各宗派での僧侶の呼称について
日本には多くの宗派がありますよね。いままで私はお坊さんに対して、「おしょうさん」と呼んでいたのですが、全宗派の全部のお坊さん・・には使えないことを最近になり知りました。
和尚-Wikipediaによりますと・・・
1.和上(わじょう) 律宗・浄土真宗(儀式指導者に対してのみ)
2.和尚(わじょう) 法相宗・真言宗など
3.和尚(かしょう) 華厳宗・天台宗など
4.和尚(おしょう) 禅宗・浄土宗・天台宗など
5.和闍(わじゃ)
さらにさらに、
6.上人
7.聖人
8.そのた
調べれば調べるほどゴチャゴチャしてきました。
みなさんの宗派では、上記1~8のどれをお使いになりますか?祖師にだけ、宗祖にだけ、始祖にだけ、ふつうの僧侶に対して・・などお教えねがえればと思います。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
真宗大谷派(浄土真宗 東本願寺)では、
聖人は、親鸞聖人(宗祖・祖師・御開山)だけで、以降は〇〇上人(蓮如上人など)になります。
御門徒(檀家)さんがお寺の住職を呼ぶ時は、「御住職」や「御院さん」、「〇〇寺さん」が多いです。文章中に名前を出す時は「〇〇〇〇師」と記します。
ちなみに、住職の配偶者は、「坊守」と呼びます。
和上や和尚は使わないですね。
追伸 私も「和田上人」とか「和田和上」、「和田和尚」とは呼ばれたことはなく、「超覚寺さん」がほとんどです。同業者からは「和田さん」ですね。
和尚(おしょう)さんまでは4つの段階を経て後
これは曹洞宗の公式見解ではありませんが、曹洞宗ではおおよそ「和尚(おしょう)さん」が一般的です。僧堂ではなまって、「おっさん」と言われます。(本当)
⓪「沙弥」…お小僧さん
①「上 座(じょうざ)」…受業師(じゅごうし)のもとで得度の式を終えて
②「座 元(ざげん)」…法幢師(ほうどうし)のもとで立身、立職といい90日間の結制(けっせい)修行を終えて
③「力 生(りきしょう)」…本師(ほんし)より禅僧として一人前になったことを認められ、色のついた袈裟をつけることを許可されて後(本来は悟りを認められ、印可を得て後)
④「和 尚(おしょう)」…人々の悩み苦しみを取り除き、安楽を与え(抜苦与楽)、人心をして無畏安穏の
心に導き得る人天の大導師たる資質をそなえ、さらに両本山で禅師様に代わって一夜の住職を勤め、瑞世(ずいせ)という釈迦の出山にならった世に出ずる儀式を得てのち はじめて 「和尚」と言われます。
⑤「大和尚(だいおしょう)」…仏法を宣揚す(ひろめ)るために弟子をとって90日間の結制修行を終えて
⑥「老師」…修行道場で修行僧を悟らせ得る「師家分上の資質」をそなえた師家、はじめて「老師」といわれます。現代では安易に30~40代から尊称として用いられてしまっていることは残念です。
年を重ねれば老師であると思っている僧侶や、安易に老師、老師と用いる輩はモグリだと思っていただいて結構です。本来は本当に悟りを得て、さらには学人をして正覚に導き得る力をそなえた僧侶でなければ❝老師❞ではありません、と曹洞宗の中でキチンとした方々の中では言われています。
ちなみに曹洞宗では両祖様といい道元禅師さまと瑩山禅師さまを崇めています。
道元禅師 …高祖承陽大師 永平道元大和尚
瑩山禅師 …太祖常濟大師 瑩山紹瑾大和尚
方言のようなもの
よく調べられましたね。
尊敬、敬愛をもって呼べば、どんな呼称でも失礼ではありませんのでご安心ください。
今までどおり「おしょうさん」でよろしいかと存じます。
ちなみに私は真言宗僧侶ですが、3の和尚(かしょう)は真言宗でも用います。
使用例:我が宗祖、弘法大師は空海上人(くうかいしょうにん)であり、恵果和尚(けいかかしょう)の弟子です。
そして、世の中に〇〇大師という大師号を授かった僧侶は大勢おりますが、「大師は弘法にとられ、祖師は日蓮にとられ」と俗に言われるように、単に大師と言ったら我が宗派では弘法大師空海上人の事です。
また、お寺の和尚さんをお坊さん、方丈(ほうじょう)さん、御前(ごぜん)様、おっさん、あんじゅ、ご院下、などなど地方によって様々な呼称で呼びますが、これらは宗派によってというより方言のようなものです。“おっさん”などはお師匠さんやおしょうさんがなまったものではないでしょうか。
ちなみに、住職というのは職業上の役職名です。そういった役職名には長者、猊下、管主、などなどあります。僧侶であっても住職でない方は大勢いますので、ご注意を。
※方丈、坊主、庵主、御前、猊下などは住んでいる場所や、その建物の門、その方を象徴するものなどを差しています。
かつて、高貴な方の名前を呼ぶ時に、その人の名前を直接呼んだり、指し示すことの無いよう、足元しか見ないよう、に敢えてその方の足元を指したりしたそうです。殿下、閣下、陛下、御門(みかど→帝)などと一緒です。言葉には魂が宿るという言霊信仰や呪術が関係していると思われます。
質問者からのお礼
和田隆恩さま、回答ありがとうございます!
では真宗大谷派(浄土真宗 東本願寺)である御院さまである貴方にたいし、和田隆恩上人とはお呼びしないのでしょうか・・・。
増田俊康さま、回答ありがとうございます!
さらにくわしくご説明いただき、感謝感謝です。これからも自信をもって尊敬の念から「おしょうさん」とお呼びしたいと思います。
また、和田隆恩さま、追記ありがとうございます!