曹洞宗の故人の位牌を浄土宗の仏壇へ
現在、高齢の叔母がいます。
叔母は嫁いだ先が曹洞宗で、その旦那さんはすでに亡く、子どももいないので独り身です。
旦那さんの墓は老人ホームに入居する際、墓をなくしました。
終活ということで、将来どうしたいか訪ねたところ、「迷惑になるから、散骨でもして」と言います。
出来ることなら、実家である本家の墓と仏壇にと思っているのですが、他の叔母に聞いたところ「そんな話は聞いたことがない。家を出たのに仏壇に入れるのは反対だ」と言います。
墓については悩んでいたみたいですが、こちらもカッとなってしまい、「仏壇には入れず、墓に入れても、浄土宗の坊さんが念仏唱えるやろ!」と言ってしまい、墓の話もなくなってしまいました。
私の考えとしては、もし高齢の叔母が望むなら、仏壇墓に入れてあげたいと思っていますし、宗派関係なしに、故人を想うことが本来の仏教であるとも思っています。
どうしてあげるのが一番良いと思いますか?
よろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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正解というより調整を
私もまずは嫁ぎ先の元々の曹洞宗のお寺さんがどこか聞き、そちらでご相談なさるのが良いと思います。
この場合、嫁ぎ先の家が絶家という形になります。最近は少子化のために絶家が急速に増えています。ですのでこの手の話は元々のお寺さんも慣れているはずです。そして光禪師のおっしゃる永代供養塔などは、そのセーフティネットとして広まっているものです。
もう一点、嫁ぎ先のご親戚が気になります。近い親戚や本家筋が全く無いなら問題ありません。しかし、いらっしゃるならそちらを立てねば難しいことになります。
他の叔母さまがおっしゃるように、今の日本では嫁ぎ先の親類で引き受けるのが慣例です。
(曹洞宗としても他宗派の方のお骨が同じ場所に埋葬されることは問題ありません。ウチのお檀家さんのお墓でも例があります。仏教的な事情ではなく民俗的な慣例の話です。)
本来、こういったことに正解はありません。結局のところ皆が納得し、心穏やかにいられる形が理想です。
しかし困ったことに人の好みや価値観はバラバラです。資本主義じゃないとイライラする人もいれば、共産主義じゃないとイライラする人もいるわけです。だからみんなそれぞれ思うところはあるでしょうが、この地域ではこれで納得することにしましょう…という積み重ねが慣習です。
無闇にオリジナル路線でやると例え今のメンバーを説得できたとしても、孫の代、ひ孫の代、玄孫の代あたりで必ず再燃します。そしてその頃には事情が分からなくなっているため手のつけようがなくなり、ズルズルと不満を垂れ流すことになります。そういうウンザリする事例をたくさん見聞きしてきたから、ご年輩の方々は慣例にこだわるわけです。
慣習を外れては絶対いけないわけではありませんし、逆にこだわり過ぎてもいけません。しかし、やるならよほど慎重に進めねばなりません。正直やらない方が明らかに簡単なことの方が多いです。
そして本来、嫁ぎ先の親類筋に責任が発生する以上、先方を無視して勝手に話を進めるとマズイわけです。
そこまで含め、まずは元々の曹洞宗のお寺さんとご相談なさるのが良いと思います。そして親戚全体、本家のお寺さん等、広くご相談なさって下さい。
その過程できっと叔母さまの本音とも向き合うことになります。
上手く軌道に乗れば自然とトントン拍子に進みます。お疲れの出ませんように。
浄土宗としては、同じ仏壇に入れてもいいですし、同じお墓に入れてもいいです。
阿弥陀様は極楽浄土に行くことを願う人達を救うだけでなく、他の仏様を信仰する人達に対しても、その人達の仏道修行が完成することを応援していますからね。
菩提寺の住職にも相談してくださいね。
できれば他の叔母様を説得して欲しいですが、難しいようでしたら、法事などで親戚が集まる時に菩提寺の住職に質問して、それに答えるという形で説得してもらってもいいかもしれないですね。
追記
無縁仏のお墓、と書かれていたので少し私見も有りますが追記を書かせてください。
浄土宗として、そして何より私としては、この世に無縁仏などは居ないと思っています。
全ての人には父がいて母もいる。たくさんの人との交流もある。そして仏様との繋がりもある。決して無縁の人などいないのです。
ですから、ご主人のお墓があるなら、たとえ無縁仏のお墓と一般に呼ばれていても、そこに納骨して、心の中で無縁仏などとは思わずに、仏様となって私たちを見守ってください、と手を合わせる、ということでも良いことだと私は思います。参考まで。
南無阿弥陀仏
うーん、宗派の違いは問題ない(入る先のお寺で何らかの儀式をする事になると思います)ですが、けんかになってしまうような所に入っては、入る方も肩身が狭いでしょう。
ご主人のお墓を片付けた時、お骨はどうしましたか?その曹洞宗のお寺さんの永代供養塔や無縁仏に入っているのなら、一緒にできないかそこのお寺さんに相談するのも良いですね。
どちらにしても、現実的な話、お葬式やお年忌のお布施など、お金のからむ問題もありますので、あなたの考えだけでなく、親戚全体でよくよく相談し、叔母さまのご主人のお寺、本家のお寺さんからも意見をもらいながら、答えをだすようにすると良いと思います。
質問者からのお礼
皆様ありがとうございました。
叔母の夫側の親類については、夫の骨を無縁仏に入れたことで、頼れません。夫の一部の骨を昔永平寺に入れたと聞いておりますので、それについても、少し話をしたいと思います。他宗派なので、仏壇に入れないという言い分が納得できず、ご相談させていただきました。
他の親類とも話をより深くして、どうしたいか、話し合いたいと思います。