過去の思い出から抜け出す方法はありますか?
わたしは高校を卒業して10年以上経つのに、いまだに思い出から抜け出せません。
高校時代が本当に楽しくて、幸せで、何もかも頑張れていて、あの頃の自分と比べてしまいましす。
今は今でとても幸せですし、不満があるわけではありません。
今でも忘れられないくらいすばらしい経験ができたことに感謝するべきだとも思います。
でも、本当に苦しいんです。思い出すと胸が締め付けられて、涙が出ます。戻れるものなら戻りたいと思ってしまいます。
どうしたらいいんでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
学生時代以上の思い出を
yuka 様
ご質問拝読しました。学生時代が楽しくて充実していたのですが、とてもよいご経験をお持ちでいらっしゃるようで、素晴らしい青春だったのですね。
しかし残念ながら、この世は無常ですから、過去に決して戻る事はできません。そんな事はお分かりだとおもいますが、しかし今もお幸せなのに、なぜ思い出して切なくなるのでしょうか。
無理をして今、私は幸せと言い聞かせたりしておられないですか。無理しすぎるのはいけませんよ。
それぞれの年代で楽しい事や充実感は変わってきます。
学生時代よりも、大人になると、ルールなどが厳しくなったように感じ、ドンドン自分の自由が無い様に思われるかもしれません、しかしそんな事はありません。義務は沢山生まれるかもしれませんが、学生時代に出来た事が大人になってできないなんて事は決してありません。
いろいろとチャレンジしてみましょう。
それと一度高校時代の友人と同窓会など開かれてみはいかがでしょうか。
それぞれがどんな大人になっているのか会うのも楽しいですし、当時の思い出話にも花が咲く事でしょうし、チャレンジしている人も沢山いらっしゃる事とおもいます。
思い出はいつまでも大切なものですが、縛られる事なく、今の生活を満喫するためにあります。良き思い出をバネにドンドンチャレンジして頂き学生時代以上の思い出をつくってみてください。
過去について
yuka様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
厳密には、過去は実体としてはあり得ません。
既に過ぎ去ったものであるとして、それは理解できるのではないかと存じます。
では、未来はどうでしょうか。
実は、未来も実体としてはあり得ません。
まだ来ていないのですから。
では、現在はどうでしょうか。
実は、現在も「これが現在」として時間が止められない限りは、あり得ません。なぜならば、現在と言ったそばから、次の瞬間には、それは過去になるのですから。
じゃあ、何があるのかと言いますと、「今」「今」「今」・・としての「瞬間瞬間の連続」があるだけであり、過去も現在も未来も本当は無いのであります。仮に時間が止まったとして、それが現在だとしても、それなら、過去も未来も当然に無くなってしまうことになりますし、時間を認識する存在自体もあり得ないことになってしまいます。
さて、ここまで少し難しいことを申しました。確かに、過去は今の瞬間瞬間の連続の自分に繋がっていますし、未来の自分にも繋げていくことができます。戻れることはできないけれども、今の自分の中に過去の自分は確実にあるとは言えます。但し、過去の自分と完全に同じではあり得ません。また、過去の自分と今の自分は連続して繋がっているものとしては、異なっているとも言えないということで、仏教的には「不一不異」と言うことにはなります。
とにかく、山崎蓮志様のおっしゃられていることと同じになりますが、「過去」の自分は、今の自分の中に確実にあるのだとして、その「過去」に感謝なさられつつ、良い思い出として大切にして、「過去」があっての今の自分の幸せというものもあるのだ、ということにもしっかりと理解することにより、過去への過度なとらわれは無くして、今、幸せであるために、するべきこと、なすべきことに注力して参りたいものでございます。
川口英俊 合掌