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除夜の鐘をうるさいという人、楽しみにしている人

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NHKの風土記という番組で、徳島の阿波おどりが特集されていました。
大通りを踊り歩く他に、各町々でも小規模ですが踊りを披露して、いい光景だなと久しぶりにテレビ📺に見入っていました。
しかし、途中で警察がきて、騒音の苦情がきたので町中で踊るのをやめてほしいと、後味の悪い終わり方でした。

お寺でも除夜の鐘がうるさいと苦情がきた結果、鐘をつくのをやめたり昼間についたりするお寺もあるようです。
世のうつりかわりといえばそれまでですが、やっぱり楽しみにしている人もいるわけです。
しかし、苦情をいう人の気持ちもわかります。ゆっくり寝たい人もいるでしょうし、正月とはいえ朝から仕事の人もいるでしょう。
どちらも正しいし、どちらも間違っていません。

とはいえ、そうやって日本の風土、伝統がなくなっていくのは少し寂しい気もします。

お寺としては、伝統よりも人々の生活に沿うことが正しいのでしょうか?
世のならいで古来より続いてきた風習がたえることも、それもまた仏様の意思なのでしょうか。


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お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

アンパンマン『が』救うのか、アンパンマン『を』救うのか

こちらをご覧ください。ヤフーの除夜の鐘に関するアンケートです。
https://news.yahoo.co.jp/polls/other/27283/result

26万超の投票があり、そのうち迷惑だと思う人は7002票。たった2.6%です。2.6%しかいないから無視しましょうという話ではありません。たった2.6%の意見を、時代が変わったかのように報道されているという話です。
少なくとも私の知り合いのお寺さんに除夜の鐘を止めた所は1ヶ寺もありません。でも、お寺が次々と除夜の鐘を止めているかのように伝聞されている…そこで弱気になってしまうお坊さんも少なからずいらっしゃり、悪循環になっている部分があるでしょう。

私から皆さまにお願いしたいことがあります。

社会の9割合以上を占める除夜の鐘応援派の皆さま、心の中で想うだけでなく、ぜひ声にして応援よろしくお願い申し上げます。
お寺とは仏像があって、お坊さんがいればお寺の一丁あがりとはいきません。旦那(ダンナ、ダーナ)の皆さまが不可欠です。旦那とは元は仏教語で、お寺を支え護る人のことです。檀那とも書き、日本史方面では意訳で外護者とも書かれます。

仏さまも、教えも、私達お坊さんもまた、皆さまが思っていらっしゃるより遥かに弱い存在です。お寺というものは皆さまから求められなくなえば、あっという間に遺跡になってしまいます。
hasunohaの回答僧の面々だって、文面では「他人の評価を気にしないようにしましょう」と言いつつ、有り難しが頂けるとやはり励みになるものです。

皆さまの応援の一言一言が、お寺を盛り上げ、お寺の行事を盛り上げ、ひいては日本仏教を救うのです。

もちろんまずはお坊さん自身が頑張ることが最も重要です。いつまでも学校教育も科学もない時代の表現で「108の煩悩が消えますよ」と謳うしかしないようでは、理解を得られなくて当たり前です。もっとお坊さん自身がその魅力と向き合い、学び、今様で発信しないといけません。その意味でお寺が時代に適応することも大切です。
その中で、やらなかったお寺ではなく、やったお寺に注目し、声に出して応援し、娑婆にも伝えて頂ければ幸いです。

そうなれば、いつか止めてしまったお寺さんもきっと再開なさるでしょう。忘れられた遺跡が、遺産として人々の集う場によみがえるように。

皆さま、助けて下さい

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有り難し
おきもち

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家(捨戒済み)。仮面系お坊さんYouT...
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当たり前を当たり前に受け入れることの重要性

正しい、間違っているという物差しで物事を見ようとするよよく分からなくなります。一つ言えることは、そこに昔からあった伝統を返させるのではなく、自分が離れたらいいだけの話。うるさければ引っ越せばいい。苦情を言ったものが正義となってしまう世の中はなんとも暴力的で恐ろしいです。

祭りの日に眠ければその日だけ静かな場所に避難する。そんなことで対応するしかないでしょう。

人によってうるさいと感じたり、心地よいと感じるようなものの、真意はその音がただそのようにあるだけ、それを受け入れられないほどの心の余裕のなさの方が実は問題なのかもしれませんね。
楽しそうにしている姿や、心地よいと感じている人を見て幸せな気持ちになれないほど追い詰められているものがあるのでしょうか。

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有り難し
おきもち

禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺副住職。 悩みを吐き出す事で、ちょ...
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人にとって豊かさとは

拝読させて頂きました。
あなたがおっしゃる通り大切な伝統や風習もありますね。
とはいえ世の習いで世情が変われば無くなっていくものもあるのはやむを得ないことかとも思います。
その世の中の人が何をどう大切にするかですからね。
自分の生活が大切な方はやはり他のものごとが邪魔になる事も多いでしょうね。
まして四六時中どこかで働かねば回らない世の中、とことん利便性や経済性を追求すれば残れないものごとも沢山あるでしょう。

改めてあなたも本当の豊かさとは何かをお考えなさってみてくださいね。
せっかくそうお思いになったでしょうから自分にとっても人々にとっても大切なものごとはなんであるかをじっくりとお考えなさってみて頂き、大切だと思うこと人が生きていく為に残していかなくてはならないものは何かをご判断して残していって頂きたいと思います。

人はパンのみにて生きるにあらず

どうかあなたの大切なものをあなたを豊かにするものを大事になさってください。

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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

みなさんわざわざありがとうございます。
確かに僕が子供の頃に比べて、社会の余裕がなくなってきたように感じます。
みなさん丁寧にありがとうございました。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ