人と関わらずに認知症を防ぎたい
ちょうど社会人になったころから、誰かと話すとかなりの確率でその人が怒り出すということが多発するようになりました。
対面時だけでなく電話でも怒鳴られ、「怒っているところを見たことがない」と言われているような温厚な人まで怒らせる始末。しかしその人たちがなぜ怒っているのかは私にはさっぱりわからず…。
それからというもの会話することはもちろん、人づきあい自体が怖くなってしまいました。
自分なりにいろいろ調べて医療機関でたずねてみたところ発達障害のグレーゾーンとのことでした。
以来、「自分から発話しない。そもそも人と関わらない」をモットーにここ20年近くを生きてきました。
この対策が功を奏したのか以前のようなトラブルは激減し、何より私の気持ちが楽なので生涯を終えるまでこの状態でいきたいのですが、誰とも関わらない孤独な高齢者は認知症になりやすいとよく耳にします。
できることならなるべく認知症は防ぎたいのですが、無趣味で友人はゼロ、現在夫と2人暮らしで仮に夫が先立てば本当に誰とも会話しない生活になります。
無理して人と交流する生活か認知症、どちらかを選ばないといけないでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
ささやかな喜びを感じる心を思い出してください
相談を寄せていただき、有り難うございました。自分なりの人付き合いの形を見いだすまでの20年は、とても大変でしたね。よくここまで踏ん張って生きてこられました。今が安定してらっしゃると聞いて、少し安心しました。
これからの人生を考えた時、「無理して人と交流する生活か認知症、どちらかを選ばないといけない」なら、それはとても辛いことですね。でも、あなたが将来認知症になるかは、誰も分かりません。未確定な将来を心配することは、むしろ今日の心身にマイナスの影響を与えてしまいます。
私は、「交流する生活か認知症か」のどちらかではなく、もっと様々な選択肢があること。毎日の生活を充実させることから始めてはとお伝えしたいのです。「無趣味で友人はゼロ」だからダメだ、と思い込む必要はありません。発達障害を抱える人やそのグレーゾーンにいる人で、人との関わりが苦手な人は多いです。反対に、自然や動物や季節のうつろいに関心が強い方は多いです。人は苦手だけれど、その他の物事に心が動く感受性があれば、それで充分です。「今日も朝が来た」「今日もいのちを頂けた」「今日も食事が頂けた」「今日も仕事という役割がある」・・・。これらのことは、本当はあたりまえではありません。日頃は、何気なく見過ごしている、一つひとつに改めて注目してみてください。そして、子どもの頃のようにささやかな喜びや感動を思い出してみてください。
夫さんとは、どのような関わりがありますか?会話をしなくても、お互いの存在に優しさや・安らぎや心強さを感じることが出来ているのなら、それはとても素敵なことですね。可能な家なら、夫さんと相談してペットを飼うことも方法の一つですね。ペットのお世話を通して共通な話題も出来ますし、大切なものに関わることで、あなたの中にも豊かな気持ちが生まれてくるでしょう。
さあ、今日はどのようなことに喜びを感じるでしょうか?楽しみにしながら、お出かけください。行ってらっしゃい!
外を散歩するのも認知症予防に良いそうですよ。でも1人では生きていけませんからご主人がいるうちにご主人と一緒に会話する練習をしてみてはどうかと思いますよ。
質問者からのお礼
聖章様
夫が生きている内に会話の練習をしておく…!色々と難しく考えていましたが身近にあるごくシンプルな解決法に気づいていませんでした。ありがとうございました。
何でも自己責任が問われる世の中、色々と難しく考えすぎて「交流する生活か認知症か」の2択にとらわれていました。まずは今をしっかり生きる、が大切なのですね。
>人との関わりが苦手な人は多いです。反対に、自然や動物や季節のうつろいに関心が強い方は多いです
そうなんです。雨が降る前の香りだとか冬の陽光の美しさ、夕方と夜の間の空模様とかそういったものに強く惹かれます。そういう感受性があれば良いというお言葉にとても救われました。
夫について…もしかしたら、誰でも怒らせてしまうような私とふつうに会話して暮らせている奇跡の人かもしれない!とげんさん様の回答で気付かされました。この縁を大切にしていきたいと思います。
心が温かくなるご回答、ありがとうございました。
(↑宛名を入れ忘れてしまいました。2段目は、げんさん様への御礼コメントです↑)