「お前たちなどいなくなってしまえ」
「論拠も理由もない。いわれなくてもわかるだろう。お前たちの存在
自体が害悪だ」
などと言ってきた場合は、どうすればいいのでしょうか?

【光禪 先生へご追記】
 わかりやすいご説明、ありがとうございます。
 馬鹿で申し訳ありません。20代にもなって悪口と意見の違いが
判断できないほど、粗悪な家庭環境で育ったんです。若い今のうちに
教わっておく必要があるんです…ご協力いただけますとありがたい
です……

 根拠がなかったり誤った根拠による悪口、ですね。たとえば、
「オタクは全員常識の通じない精神病者だから、みんなで排除しよう!」
→エンジニアさんなんかは「オタクは誉め言葉」と自分で言っている人も
いる(うちの近所の電器屋さんのお兄さん)。
→オタクを「何か一つのことを一心不乱に学んでいる人」と定義すれば、
お医者さん(精神科含む)や弁護士さんなんかはオタクの花形
→よって、「オタクは常識が通じない(以下略)」論は嘘
となりますね。(「オタクは全員危険な精神病者」という論拠なし)

 「障害者は生産性がないので、淘汰されるべき」
→確かに、施設に入っていて、あーだのうーだのしか言えず、
糞小便も自分で満足にできない人たちもいる
→しかし、今の時代は、重度知的障害者などを雇っている企業もある
→障害者雇用率は年々上がっている。実際、雇用に力を入れている
企業も増えている。統計を見ても、「社会的責任がある」として
雇用を促進している企業が多い
→よって、一概に「生産性がないから(以下略)」とはいえない。
それって貴方の悪口ですよね?(「障害者は全員役立たず」という
誤った論拠)
 障害者関係の主張は、手前味噌になるので、あまり言いたくない
のですが…例えとして。

 ということになりますよね。もしリアルで遭遇したら、相手に、
「なぜそう思うのですか」と訊いてみて、相手が「こうだから」と
建設的な事を言ってくれれば、「すみませんでした、改善します」
と頭を垂れようと思います。

 しかし、相手が、
「そんな事自分で考えろ」「言うまでもないだろう」
という感じで、論拠を示さなかったり、
「お前たちは全員こうだろう」
というように、あまりにも偏りや決めつけが激しい場合は、会話を
打ち切ろうと思います。

 これらはもはや、ディベートでも対話でもなく、相手に対する
「言葉の暴力」というものでしょう。ディベートは時に素晴らしい
アイデアを産むことがありますが、一方的な責めの説教は、暴力で
しかないのかな、と。生産性がないのはどっちだよ!って。

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